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COPPE' インタビュー151号

 『時間ですよ!』や『ポッパーズMTV』といったテレビ番組や、『オールナイト・ニッポン』をはじめとする数々のラジオ番組で活躍してきた人物、コッペ。彼女は、1995年に米アリゾナで立ち上げた自身のレーベル、mango+sweetriceから10作のアルバムを発表している、知る人ぞ知るアーティストだ。
 そんなコッペが、通算11作目のアルバム『fi-lamente'』をリリースする。様々なアーティストと交流のある彼女は、これまでの作品でも多くのコラボレート曲を発表してきたが、今作にもプラッド、アトム、ケッテルなど、テクノ/エレクトロニカ系の鬼才を招聘。彼らと共に、不思議な間、空気感を持った、エキセントリックな楽曲をつくり出している。
 独自の音楽観を崩さずに、自由なアーティスト活動を展開してきた彼女から、新作について、そして“コッペ”という存在について話を聞いた。


——1995年にレーベル、mango+sweetriceを立ち上げる以前から、テレビやラジオでご活躍されていますよね。これまでのキャリアを総括しますと、どのような肩書きが相応しいですか?
「職業的には、生まれたときからアーティストなのかな、無職というか(笑)。まず、小学校のときに、「ペケの歌」でレコード大賞の童謡賞を受賞したんですよ。その頃、作曲や和声を習っていて、そこで毎週出ていた宿題の一つから生まれたのが「ペケの歌」でした。で、それを先生がスタジオでレコーディングしたんです。わけのわからない歌なんですけどね(笑)。そうしたら、“天才少女現る”って感じでマスコミに騒がれて、当時ヒットしていたゲゲゲの鬼太郎のテー マ・ソングの売り上げを追い越しちゃった。そこから、私の人生はこうなっちゃったかな」

——’95年にレーベルを立ち上げて、アメリカのアリゾナに移住したきっかけは何だったのですか?
「その頃は『FMスーパー・ミクスチャー』という番組をやっていたんだけど、聴取率がナンバー・ワンになったんです。でも、自分の中では、ちょっと仕事に飽きてしまっていたんですよ。あと、当時の旦那さんのパパが病気になっちゃったから、一緒にアメリカに帰ってあげないと可哀想だった、ということもありました」

——その頃から、現在のようなエレクトロニカやアンビエントをベースとしたサウンドをやっていたんですか?
「いや、全然違うと思う。私の音はしょっちゅう変わりますしね。一枚目のアルバムなんて、聴いたらビックリするんじゃないかな。“ヒエー”って感じ(笑)。8トラックのオープンリールを使って、ピンポンしながら自分でつくったんですよ。それを友達に配って聴かせてみたら、“一人じゃ無理だよ”って言われて、二枚目からは友達と一緒につくるようになりました(笑)。ただ、今でもほとんど全て手づくりなんで、その点は変わらないですね」

——本作『fi-lamente'』は通算11作目のアルバムですが、どんなテーマで制作しましたか?
「毎回テーマのようなものはないんですけど、一言で表現すると、相変わらず分裂症的ですね(笑)。よくわからないけど、とってもコッペなんじゃないかな。私にとって、レコーディングやモノづくりは、ご飯を食べることや寝ることと同じ、生理現象なんです」

——ジャケットのイメージは、何にインスパイアされたものですか?
「夢ですね。今回は電球の中でピリピリと泳ぎたかったの。みんなを体の末端からピリピリっと痺れさせて、生き返らせる感じ。私は、ヘンテコリンな夢をいっぱい見るんです。しかも、その夢と現実には、境目がほとんどないんですよ」

——本作にはプラッドやアトムなど、たくさんのゲスト・アーティストが参加していますね。彼らとは、どういう経緯で共作することになったんですか?
「いろいろ、お友達になるんですよねぇ。どうやって知り合うんだろう...。周りにクリエイターが沢山いるからか、気が付いたら一緒にレコーディングしていたんですよ。プラッドの二人とは、元ジ・オーブのスラッシュを通して知り合いました。アトムは、最初彼の方からmyspace上で “声をもらえませんか?” って依頼がきて、“私はサンプリング全然OKだから使ってね”って感じでしたね。そのときは、彼をセニョール・ココナッツだと知らなかったんですけど、myspaceにあった「Night & Day」のカヴァーにキューンときたから、“一緒にやりませんか?”ってお願いしたら、 “OK、やろう” って言ってくれたんです。ファイルの交換をしているうちに、“アトムって、アトム・ハートでセニョール・ココナッツだ” って初めて気が付いて、びっくり仰天しちゃった」

——本作のサウンドは、ジャンルとしてはエレクトロニカがベースとなっていますが、音楽的に意識したことは何ですか?
「私、ジャンルのことはよく分からない。だって、ジャンルやブランドって、自分でつくっていくものでしょう? とりあえず全部食べてみて、美味しかったらもっと食べるし、あまり好きじゃなかったらそれ以上はやらない。それだけですね。何をやってもコッペらしさがあればいいと思っています。自分がハッピーだと、そのエネルギーって絶対に広がって行くと思うから」

——なるほど。では、そのコッペらしさとは何だと思いますか?
「私はとっても自分勝手で、自分の体を客観的に見つめることができないんですよね。だから、嘘もつけないし、 “こういう音をつくれば売れる” という打算もできないんです。そもそも、お金もうけをしたいんだったら、音楽なんてつくっていないですよ(笑)。この広い宇宙の中に自分は一人しかいないんだから、自分にしかできないことを目一杯やっていかなきゃ。私は、それが一番素晴らしいことだと思う。私は、何か音楽やアートをクリエイトするために生まれてきたんです。それは間違いないことね」

——今,コッペさんの活動を支えているものは何でしょう?
「それは私のほうが聞きたいな(笑)。私は、ライターズ・プロック(書きたくても書けない状態)のような経験をしたことがないんです。理由は分からないけど、たぶん私の脳って、右脳の方しか動いてないんですよ(笑)。物事を始めるとき、頭で考えることがなくて、いつもハートが一番なんです」


interview & text FUMINORI TANIUE


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COPPE'
fi-lamente'

(JPN) mango+sweetrice / MSR011


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