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CHEMICAL CREW インタビュー138号

 近年、世界規模で大きなムーブメントを巻き起こしている、PSYトランス。プログレッシヴ・トランス、テック・トランス、ダーク・サイケ、エビル・トランスと、ジャンルの細分化が進んでいるが、中でもイスラエル出身のアーティストが得意とする、ロッキンなエレクトリック・ギターとトランス・ビートの融合型サウンド、ギター・トランスの人気には目を見張るものがある。  ここで御紹介するケミカル・クルーは、そんなイスラエルの大人気トランス・レーベルだ。ダークでヘビーなギター・トランスが持ち味で、PSYトランスのパワフルさを形容するのに使用される“フルオン”という言葉を、最も体現しているレーベルでもある。  このたびリリースされたケミカル・クルーの新作『CHEMICAL PLAYGROUND』は、レーベル所属アーティストが全員参加したコンピレーション・アルバム。PSYトランス・シーンきっての人気を誇るスカジーを筆頭に、凄腕達が名を連ねた話題作だ。ピーク・タイム栄えするキラー・チューンで統一された今作には、ケミカル・クルーという名のアーティストによる、1枚のオリジナル・アルバムといった趣きさえある。  そこでLOUDは、この作品を徹底解剖するべく、参加アーティスト達からコメントをゲット、ヴォイドとエグザイルにはインタビューにも応えてもらった。フルオン軍団の正体やいかに?!


SKAZI  
ハードコア・ギターとダークなボトムの融合で、出す曲すべてがメガ・ヒット! 世界を震撼させ続ける、クルーの最強アクトにして首謀者。
「Dangerous」
「チューブのモーニング・トランス・スタイルに、スカジーのメタルでハードコアな吠える要素を織り交ぜた。ファットなベースラインと力強いギターが楽しめる、デンジャラスな内容だね。クレイジーなリードが、ダンスフロアを爆発させるよ!」

VOID  
アルバム・リリースは'04年の『Pushiment』だけにも関わらず、存在感は抜群!クルーの先陣をひた走る、ハードPSY・トランス・デュオ。
「Highway To Hell」
「この曲は、オレたちの新しい方向性でもある、テック・トランスになっているよ。タイトルは、AC/DCの「Highway To Hell」に由来している。彼らが何千人もの前で、その曲をプレイしているライヴをDVDで観て、改めてシビレちゃったのさ!」

EXAILE  
キラーなギターとアップリフティングなベースで、フロアを完全掌握! 強者揃いなクルーの中でも、高い人気を誇る。
「Vilderness」
「友達と一緒にレコーディングしたことによって、普段とは異なる曲調に仕上がった。曲名は、その友達のプロジェクト名から拝借したんだ。メロディーには、アラビックな雰囲気があるね。オレたちのギグで、ラストを飾るにふさわしい一曲になったよ」

PARANORMAL ATTACK  
最新作『Phenomena』が好評だった、クルーの中核。メタリカ「Seek & Destroy」のリミックスで、人気アクトに仲間入り。
「Psycrepes」 「日本でエグザイルが新しいスピーカーを買って、彼らと一緒にホテルで大はしゃぎした思い出があるんだけど、この曲はその時を思い出させるなー。パワーに満ちたメロディアスなトラックだから、夜明けにプレイするには最適だと思うよ」

PSYCHOTIC MICRO  
人気急上昇のクルー注目株。アザックス・シンドロームとの共作『Voices Of Madness』のリリースで、知名度を上げた。
「Time Split」 「オレたちは、サイケの影響をフルに受けた、最もクレイジーな野郎なんだ。サイケデリックなエネルギー満載のハードコアなこの曲で、ダンスフロアを盛り上げて見せるよ! だから、みんなシャツを脱ぎ捨てて踊りまくってくれよー!」

STAR-X  
クルー参加は最近なれど、すでに安定した人気を獲得。正統派フルオン・ラエリー・トランスで、日々世界を駆け巡る。
「Be Real」 「このトラックは、オレのニュー・コンセプトなんだ。ヘビーなダンスフロア向けのリズムに、ビンテージのリードを効かせてみた。そこに、昔好きだったサウンドも加えたんだ。曲の最後は、人を驚かせるような盛り上げ方で仕上げたよ」

ROCKY  
最近は日本での活躍も目立ってきた、クルーの出世頭。FARMからのコンピレーション『Psychedelic High』も監修している。
「Gioto」 「この曲は、一般的なケミカル・クルーのスタイルとは少し違うかもしれない。その特徴は、グルービー、ファンキー、セクシー。洗練された雰囲気とグルービーなPSYトランスが、ケミカル・ボールのパワーでクロスオーバーしたトラックだよ」

TUBE  
怒濤の勢いを見せる、スカジーの秘蔵っ子。ダークでパワフルなベース・ラインが持ち味。今後に期待が掛かる、クルーの新鋭。
「Go Crazy」 「曲のスタイルは、ディープでダークなPSYトランス。イントロでは、チューブのパワフルサが目立っているけど、コックス-ボックスによるダーク・サイケの要素もキーポイントになっている。フロアを全開にして、揺らすこと間違いナイね!」



トップ・ランカー二組がクルーを語る!


