BREMEN
BREMEN インタビュー147号
沖縄出身のエリー(Vo)、トラック・メイカーのコージロー、ハイオカによるテクノポップ・ユニットBREMEN。’04年、ジャパニーズ・テクノ・シーンに彗星のごとく現れた彼らは、ライブを中心に音楽活動を開始。そのキャッチーなパフォーマンスで注目を集め、デビュー前にしてFM802やZIP-FM主催のイベントへ出演するほどの存在感になっている。’06年7月には、1stシングル「Echno」をリリース。明るく前向きな作風で、リスナーから大きな支持を獲得、その名をシーンに知らしめた。同年には
このたびリリースされたミニ・アルバム『Stardust Orion』は、彼らの持ち味であるポップさ、明るさを活かしつつも、より深い心情を表現した作品だ。どこか切なさの漂うメロディーと歌詞からは、彼らの人間性を垣間見ることもできる。
BREMENにとって激動の年であった昨年の活動と、新作の制作風景について、三人から話を聞いた。
■夏フェスと全国ツアーで得たもの —‘06年、BREMENは<サマソニ>、<渚音楽祭>、
エリー(以下、E)「<サマソニ>は、今まで出ていたイベントとは全く違いましたね。お客さんから受けるエネルギーがとても強いと感じました。気合いが充填していましたね」
コージロー(以下、K)「音を鳴らした瞬間に、まばらだったお客さんが“グワー”ってステージに集まってきてくれたんです。全身が武者震いのように震えて、アドレナリンがすごく出るのが分かりました」
―沖縄の
E「
ハイオカ(以下、H)「
―一方、<渚音楽祭>には、様々なジャンルのアクトが出演していましたね。
K「<渚音楽祭>はビッグなアーティストが多いイベントでしたが、<サマソニ>や
—違うジャンルを好んで聴いている人にも、テクノの良さが伝わっているという実感はありましたか?
K「個人的には強く感じました。フロアにいる人のファッションやいで立ちを見れば、それぞれの好みは大体わかりますよね? 様々な人がいましたが、みんなBREMENを聴いて楽しんでくれていたので、良さは伝わっていると思います」
―全国ツアーも行ったそうですが、地方によって反応の違いはありましたか?
H「名古屋はパワーがすごかったです。まだCDを出していなかったのに、入場規制がかかったんですよ。僕らが出た瞬間に“ワァー”って盛り上がったし」
E「BREMENを受け入れてもらえたことが、すごく嬉しかったですね」
―地方のお客さんは、なぜそんなにモチベーションが高いんでしょう?
K「地方でのライブは年間に何本もできるものではないから、聴きに来てくれるファンの人たちも、それをわかっているんです。その分、地方の人には“行かなきゃ!”っていうアツい想いがあるんです。こっちも求められればそれ以上に返したくなるので、記憶に残るような良いライブができるんです」
—ライブ活動で得た経験は、楽曲制作にも反映されていますか?
H「もともと、ライブをやるために曲をつくっていたんですよ。お客さんの反応や、ライブでの見せ方も考慮して曲をつくるようにしています」
E「歌だけ聴かせたい時は上音を全部カットしたり、みんなで盛り上がりたい部分ではクラップを入れたり、お客さんを煽りたい部分はゴリゴリにしたり...、ライブの光景が思い浮かぶような曲づくりを意識しています」
—ライブ活動と並行して、ハイオカさんは11月に
H「はい。“自分はこんなに良い音楽知っているんだよ”というのを出演者のラインナップで示せるので、パーティー・オーガナイズは自己表現のようなものなんです。お客さんがものすごく楽しそうにしている顔を見ると、BREMENのライブとも、曲ができた時とも全く違う、すごく幸せな気分になりますね。今後も、一年に2~3回ずつやって、温めていこうと思っています」
■BREMENの心情がより深く表れた作品
—ミニ・アルバム『Stardust Orion』では、オリエンタルな音階をトラックに取り入れていますね。
K「オリエンタルな曲をつくろうと、意識したわけではないんです。オレらも東洋人なので、それはもともと備わっている感覚なのかもしれないですね」
H「エリーが適当にキーボードを弾いたワン・フレーズをループさせたら、なぜか中国っぽくなったのが「China Bottle」なんです」
―「卯月」には、三味線の音が取り入れられていますね。
H「日本人にしかできないようなことがやりたくて、まずは三味線の部分をつくったんです。で、コージローに“三味線を使った曲はどう?”って、素材を渡したんです」
K「そのとき、オレは三連符メインの曲をつくっていたんです。で、それを合わせたら、たまたまピッタリだったんですよ」
H「そこから、ジャムりながら展開をつくっていきました」 —1stシングル「Echno」では、前向きな気持ちが明るくポップに表現されていましたが、『Stardust Orion』では“自分以外の誰かに対する想い”が描かれていますね。
K「もともと、自分本位の曲はシングルに、より世界観が広い曲をアルバムに収録しようという考えがあったんです」
E「それと、自分が思っていることを、ただ“明るいよ”って示すだけじゃリスナーには伝わらないと感じたってこともありますね。これで完璧というわけではないですが、より心情が表れた歌詞になっていると思いますね。自分自身も本当はちょっと暗い部分を持っているのに、それをあえて出さないのは不健康じゃないですか(笑)」
H「シングルでは“BREMENとは何か?”っていうのをわかりやすく伝えていたんですが、アルバムではBREMENの人間性や、BREMENのつくり出す世界観がわかってもらえるんじゃないかと思います」
—「One Day」の歌詞では、女の子の気持ちを表現していますよね。でも、作詞はハイオカさんなんですね?!
