BOYS NOIZE
BOYS NOIZE インタビュー/LOUD155号
テックでパンクなノイズ・エレクトロを鳴らす、ベルリンの一匹狼!
現在隆盛を見せるエレクトロ・シーンを、ジャスティスやデジタリズムと共に牽引してきたダークホース。それが、ここでご紹介する、ベルリン出身のエレクトロ・クリエイター、ボーイズ・ノイズことアレクサンダー・リダだ。弱冠24歳の彼は、14歳でDJ / クリエイター業を始め、21歳でボーイズ・ノイズとして活動開始。今ではボーイズ・ノイズ・レコーズのオーナーも務める、多忙な人物。人気コンピ『Kitsune Maison』のシリーズ2 / 3 / 4に楽曲を提供しているので、その名前を、耳にしたことのある方も多いだろう。
10月5日、満を持してドロップされる彼のデビュー・アルバム『Oi Oi Oi』は、13曲中11曲が新録という嬉しい内容。テクノのドープな質感を有する、ノイジーなディストーション・エレクトロが詰まった本作は、主要エレクトロ勢のアルバムに比べ、よりフロア・ライクな一枚と言えるだろう。
来日も決まっているアレクサンダー・リダに、毒舌たっぷりのトークで、ボーイズ・ノイズのルーツを語ってもらった。
——この間デジタリズムのジェンスにインタビューしたら、「ボーイズ・ノイズとは同級生」と言っていたのですが、実際そうなんですか?
「ははは、正確にはジェンスの方が俺よりも一学年上だよ。俺は15歳のときレコード屋で仕事を始めたんだけど、音楽業に専念したくなってね。19歳のときに、後任をやってもらおうと声をかけたのがジェンスだったのさ(笑)。ジェンスは、そこで知り合ったイジーと一緒に、デジタリズムとして活動を始めたんだ。俺はその5年前の14歳のときから、一人で音楽制作を始めていたんだよね」
——そんな経緯があったんですね! では、あなたのトレードマークであるパンキッシュなエレクトロ・サウンドは、どんなアイディアから生まれたのでしょう?
「これは何年もかけてつくり上げていった俺独自のサウンドで、現在も進化中。ルーツは幅広いよ。ギャング・オブ・フォー、ワイヤー等のパンク、ドクター・ドレみたいなヒップホップ、ジョイ・ディヴィジョンをはじめとしたロックといったところかな。ハウスに関しては、’90年代後半あたりからフェリックス・ダ・ハウス・キャットが大好きだった。一度同じパーティーでプレイしたことがあるんだけど、彼のDJセットは実にパワフルで、影響を受けたな」
——個人的にはテクノの影響も感じましたが、それについてはどう思いますか? あなたが活動しているベルリンもテクノのイメージが強いですし。
「たしかに、かなりテクノ寄りだと思うよ(笑)。好きなテクノは、ホアン・アトキンス、デイヴ・クラーク、それから昔のリッチー・ホウティンあたり。それにしてもベルリンに移ってきて以来、リッチーは随分つまらない音楽をやるようになった。しかも、今のベルリンでは誰もがリッチー・ホウティン系に走っている。クダらないよ(苦笑)。もともとベルリンってオープンマインドな街だったのに、今は冷たいイメージになってしまった。だから、俺の音楽にベルリンらしさはないと思うよ。俺は現在のベルリン・シーンで、アウトサイダー的存在なんだ。ただ、ドイツ人らしさは音楽面に反映されていると思うね。エレクトロニック・ミュージックは、ドイツ人が唯一世界に誇れるものなんだ」
——ベルリン・テクノ・シーンには所属していないんですね。ところで、アルバム・タイトルの『Oi Oi Oi』は、オイパンクのOi?
「そう。オイパンクのOi。このタイトルを思いついたのは、Boys Noize Recordsのデザイナーを務めているポール・スノードンなんだ。“BOYS NOIZE”というアーティスト名の中に“OI”という文字があることに、ポールが気づいてね。それで、俺のアーティストのスタンスには“他人の言いなりにならない”というパンク的要素があるから、このタイトルはピッタリだと思ったのさ」
——なるほど。
「もちろん音楽そのもの以外にも、自分の意見を持つスタンスは大切だと思う。俺の場合は、今の音楽業界に疑問を感じているから、自分で立ち上げたBoys Noize Recordsからリリースしているんだ。レコード会社のクソみたいなプロモーションで強引にアルバムを売りつける必要はなくて、俺に興味を持ってくれている人達が「おい、ボーイズ・ノイズの音ヤバいぜ!」って理解してくれればいいのさ。そういう自然な発展を、俺は大切にしてきたんだ」
——パンクですね! その精神は収録曲「Don't Believe The Hype」にも表れていると思います。このシングルが発表されたのは今年の頭でしたが、当時そう実感するような出来事があったのでしょうか?
「このタイトルは、当時俺の音楽を聴いた音楽関係者たちがくれた、Eメールの内容に触発されてつけたんだ。メールの中には、“まさに新世代版ダフト・パンク!”だとか“君こそがニュー・レイヴ!”なんていう、ふざけた内容が書かれていた(苦笑)。音楽業界は、いつもそうやってハイプをつくろうとするんだよ。俺にとってのダフト・パンクは、誰にも再現できない偉大なアーティストだ。比較すること自体無意味だって言ってやりたかったね」
——では、若いエレクトロ・クリエイターたちと比較されることについては、どう感じていますか? お隣のフランスには、Ed BangerやInstitubesといったレーベルもありますよね。
「Ed BangerやInstitubesの音楽は俺のものよりポップだけど、彼らとは仲がいいし何度も共演しているから、音楽活動のスタンスは共有していると思う。パラ・ワンやジャスティスのリミックスも手がけたしね。そういえばこの間、パラ・ワンがお返しに俺の曲をリミックスしてくれたよ。ジャスティスもリミックスしてくれるって言ってたけど、やってくれんのかな(苦笑)」
——実現したらスゴそうですね。
「でも、ジャスティスや俺の音をマネするヤツらが、最近増えてるんだよ。それって音楽シーンにとって不健康なことだから、俺はそろそろ違う音をつくると思う(笑)。別に新しい音楽をつくりたいってワケじゃないけど、みんなと同じ音楽をやるのはイヤなんだよ」
——やっぱりパンクです(笑)。最後に、今後の予定を教えてください。
「10月4〜8日に、日本へライヴしに行くよ。ライヴと言っても、俺の場合はターンテーブル3台、CDJ3台とエフェクターを使用するDJセットに近いけどね。自分の曲だけを演奏する、おもしろい内容になるよ。単にラップトップの前に立ちんぼのライヴよりは、断然エキサイティングだと思う。それから、リミックス集も近々発売する予定なんだ。パラ・ワンの他に、モードセレクターもリミックスを手がけてくれた。他のラインナップはまだ秘密(笑)」
interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation KEIKO YUAYAMA
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BOYS NOIZE
Oi Oi Oi
(JPN) CISCO / BOYS NOIZE / BNRCDJ-002