―まずは、ケミカル・クルー参加の経緯を聞かせてください。
VOID(以下、V)「5年前くらいに、スカジーと出会ったんだ。まだ彼らがケミカル・クルーを始める前だったな。当時のオレたちは音楽を始めたばかりだったんだけど、スカジーは作品を気に入って、誘ってくれたんだ。もちろん喜んでOKしたよ!」
EXAILE(以下、E)「オレたちも5年前くらいに、スカジーのアシャーと知り合ったのがキッカケだね。当時彼は、SHAFFELというレーベルをやっていて、そこから1stアルバムを出したんだ。2年前にレーベル・マネージメントの体制が変わって、レーベル名もケミカル・クルーになったんだけど、オレたちがレーベルに残ったのは自然な流れだね」
―ケミカル・クルーに、どんなイメージを持っていますか?
V「今のところ、世界一デカいトランス・レーベルだと思う。アーティストにとって、すごく信頼できるね。プロモーションやビデオ制作、コンピレーションの出し方など、すべてがプロフェッショナルだ。世界中にオープンなところも良いね。以前のPSYトランス・シーンは、もっと閉鎖的だったけど、彼らがドアを開いたと思うな。オレたちにとっては、家族みたいなもんだよ。みんなが集まって何かをやる時は、巨大なマフィア集団みたいで楽しいよ。そこが他のレーベルとは違うね。パーティーとかで全員集合すると、すっごい盛り上がって最後はグチャグチャになる(笑)」
E「音楽の方向性も明確で良いね。オレたちのスタイルにも、本当にフィットしていると思う」
―ケミカル・クルーに参加したことで、心境や音楽性に変化はありますか?
V「正直な話、あまり変わっていないと思う。もちろん、昔はいろんなことに影響されてたよ。スカジーはハードコア・トランスのリーダーだったし、そういうことにも少なからず影響を受けた。でも、最初だけだったね」
E「オレたちも、そんなに変化していないと思う。音楽に興味を持ち始めた当時に影響を受けた、ヘビー・メタルやエレクトロ・ロックなんかが、今のオレたちを形成していると思う」
―ケミカル・クルーで、誰かシンパシーを感じるアーティストはいますか?
V「トランス・シーンからは、あまり影響を受けないようにしているんだ。同じシーンの中で方向性が似てきてしまうから。オレたちは外のアーティストに共感したり、影響を受けることの方が多いな。ロイクソップ、ベニー・ベナッシー、ダフト・パンクなんかが大好きだし、ザ・ビートルズ、レディオヘッドといったオールドスクールも良いよね。そういったトランス以外のエレクトロニック・ミュージックやロックをたくさん聴いて、いろんな要素を作品に取り込んでいきたいんだ。だから、普段はトランスやケミカル・クルーの音楽は、ほとんど聴かない。彼らとはご近所さんだけど、オレたちはオレたちにしかできないことをやりたいからね」
E「古臭い言い方になるかも知れないけど、オレたちはケミカル・クルーに所属する全てのアーティストが好きだよ。ケミカル・クルーのスタイルは、強くてパワフルなベース・ラインが特徴的だ。でも所属アーティストが、各々にレーベルのスタイルを解釈して活動しているところが良いと思う」
―今作のアートワークは、ロボットによるバスケの試合をモチーフにしていましたね。仮に、バスケの試合で今作のギグを行うことになったとします。ずばり!開会式には、何をプレイしますか?
V「面白い質問するねー(笑)。もちろんオレたちの曲!と言いたいところだけど、エグザイルの「Vilderness」が開会式向けだな。オレたちの曲は、その次でイイよ。「Vilderness」はメロディーがイイんだよね。オープニングに相応しい、深呼吸したくなるような感じだ。でも、1曲目のあとは、もっとハードコアで選手の士気を高める曲が良いと思うな」 E「あはは(笑)。オレたちは、ヴォイドの「Highway To Hell」が最適だと思うよ!」
―では、続きまして(笑)。試合も、いよいよクライマックス! 白熱の試合は最高潮に達しました。そこであなたが今作の中から選ぶ曲は?
V「スターXの「Be Real」かな。アゲアゲでハッピーな感じだから、選手にエネルギーをあげるのに良いと思うんだ」
E「なるほどね。うーん、オレたちはパラノーマル・アタックと一緒につくった「Psycrepes」を推しておこうかな(笑)」
―それでは、いよいよ閉会式。感動のフィナーレにピッタリだと思う曲は?
V「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの「Killing In The Name」が良いなあー。締めにピッタリなんだよ。最近、ギグの最後には毎回この曲をかけるんだ。どうしても今作からじゃないとダメ? わかった。じゃあ、スカジーの「Attack」でいこう! やっぱり最後はギターでしょー(笑)」
E「うーん、やっぱり最後には自分達の曲「Vilderness」をかけたいなー(笑)」
―あはは(笑)。では、今後のスケジュールを聞かせてください。
V「夏には新しいアルバムを出すから、日本のフェスにも行くかもしれないね。新しいアルバムは、PSYトランスに留まらない、もっとハードコアでパワフルなテック・トランス中心の作品だよ。2枚組で、1枚目はトランス、2枚目はエレクトロ・ロックという、スペシャル・プロジェクトなんだ」
E「今後も、世界中でギグを続けていくよ。それから、オレたちもちょうど新しいアルバムの制作をはじめたところなんだ。どんな作品になるかは、まだちょっとわからないな」
―最後にメッセージを!
E「日本のみんな、いつもサポートをありがとう。オレたちにとって、みんなは世界一クレイジーでエネルギッシュな存在だよ! みんなからの『CHEMICAL PLAYGROUND』や、オレたちの新作に対する反応が本当に楽しみだね。早く日本でプレイして、ウマい飯食って、買い物したいよ(笑)」
V「楽しんでいこうぜ! 次のギグで会おう!」


interview & text SOICHIRO NAITO
translation KYOKO MAEZONO


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CHEMICAL PLAYGROUND

(JPN) CHEMICAL CREW / CHEMCDJ-012

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