H「女の子の気持ちをあえて考えたわけではなく、自然に自分から出てきた言葉が“ねえ、どうして?”だったんです(笑)。女の子っぽく聞こえるかもしれないけど、自分の言葉なんですよ」
—「Stardust Orion」の歌詞には、“Bremen On The Radio”というフレーズがキーとして使われていますね。
E「どこかで落ち込んでいる人が、ラジオから流れてるBREMENの曲を聴いて元気になるっていう状況が、頭の中に一気に浮かんだんです。家に帰る道を、空を見ながら歩いていて、自然と浮かんできた歌詞ですね」
K「メロディーに対して、“Radio”っていう言葉の語感が、うまくマッチしました。歌って楽しいフレーズっていうのは、オレの中では重要なんです」
■ラジオ番組がきっかけで広がった交友関係
—Inter FMのラジオ番組、『STREET BEAT -BREMEN On The Radio-』では、パーソナリティーをつとめているそうですね。
K「「Stardust Orion」のサビを、この番組のジングルに使っているんですよ」
H「曲をつくっている時から、“この曲、ラジオのジングルっぽいよね?”って話してたんです」
—この番組では、DISCOTWINS、DR.SHINGO、RAM RIDER、NIRGILIS、ニポポといった日本のテクノ/エクレクティック・シーンで活躍するアーティストを、ゲストに迎えたそうですね。
E「NIRGILISさんとは番組で知り合って、その後ライブを見に行ってから、とても仲良くなりました。DISCOTWINSのKAGAMIさんとは、番組の収録をした直後に
H「DR. SHINGOさんやRAM RIDERさんとは、曲づくりの方法について話しました。トラックをつくっている側としては、そういう話もとても興味深かったです」
—この番組がきっかけで、交友関係が広がったんですね。
一同「そうですね」
—ゲストの中で、一番印象深かったのは誰ですか?
H「ニポポさんですね。ニポポさんとは、音楽の話は全くしませんでした(笑)」
E「かなり強烈な印象が...(笑)。音楽はめちゃくちゃカッコいいのに、ご本人はとても親しみやすい。そのギャップが面白い方ですね」
K「オレらより先輩の方なんですけど、収録が終わって、“ニポポさんを応援したい”って思っちゃいました(笑)」
—そういったアーティストの方々と、今後コラボレーションすることは考えていますか?
E「コラボレーションは、ぜひやってみたいですね。同じテクノ・シーンとはいえ、それぞれのカラーがあるので、一緒にやれば絶対なんらかの化学反応が起きると思うんです。そういえば私、今年の初夢でニルギリスとコラボする夢を見たんですよ(笑)。一緒にタクシーに乗ってどっかに行って...っていう。なんか縁があるんですかね?」 K「オレら全員乗ってたの?」 E「いや、ニルギリスの4人と私だけ(笑)」
―最後に、今後の野望を教えてください。
E「海外でライブがやりたいです。モンゴルとかの大草原でやってみたいなぁ(笑)」
K「人いねーじゃん。いやー、モンゴルのシーンは難しいと思うよ~(笑)。このシーンでは、オレらが一番年下の世代だと思うんです。なので、そこを下から押し上げていきたいですね。それで、“これはBREMENが牽引している”と思われたら、してやったりですね(笑)」
H「BREMENのいるシーンを提示することができてきたと思うので、そのシーンをまとめて引き上げていきたいですね」
interview & text EMIKO URUSHIBATA
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BREMEN
Stardust Orion
(JPN) GATE / GTCR-07001

