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BATTLES インタビュー149号

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 アメリカのハードコア・シーンや前衛音楽シーンで活躍してきた、名うてのミュージシャン四名によって結成されたスーパー・バンド、バトルズ。元ドン・カバレロ/ストーム・アンド・ストレスのイアン・ウィリアムス(G)、スコット・ヘレン(プレフューズ73)とも親交が深いソロ・アーティスト、タイヨンダイ・ブラクストン(G/Electronics)、元リンクスのデイヴィッド・コノプカ(Ba/G)、元ヘルメット/現トマホークのジョン・ステイナー(Dr)という布陣から生み出されるそのサウンドは、インストゥルメンタル・ロックの中でもとりわけパワフルかつ洗練されたもの。音楽通の間では、すでに極めて高い評価を獲得している。
 そんな彼らが、三枚のEP作品を経て、WARPより初のアルバム作品『ミラード』をリリースした。従来の実験的なテイストをベースとしながらも、よりカラフルで表情豊かなサウンドを構築することに成功した本作。彼らの驚異的な演奏能力に支えられた、ロジカルかつマジカルな音世界を十二分に堪能できる内容となっている。
 新作『ミラード』とバトルズの音楽観について、リーダーのイアン・ウィリアムスに話を聞いた。なお、彼らはフジロックにて来日を果たす予定だ。


——バトルズは、すでに十分なキャリアを有しているメンバーで構成されていますが、結成のきっかけは何だったのですか?
「バトルズのストーリーは、俺のいたドン・カバレロが、2001年に解散したとき始まったんだ。当時の俺は、バンドの解散をきっかけに、ニューヨーク周辺でソロ活動をするようになっていた。でも、なかなかバンドを始める気にはなれなかったんだ。バンドをやることは、価値があると同時にしんどいことでもあるからね」

——でも、心変わりする出来事が訪れたんですね?
「そう。あるとき、俺のソロ・パフォーマンスを観にきたタイラー(タイヨンダイ・ブラクストン)が、“イアン!これは絶対にレコードにするべきだ!”って言うんだよ。そう言われて、最初は躊躇したんだけど、タイラーと一緒ならできるかもしれないと思って、彼を誘ってみたんだ。その後、2003年にデイヴィッドが入り、最後にジョンが入って、ようやくバンドらしい音になった。そこで、バンドとしての形態がはっきりしたら、突然“ツアーやレコーディングをちゃんとやろうぜ”って意識も生まれてきた。いきなり戦闘モードに入ったみたいだったよ。それで、バンド名をバトルズにしたのさ」

——デビュー・アルバム『Mirrored』で表現したかったテーマは何ですか?
「このアルバムで打ち出されているイメージの一つは、タイトルの通り“ミラー”だよ。二枚の鏡を向かい合わせにすると、無限にお互いのイメージを映し合うだろ? ループが多い俺達の音楽は、そんな連続して映る鏡のイメージに合うと思ったんだ。それに、アルバムの最初と最後がシンメトリックになっている点も、合わせ鏡を連想させる。それで、アルバム・ジャケット用に3.65メートル四方の鏡張りの部屋を建てたんだ」

——ジャケットやシングル「Atlas」のPVに登場する部屋ですね?
「そうそう。そいつを自分達で建てたんだ。換気システムをつけなかったから凄く暑くて、PV撮影のときは、何回も外に出ちゃったよ(笑)。鏡の中で演奏するのは、不思議な感覚だったね」

——他にテーマはありましたか?
「草の上に大量のカセットテープが山積みされている光景からもインスピレーションを受けたね。そこには、“人間がつくったシュールな世界”といった感じのテーマがある。想像しにくいかもしれないけど、アメリカではカセットテープをそこら辺に捨てる人が多いんだ」

——さきほど“ループ”という言葉が出てきましたが、バトルズは"ミニマリズム"という言葉もよく使用していますね。
「ミニマリズムのクールな感じって、セクシーだからね。でもバトルズは、ミニマムとマキシマムの両極を行くバンドだと思う。だから実際のところ、曲づくりのやり方は様々なんだ。例えば1曲目の「Race:In」では、俺の考えた速いギター・ラインに、ジョンがファンク調のドラムをつけて、まずはフェラ・クティっぽい一面を持つサウンドを出した。でも、“まだ何かが足りない”って感じていたところに、今度はタイラーが中国人みたいなヴォーカルを入れた。全然しっくりこなかったけど、そのズレた感覚が、自由な発想と新しい展開を曲に与えてくれたのさ。一対一で、お互いの音に挑戦していくのがバトルズ流なんだ」

——なるほど。
「一方、「Atlas」は、音よりもアイディアが先に生まれた曲だ。数年前にドイツで流行っていた“シェイフル”って知ってる? ドイツのテクノDJ達が、ロック・クラブで昔のグラム・ロック・バンドがやっていたブギーと出合ってつくるようになった、シャッフル・ビートのテクノのことだ。“ドッド・ドッド・ドッド”ってビートのやつ。英語で言うとシャッフルだね。ドラマーのジョンがテクノ好きで、ドイツのKOMPAKTレーベルの音楽をよく聴くんだけど、KOMPAKTには、そういうシャッフルしたテクノがけっこうあるんだ。それをみんなで聴いているうちに、“これを再びロックに戻してあげたら面白いかも”って思ったんだ。最初はジョークのつもりだったけど、やってみたらかっこいい感じになったね。テクノのロック回帰だ(笑)」

——自由な発想で曲をつくる一方で、非常に綿密なアンサンブルも追求していますね。アレンジでは、どんなことを意識していますか?
「俺達は、リード・ギター、リードなんたら...っていうアイディアに反対なんだ。各パートは、楽曲全体の構造の中で、お互いをサポートし合う存在なんだよ。だから、完全なる一体感が生まれるようにアレンジしているよ」

——具体的には、どうやっているんですか?
「まずは、大きな紙をスタジオの壁に貼って、そこにマジックペンで曲のセクションごとにアイディアを書き込むんだ。で、そこからさらに音を掘り下げていくのさ。抽象的な方法だ。でも、実際に演奏するときには、そこで完璧に計画されたものを弾くことになる」

——あなた達のサウンドは、ポスト・ロックやマス・ロックとも形容されていますが、あなた達自身が考えるバトルズの音楽とは、どのようなものなのでしょう?
「俺達にとって、ポスト・ロックとかマス・ロックは何の意味も持たない言葉だよ。ただ、このバンドがバトルズとなった当初は、なんと言うのか...安易にやってみたいと思える音楽は自動的に拒否していた。わかる? 自分には想像できないような音楽をやってみたかったからね。俺達は、自分たちの音楽を計画するというよりも、“発見”したかったんだ。それがバトルズのやり甲斐につながっているよ」


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BATTLES
Mirrored

(JPN) BEAT / BRC-174


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