COLDFEET インタビュー151号
アメリカ人の父と日本人の母を持つLori Fine(コンポーザー/ボーカル)とWatusi(プログラミング)によるダンスミュージック・デュオ、COLDFEET。’98年にファースト・シングル「Pussyfoot」をリリースして以来、ドラムン・ベース、トリップ・ホップ、ジャズ、ハウスと様々なジャンルを吸収し、クラブ・シーンで注目を集めてきた。そのスタイリッシュなビジュアルと独自の世界観は、ファッション界でも話題で、クリスチャン・ディオール、カルティエといったブランドが彼らをスペシャル・イベントに招いたこともあるという。
このたび彼らが、約1年半ぶりとなるオリジナル・アルバム『Feeling Good』をリリースする。前作『Bodypop』で挑戦したハウス・スタイルを引き継ぎつつ、“楽しみたい”というシンプルなメッセージを込めた本作。数多くのライブ・ステージから得た経験が反映された、これまでの集大成とも言える作品だ。
COLDFEETの音楽に込める想いについて、二人から対面で話をきいた。
——デビュー当時のCOLDFEETは、ドラムンベースやトリップ・ホップを軸に活動していましたが、その音楽性は様々に変化してきましたね。近年ハウス方面にシフトしているのは、なぜですか?
Lori(以下、L)「サード・アルバム『Jazzfeet』をリリースした後に、いろんなパーティーでライブをしたんですが、私たちがステージに出ると、お客さんは踊るよりも聴く雰囲気になってしまったんです。ライブ前のDJではお客さんも気持ち良く踊っていたのに、私たちがその空気を壊してしまったような気がして...。そこで、私たちももっとダンサブルな音楽をやりたいと思ったんです」
Watusi(以下、W)「そのライブをきっかけに、“俺たちがダンサブルな気持ちになれるのは、どんな音楽だろう?”っていうリサーチが、二人の間で始まったんです。せっかくクラブでパフォーマンスするんだったら、もっとお客さんを踊らせたい、自分も踊りたいっていう気持ちになったのは確かですね」
——その結果、ハウスというフィールドにたどり着いたんですね。
W「はい。自分たちが楽しいと思える音楽を探していった結果、最終的にハウスに行き着いたんです。その頃ちょうど、自分でDJをしていて気持ちよく盛り上がれるものが、4つ打ちでBPM130ぐらいの曲だったんですよ。そういう曲をCOLDFEETの音楽でやったら、自分たちも気持ちよくて、お客さんにも踊ってもらえるんじゃないかなと思ったんです」
——そんないきさつがあったんですね。ニュー・アルバムも、前作『Bodypop』で挑戦したハウス・スタイルを引き継いでいますが、その他に何かコンセプトはあるのでしょうか?
W「コンセプトは、アルバム・タイトルの通り“Feeling Good”ですね。自分も気持ちよくなりたい、解放されたいっていう気持ちを込めて曲づくりをしました。ライブをしていて一番楽しくなる、みんながハッピーな笑顔になる瞬間って、まさに“Feeling Good”じゃないですか。そういう、現場で感じる衝動を集めたアルバムをつくりたかったんです」
――曲を書く時は、どんなことをイメージしましたか?
L「とにかく、ポジティヴな気持ちを大事にして曲づくりをしました。だから、自分が今感じている気持ちと、この一年間のライブで経験したことが自然に表現できたと思います」
W「今作は『Bodypop』よりも、僕らのライブで体感できる汗やアグレッシヴさ、ポジティブな笑顔がより見えやすいものをつくろうと考えました。悲しい曲が嫌いなわけではないんですが、今の僕たちはポジティヴィティを大事にしたいと思っているんです」
——音楽的には、'70年代のグラム・ロック、'80年代のディスコ、'90年代のフィルター・ハウス、そして最近盛り上がりを見せているエレクトロの要素を盛り込んでいるそうですね。
W「僕は、'70年代の音楽をリアルタイムで聴いていましたからね(笑)」
L「私が小さい頃は、いつも隣の兄の部屋から、ディーボ、ゲイリー・ニューマンといったニューウェーヴの音楽が聞こえていたので、その影響もありますね(笑)」
——では今作には、お二人の音楽的ルーツも反映されているんですね。
W「そうですね。このアルバムをつくるにあたって、“ライブっぽさって何だろう?”って考えたら、ギターの音を取り入れたくなったんです。最近のクラブって、ライブみたいな盛り上がり方をしているじゃないですか。そこに、自分が昔マーク・ボランに熱狂していたような興奮と共通するものを感じて、ハウス・フォーマットにその要素を取り入れたいと思ったんです」
——なるほど。だから、今作にはロックの要素も強く表れているんですね。
W「はい。あと、今盛り上がっているエレクトロや、'80sのニューウェーヴもそうだけど、荒削りな、ある意味ダサかっこ良さが面白さでもあるじゃないですか。その雰囲気をこのアルバムでも出したいと思ったので、僕自身でもギターを演奏したんです。僕は一応ギターも弾けるんですが、プロの人みたいに上手くはないので“感情はこもってるんだけど、弾けてないじゃん!”っていう感じが出るんですよ(笑)」
――それは、意外な一面ですね! 今作には、佐藤タイジさん、sugiurumnさん、ナカムラヒロシさんもゲスト参加していますね。
W「ナカムラの持つハッピー・オーラが加わると、楽曲がもっと楽しいパーティー・チューンになるんですよ。sugiurumnもとてもアツい人間だし、タイジはロック方面で独創的な音楽をやっている。今回参加してもらった三人は、“Feeling Good”っていうイメージにぴったりだと思ったんです」
――ここ最近、日本のハウス・シーンは独自の盛り上がりを見せていますが、それについてはどんな感想を持っていますか?
W「今のハウス・シーンにいる人たちは、みんな昨日や今日に活動を始めたわけじゃなく、長い間自分のペースでやってきた人たちなんですよ。そういう、いろんな人の力が結集された結果、盛り上がりが生まれたんだと思います。今までライブハウスにしか行ったことないようなお客さんがクラブに来てくれることは、純粋に嬉しいですね」
――さらに多くの人に、COLDFEETの魅力が伝わっていくといいですね!
W「そうですね。このアルバムのリリース後には、パーティーで全国を回る予定なので、ぜひ遊びにきてください!」
L「“COLDFEETをパーティーで見かけたけど、話しかけられなかった”っていうメールをよくもらうんですよ。でも、私たちはお客さんと話せることを楽しみにしているので、見かけたら遠慮せずに話しかけてくださいね(笑)」
interview & text EMIKO URUSHIBATA
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COLDFEET
Feeling Good
(JPN) Grand Gallery / GRGA-0035


