ARIL BRIKHA
ARIL BRIKHA インタビュー151号
デトロイト・テクノのパイオニア、デリック・メイにその才能を認められ、1998年に「Art Of Vengeance EP」でデビューを果たしたクリエイター、アリル・ブリッカ。そのデビューEPに収録された「Groove La' Chord」が世界的ヒットを記録して以来、自国スウェーデンを拠点に世界各地でライヴ活動を展開している実力派だ。近年は、POKER FLATやKOMPAKTといった人気レーベルからも作品をリリースするなど、活躍の場を広げている。
そんな彼が、UKの老舗ダンス・レーベルPEACEFROGから、アルバム『エクス・マシーナ』をリリースした。TRANSMATからのアルバム以来、約7年ぶりとなる作品集だ。彼のトレード・マークである、ディープかつグルーヴィーなテクノ・サウンドが詰まった内容となっている。
華麗なシンセ音が散りばめられた新作について、アリル・ブリッカ本人からe-mailで話を聞いた。
——デビュー・アルバム『Deeparture In Time』から約7年ぶりの新作リリースですね。すいぶん時間がかかったようにも思いますが、今作の制作はいつ頃スタートさせたのでしょう?
「僕は音楽をつくることを止めたことがないんだ。と同時に、アルバムのためにトラックをつくったこともない。いつも、独立したトラックをつくっていて、それを僕自身の楽曲コレクションに加えていくだけなんだ。だから、いつとは言えないな。そんな風だから、リリースのプレッシャーも感じなかったし、以前手がけたトラックを徹底的に見直すこともしなかったというわけさ」
——では、収録曲は、いつごろ制作したトラックが中心となっているんでしょうか?
「今作に収録されたほとんどのトラックは、2003年から2006年の間につくったものだね。ただ、昔のトラックもあるよ。それは、1998年につくったオリジナルを再レコーディングしたものだ」
——各トラックの選定は、どのように行ったのですか?
「選曲は、PEACEFROGレーベルの人たちと一緒に行ったんだ。僕が最初に28トラックくらいを選んで、PEACEFROGの人たちが最終的に収録するトラックをピックアップした。たぶん僕自身が選曲していたなら、今作には、いくつか違うトラックを入れているだろう。でも、僕は、アルバムをつくるなら誰かにトラックを選んでもらった方がいいと思っているんだ」
——それは、どうしてですか?
「こういう作業こそが面白いと思うんだ。独立したトラックの集まりを、外部の人間がアルバムへ形成していくという作業がね。フレッシュな耳で僕の音楽を聴いてもらって、アルバムへとつながる文脈を探してもらうのさ」
——そんな本作にテーマがあったとしたら、どんなものでしょうか?
「テーマは、“僕と僕の音楽”ということ以外にないだろうね。僕の、マシーンを通しての自己表現だ」
——“エクス・マシーナ(Ex Machina)”というタイトルには、どんな意味があるんですか?
「これは、ラテン語で“from machine”という意味なんだ。要するに、“アリル・ブリッカ・フロム・マシーン”ということさ」
——ちなみに、アルバム・ジャケットに写っている物体は何なんでしょう?
「アートワークは、PEACEFROGが手がけたんだ。僕もアイディアは出したけどね。ジャケットは気に入っているよ。アルバム・タイトルにもとても合っているし、僕の音楽にも合っていると思う。この物体が何なのかは、見た人の判断に任せたいな」
——最終的にはPEACEFROGが選曲した作品ということになりますが、あなたの中では、本作のキー・トラックはどの曲になるんでしょう?
「うーん...。タイトル・トラック「Ex Machina」は、初期のプロダクションと少し違うものになっているし、他のアルバム収録曲とも全く違うものになっていると思う。ただ、僕は音楽を分析するのが好きじゃないんだ。スタイルやフィーリングを決めるのはリスナーなんだよ」
——リスナーの立場から言いますと、デビューEP以来、あなたのサウンド・プロダクションには一貫したスタイルがあると感じています。
「僕には、自分のスタイルが一貫しているのかどうかも分からないんだ。でも、特に最近のリリースには、それがあるという意見を聞くよ」
——曲づくりで、何か心がけていることがあるのでしょうか?
「僕は音楽をつくるとき、意識的に何かをすることはないんだ。座りこんで、ただ音楽をつくるだけさ」
——では、あなたがマシーンを操るときは、どんな物事からインスピレーションを得ることが多いですか? あなたの音楽は、常にエモーショナルで流麗なシンセ音を有したものとなっていますね。
「ワイン、自然、旅行、女性、そして人生だね」
——あなたはデトロイト・テクノから影響を受けていますよね。あなたにとってデトロイト・テクノの魅力は、どこにあるのでしょう?
「エネルギーだね。あとは、そのエネルギー融合したソウルや熱意、そこに魅力を感じるんだ」
——ところで、前作からの7年間は、あなたにとってどのような時間でしたか?
「次に何をすべきか。そして、それをいつやるべきか。そういったことを決めるという意味においては、充実した時間を過ごせたよ。自分の時間を十分持つことができたしね。ただ、前作と今作の間には、いろいろなことがあったんだ。楽しい出来事ばかりじゃなかった...。でも、今、僕はここにいるというわけさ」
——今後の活動予定と目標を教えてください。
「もっと音楽をつくって、ライヴをしていきたいね。僕がそれに飽きてしまって、何か他のことをしたくなるまで、続けていきたいと思っているよ」
interview & text FUMINORI TANIUE
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ARIL BRIKHA
Ex Machina
(JPN) PEACEFROG / PFGJPCD-001

