BREMEN インタビュー154号
期待の新世代テクノ・ユニットが降り立つ、ネクスト・ステージ
沖縄出身のエリー(Vo.)、コージロー(シンセ / Vo.)、ハイオカ(エンジニア / DJ)からなるテクノポップ・ユニット、BREMEN。'04年に活動をスタートした彼らは、エンターテインメント性あふれるライブ・パフォーマンスで、シーンに頭角を現し、'06年7月、シングル「Echo」でCDデビュー。以来、
——いよいよ、初のフル・アルバムがリリースされますね。今作は、BREMENにとってどんな位置づけの作品なのですか?
コージロー(以下、K)「このアルバムには、新曲から昔つくった曲まで幅広く収録されているので、今までのバンド活動三年間を物語っている作品と言えますね。アルバム・タイトルの“Prescious Story”という言葉は、BREMENが歩んできた道のりをまさに表していると思いますよ」
——前半に収録されている新曲からは、これまでの作品と比べて、非常に洗練されている印象を受けました。
ハイオカ(以下、H)「新曲に関しては、今までよりも音数が少なくなっていると思います。一つ一つの音を立たせるように意識したんです」
K「最初の頃は自信が無かったので、それをいろんな要素で包み隠そうとしていたんです。でも今は、たった一つでも納得がいかなければ、その音を丸ごとカットするっていう、ある意味シビアな曲づくりをするようになりましたね」
——制作において、特にこだわったのはどんな部分ですか?
H「トラックに関しては、幅広いジャンルのリスナーに聴いてもらえるエレクトロ・ポップを常に心がけました。今までは自分たちのスタイルをテクノとかハウスって言ってきたんですけど、それにとらわれないリズム・ワークを消化しようと考えたんです」
K「あえて言うなら、歌詞に注目してほしいですね。今回の歌詞は、自分のプライベートなことを歌ったものがほとんどなんです。俺のつくった歌詞を歌ってもらう時は、自分の素の想いを、恥ずかしい部分まで含め全部エリーに吐き出しました(笑)」
——では、歌詞ではどんなことを表現したのですか?
H「歌詞を書く時はいつも、頭の中で一本のストーリーができるんです。その主人公はたぶん自分で...私小説を書くようなイメージで、歌詞を書きました」
エリー(以下、E)「「Walkin', runnin', singin', fightin'」や「Hiruma no kyoku」を歌う時は、一人よがりで突っ走ってる男のイメージが浮かびましたね。それは、まさにハイオカなんです(笑)。“言いたいんだけど言えない、でもそんな自分が好き”みたいな、そんなどうしようもない男を想像しながら、ハイオカってこんなヤツなんだよ、ってみんなに伝えながら歌っています(笑)」
——メンバーそれぞれの気持ちを共有できているのは、さすがBREMENだと思いました。
H「他のメンバーが書いた歌詞も、すごく自分に置き換えやすかったですね。コージローが書いた歌詞なのに、“あれ? なんで俺の気持ち知ってるんだろう?”って思うこともありました」
——特に想い入れの強い曲はありますか?
K「「Alive」には、かなり想い入れがありますね。この曲は、重病を患っている俺らの友達に向けて書いたんです。その子が笑っている様子を思い浮かべて詩のようなものを書いて、それを気持ちを込めて読むような感覚で、メロディーにしていきました」
——なるほど...。今作には、様々な想いが詰まっているんですね。ところで、「風人(カジピトゥ)」はBREMENにしてはめずらしい、ダウンテンポ・ナンバーですね。
E「以前沖縄でライブをした時に、メンバーが私の家に泊まりに来たんです。この曲は、その時に家でピアノを弾いていてできたものなんですよ。最初はもっと派手な曲だったんですが、レコーディングしていくうちに、いらない要素がどんどんなくなっていって...」
K「気付いたら、リズムまでなくなっちゃったんです(笑)」
——そんないきさつで生まれた曲なんですね。ところで、エリーさんはGTSやレニー・フォスターの楽曲への参加、コージローさんはRyoheiさんへの楽曲提供、ハイオカさんはDJと、それぞれのソロ活動も積極的に行っているそうですね。
H「はい。ソロ活動を経て久々に集まると、それぞれがものすごくレベル・アップしているんです。三人とも常に競い合っていて、並ぶことがないんですよ。常に誰かが抜きん出ているから、みんな悔しくてそこに追いつこうとして、いつの間にか抜いてていて...。そういう切磋琢磨が、このアルバムにも反映されていると思います」
E「私の場合はソロ活動を通じて、今までどれだけ二人に頼っていたのかを痛感しました。他の人の楽曲に参加すると、いろんなことを求められるんです。要望に迅速に対応できるよう、自分自身を鍛えなきゃと思いましたね」
K「楽曲提供をする時は、先方の意向に従って、注文があったら何でも言ってくださいっていうスタンスをとっているんです。それは、自分自身のスキル・アップやハードルにもなったと思います」
——それぞれの得意分野が違うからこそ、三人で集まった時に大きなバワーになるんでしょうね。では今後、新たにチャレンジしてみたいことはありますか?
H「生楽器とコンピューターのセッションに、興味がありますね。以前、生ドラムとギターを入れてライブをやったことがあったんですが、さらにBREMENの音楽性が広がっていくのを感じたんです。デジタルでつくりこんで持っていっているシンセやベースの素材も、ライブの現場でつくってみたいですね」
K「ちなみに俺は、こっそりジャンベの練習をしています」
——こっそりなんですか(笑)。
K「はい(笑)。今後は、ハイオカがドラムマシン、俺がジャンベっていうセッションもやってみたいですね」
——では最後に、現在のBREMENにとって最大の目標を教えてください。
K「大きい会場で野外ライブをやりたいですね。何度か野外パーティーに出演したんですが、俺らはやっぱり野外向きだなと、改めて感じたんです。あと、個人的にはもっと素直になりたいです(笑)」
E「結局は、それがBREMENの根本にあるんですよ」
interview & text EMIKO URUSHIBATA
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