CAGEDBABY
CAGEDBABY インタビュー127号
ファットボーイ・スリムことノーマン・クックは、ちょっとフツーじゃないセンスの持ち主だ。そんなこと彼のアルバムを聴けば分かるって? いやいや、あれはむしろ整合性がある方なんだ。ちょっと彼が主宰するSOUTHERN FRIED RECORDSのラインナップを見てみてよ。アーマンド・ヴァン・ヘルデン、ハウス界の大御所。カーティス・マントロニック、エレクトロの王様。スペース・カウボーイ、フランスのネタ男。ア・マン・コールド・アダム、バレアリックのパイオニア......う~む、クオリティーの高さは共通しているが、音楽的には統一感ゼロ! 要はこのジャンルレスな感覚がノーマンの持ち味?
そういう意味では、またまたドンピシャなアーティストがSOUTHERN FRIEDからデビュー・アルバムをリリースした。その名もケイジドベイビー。音的にはチルでエレクトロでロックなんだけど、ジャンル分け不能。UKでは既に
―ケイジドベイビーはあなた一人のプロジェクトなんですよね?
「うん。ケイジドベイビーは曲づくり、演奏、プロデュース、ミックスを、友人達の手助けを得ながらオレが一人で担当するソロ・プロジェクト。今は自分のバック・バンドもいるから、ライヴではアルバム内容を忠実に再現できるようになった。オレはヴォーカルとキーボード担当で、ルイ・ヴェガのようにバンドの指揮をとりながらロックするんだ」
―CAGEDBABYというアーティスト名について教えてください。
「『檻の中にいる“ホットな”女』っていう意味なんだ。アニメの『LOONEY TUNES』に登場する猫のシルベスターにヒントを得た名前で、もともとはEメールのアドレス用に使用していた変名だった。別にオレのあだ名ってわけじゃなくて、面白いと思って使用していた名前をそのままアーティスト名にしたんだ。あと、“C”で始まるアーティスト名がいいと思ったんだ。ケミカル・ブラザースもそうだろ。もちろん文字通り“檻の中にいる赤ん坊”って意味もあるよ」
―子供の頃はお母さんの影響でクラッシク音楽に親しんでいたそうですが、他にどんな音楽を聴いていましたか?
「ロック少年だったんだ。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ブラック・クロウズ、パール・ジャム、ピンク・フロイドが大好きだった。その後プロディジーに夢中になり、サイケデリック・ロックやTOTO、ビージーズのようなスーパーグループに皮肉な観点からハマった(笑)。壮大な映画のサントラも大好きだったね」
―生まれも育ちもブライトンとのことですが、あなたにとってブライトンはどのような街ですか?
「ここは美しい街だよ。現在は海岸通り沿いにある、海を見渡せる地区に住んでいる。曲を書いている時は、海から大きなインスピレーションを受けるんだ。ブライトンは非常にボヘミアン的な土地で、様々な文化がここから生まれている」
―『Will See You Now』は、あなたのデビューアルバムですが、コンセプトがあったら教えてください。 「ジャンルにこだわらず、感じたものや自然に浮かんだものを曲に託したんだ」
―とても男っぽいロックなものとメロディアスで女性的なものとのバランスが良いアルバムだなぁと感じたのですが。
「最高の意見だね(笑)! まさに性別を超えた音楽だと思う。風変わりなビートを取り入れたキャバレー・ミュージックっぽい部分もあるしね。変わったアル バムだから、どんな人でも楽しめる曲が見つかると思うよ」
―ロック的要素とダンス的要素の共存を意識していますか?
「もちろん! ロックとダンスの融合を上手く聴かせるバンドって少ないけど、ふたつの境界線は段々無くなってきていると感じるよ」
―「16 Lovers」や「Golden Triangle」はエイティーズ色も強いですね。エイティーズからリアルタイムで影響を受けていますか?
「現在27歳だから、'80年代の音楽にはリアルタイムで影響を受けているよ。例えば映画だと『グーニーズ』、『コクーン』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『グレムリンズ』、『ゴーストバスターズ』が大好きだった。結局オレって今でもガキなんだよな。今だにe-bayでガキの頃から大好きだったゴーストバスターズ・グッズを買ってるし(苦笑)。それから、TOTO「Africa」のピクチャー・ディスクも集めているんだ。80年代の音楽ってスネア・ドラムとリヴァーブが利いてて、プロダクションがいいよね。でも、オレの音楽はレトロ嗜好じゃないよ。表現したい音が、ちょうど'80年代の音楽に似たエレクトロニクス系だったってだけ」 ―個人的に一番好きだったのは、「EVOLITION」と「NEVER SE MORE」です。
「おっ、いい趣味してるねー(笑)! 実はオレも気に入ってるんだ。両曲とも思い入れの深い楽曲で、アルバム収録曲の中で最もプロデュースに時間がかかった2曲なんだよ。チルアウト系かつ型破りなナンバーだけど、クラブ映えするんだ」
―「MARMALADE」はあなたのクラッシック的要素が色濃くでているとっても美しいピアノ・ナンバーですね。
「もともとジャズ・ピアニストのMike Del Ferroが弾いたナンバーで、イギリス映画『ウィッカー・マン』からインスピレーションを得たんだ。映画からサンプリングした部分もあったけど、絶対に使用許可が下りないと睨んで最終的には外した。Mike Del Ferroの作品は素晴らしいから、是非チェックして欲しいな」
―幼い頃習っていたクラシック・ミュージックは、今のあなたには関係のないものですか?
「最近またクラシック音楽を聴くようになって、歳を重ねるごとに(クラシックをやってきたことを)、感謝するようになった。ラヴェルとハープ、それからフランス印象派のピアノ曲への情熱は冷めていないよ。20年後に映画のスコアやミュージカル用のクラシック音楽を書く機会があればいいなぁ」
―音楽以外で興味のあることは何ですか?
「片目の猫、“ネルソン”と遊ぶこと。美味しいレストランへ行くこと。ブライトンにはPaston Placeをはじめ、素晴らしいレストランが沢山あるんだ。最近はプロデュース業と自分のライヴ活動が忙しくてゆっくりスポーツを楽しむ暇が無いけど、ウォーター・スポーツも大好きなんだ。スタジオ・ワークが無い時は、いつもビーチでごろついてる(笑)」
―自分はラッキーな人間だと思いますか?
「うん。ラッキーだと思う。子供の頃は、フロリダ州にあるディズニー・ワールドへ何度か連れて行ってもらえて嬉しかった。素晴らしい友人、ブライトンでの生活、そして健康にも恵まれている! 子供の頃はちょっとした問題もあったけど、そのお陰でたくましくなったよ」
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CAGEDBABY
Will See You Now
(JPN)Ksr / KCCD175

