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CAPSULE インタビュー147号

 プロデューサーの中田ヤスタカ、ボーカルのこしじまとしこによるポップ・ダンス・デュオ、capsule。’97年に活動を開始して以来、エレクトロ、ボッサ、ラウンジ、フレンチ・ポップなどの要素を取り入れ、次々に作品を発表してきた注目株だ。中田ヤスタカは、トラック制作と作詞のみならず、DJ、PV制作、ジャケット・デザイン、スタイリング、他アーティストへの楽曲提供、レーベル運営、はてはファッション誌とのコラボレーション・イベント開催まで手がけるマルチ・クリエイターとして知られており、ファッション・シーン、アート・シーンからも評価が高い。’04年には、スタジオジブリの短編映画『ポータブル空港』で原案、音楽を担当し、音楽シーンにとどまらない活躍も見せている。
 このたびリリースされた8作目のアルバム『Sugarless Girl』は、エレクトロ・テイストあふれるトラックを前面に押し出し、capsule独自の世界観を示した作品。エッジの効いたサウンドと、こしじまとしこのキュートな歌声が、コズミックで幻想的な雰囲気を醸し出している。
 LOUD初登場となるcapsuleの音楽観と新作について、中田ヤスタカに話を聞いた。


―まずは、capsuleとして活動開始したきっかけを教えてください。
「女性ボーカルの曲をつくりたいと思ったのが、きっかけでした。最初は僕個人+ゲスト・ボーカルという形で、いろんな方と一緒に活動していたんです。そんな中、こしじまとしこに参加してもらった曲の評判が良かったので、capsuleとして活動するようになりました。僕は、曲づくりからジャケット・デザイン、PV制作、衣装選びまで、全部一人でやっちゃうタイプなので、もし僕が女の子だったらボーカルも自分でやっていると思いますけど(笑)」
―活動開始から現在までの間、capsuleの音楽性に変化はありましたか?
「変化はあったと思いますが、自分で意図的に方向性を決めたり、特定のジャンルを意識したことはないんです。ファッションの変化のような感覚で、曲をつくってきました。同じブランドのお店でも、BGMは時期によって違うじゃないですか。そういう感覚に近いですね」
―capsuleは、“音楽とファッションをリンクさせる”ことを意識しているのですか?
「そもそも、“音楽とファッションをリンクさせる”っていう考え自体が、音楽とファッションを別モノとして分けてしまっている気がします。音楽をやっている人って、それ以外のことにはあまり興味を持っていなくて、音楽を中心に全てを考えちゃうことが多いんですけど、音楽とファッションは当たり前のように一緒になっているものだと思うんです」
―中田さんが主催しているパーティーには、ファッション関係の人がたくさん集まっているそうですね。
でプレイしているDJに、プロのミュージシャンは僕以外いないんです。役者や美容師といった、音楽を仕事にしていない人が、音楽を使って遊んでいるパーティーなんです。実は僕自身、ミュージシャン中心じゃないイベントの方が面白いと思っているんですよ」
―いわゆる“音楽好き”が集まるようなパーティーとは、どんな違いがありますか?
「出演者と客の境目が、無いに等しいんです。お客さんを見るために遊びに来てもいいぐらいです。こういうパーティーからは、ミュージシャン以外の人間から生まれる音楽もあるということを感じますね。ミュージシャンは音楽をつくる才能を持っていますが、スタイリストは、コーディネートのセンスを持っているわけです。そういう、各々が持っているレベルの高い感性に触れることによって生まれる音楽を、僕としては大切にしたいと思っています」
―ファッション・シーン特有の感性で、おしゃれだと思う音楽を発信しているんですね。
「そうですね。音楽だけが好きな人にとってのおしゃれな音って、ファッションが好きな人はほとんど聴いていないんですよ。その接点はすごく遠くて、それぞれはバラバラの位置にいる気がします。だから、僕たちはファッションの観点から、新しいバランス感覚で音楽を発信していきたいと思っているんです」
―ニュー・アルバム『Sugarless Girl』の制作にあたっては、何かコンセプトを決めましたか?
「“クラブっぽいポップス”ではなくて、“ポップスっぽいクラブ”になっていると思います。コンセプトというよりは、自然にそうなったんですが...。素直にカッコいいと思うものが表現されていますね」
―今作にはエレクトロの要素が取り入れられていますが、海外のエレクトロ・シーンを注目していますか?
「海外のシーンについては、あまり考えていないですね。どちらかというと、音楽シーンよりもファッションの方に注目しています(笑)。海外のコレクションで使われている曲に反応することが多いんです。ショーの一部として使われている音楽を自然と耳にするうちに、つくる音もエレクトロっぽくなったのかもしれないですね」
―ではその上で、capsuleが持つオリジナリティーとは何だと思いますか?
「世間では、音楽をつくる上で“こうしないとダメ”みたいなルールがあるじゃないですか。僕らはそれに縛られず、音楽とファッションそれぞれのシーンを自由に行き来できるような音を示しています。いろんなアーティストが曲をつくっていますけど、そのルールに縛られているせいか、みんな同じ枠の中でやっているように見えるんです。そういう意味では、そもそもの出発点が違うというところがcapsuleの面白さだと思います」
―歌詞では、コズミックな世界が表現されていますね。
「実は、内容に特に意味はないんです。自分でも、何を書いたか覚えてないぐらいです(笑)。自分で作詞しているのは、いかにメロディーとリズムをカッコよく響かせるかを重要視しているからなんです。すごく良いことを歌っていても、踊れなかったら意味がないですからね」
―あははは(笑)。あくまで語感重視なんですね。
「そうですね」
―ご自身が運営しているレーベル、contemodeの活動スタンスを教えてください。
「contemodeでは、自分が面白いと感じるもので、他の人は面白いと思わないようなものをリリースしています(笑)。今の音楽シーンでは、CMなどのタイアップのために楽曲をつくるというパターンが多いじゃないですか。僕がcontemodeでやっている音楽は、そういう場所では“必要とされていない音楽”だと思いますね(笑)。逆に、必要とされていないものをいかに面白いと思わせるか、ということに挑戦しています」
―では最後に、今後の目標を教えてください。
「自分が本当に楽しいと思う、つくりたいと思う曲をリリースしているミュージシャンって、意外と少ないと思うんです。でも、僕はやりたいと思ったことを、自分の意志でやっています。その違いを活かして活動していきたいですね」


interview & text EMIKO URUSHIBATA


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capsule
Sugarless Girl

(JPN) YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS / YCCC-1008

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