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DELAYS インタビュー136号

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 UKの歴史ある名門レーベルROUGH TRADEに所属する、イギリスはサウンザンプトン出身のディレイズ。兄弟であるグレッグ・ギルバート(Vo/G)とアーロン・ギルバート(Key/Vo)、にコリン・フォックス(B)、ロウリー(Dr)を加えた4ピース・バンドだ。  2004年に全英トップ20ヒットを記録したデビュー・アルバム『フェイデッド・シーサイド・グラマー』をリリースした当時は、グレッグの透き通るファルセット・ボイスと甘美なメロディー・ラインから、ネオアコやラーズ・フォロワーと形容されていた彼ら。しかし、デビュー・アルバムから間もなくしてリリースしたシングル「Lost In A Melody」では、キーボードをフィーチャーした新たなアプローチを展開、音楽的幅の広さを見せていた。  
このたびリリースされるニュー・アルバム『ユー・シー・カラーズ』は、そんな彼らの音楽性をさらに前進させた内容だ。既にシングルカットされ、スマッシュヒットを記録している「Valentine」を筆頭に、シンセをより前面に押し出した、カラフルで力強い楽曲の数々を披露している。  このアルバムのキーマンとなっているであろう、キーボーディストのアーロンに、話を聞いてみた。


―まずは、バンド名の由来を教えてください。
「映画『ドニー・ダーコ』(編注:リチャード・ケリー監督、ドリュー・バリモア製作総指揮・出演の青春SFムーヴィー)の中に、“英語で最も美しい言葉の組合せはCellar Door(地下室の扉)”と言う場面があるんだけど、オレたちにとって最も美しい言葉の響きは”Delays”だったのさ。あと、ギターなんかにディレイをかけるのが好きだからね(笑)。それでバンド名に選んだんだ」
―結成のいきさつは?
「オレの兄貴のグレッグ、コリン、ロウリーの三人は、近所に住む幼なじみで、中学校のクラス・メイトだったのさ。兄貴たちは18歳の頃にバンドを結成したんだ。彼らより三つ下のオレは、自宅のベッドルームで、一人ハウス・ミュージックを制作しながら、自分の存在をさりげなく彼らにアピールしていたよ(笑)。そして、前任のギタリストが脱退したときに加入したんだ。デビュー作の『フェイデッド・シーサイド・グラマー』に収録されている、メロディアスな「Wanderlust」って曲は、オレが書いたんだ」
―2004年の11月にリリースされたシングル「Lost In A Melody」の頃から、あなたのキーボードによるエレクトロニックな要素が強く出てくるようになりましたね。
「オレがディレイズに加入した時点で、デビュー・アルバムの収録楽曲はほとんどでき上がっていたから、前作でソングライティングに関わっているのは、「Wanderlust」「On」「Stay Where You Are」の三曲だけなんだ。「Lost In A Melody」あたりからは、オレも最初から曲づくりに参加しているよ」
―あなたは元々ディスコやエレクトロ方面に強いという話を聞きいていましたが、ハウスが好きだったんですね。
「うん、その通り。オレが最初に興味を抱いた音楽はデトロイト・テクノで、ケヴィン・サンダーソンやデリック・メイに夢中だったんだ。そのうち、友人のドラム・マシンを借りてトラックをつくるようになった。普段聴いているアーティストは、フリートウッド・マックからビーチ・ボーイズ、モグワイまで幅広いけどね。僕はメランコリックな気分になる音楽が好きなんだ」
―プライベートでは、クラブに行ったりもするんですか?
「最近はクラビングしていないなぁ。多忙な生活に一変してからは、オフ時間くらいは自宅で何もせずにノンビリしたいんだよ(苦笑)。ロンドンのThe Endへデリック・メイのDJを聴きに行ったのが、最後だね」 ―他のメンバーはエレクトロニック・サウンドについて、どう思っているんですか?
「いまだにバンドから追い出されていないってことは、きっとオレの音楽的方向性を気に入ってくれたんだと思う(笑)。グレッグとロウリーはダンス・ミュージックを聴かないけど、コリンはテクノが好きなんだよ」
―あなたとグレッグの音楽的な趣味は全く違うようですが、意見が食い違ったりしませんか?
「グレッグが一番好きなバンドはシャックだったんだ。あとはプリンスとアバの大ファンだね。グレッグとは意見の食い違いから大喧嘩に発展することもあるよ(苦笑)。でも、血の繋がった兄弟だから、暴言を吐いた5分後にはすっかり仲直りしているけど」
―ははは(笑)。曲づくりは、どのように進行していくことが多いんですか?
「歌詞の大半はグレッグが、メロディはオレとグレッグが書いているよ。時と場合によるけど、先にメロディができ上がることが多いね。オレとグレッグが思いついた楽曲のアイディアをもとに、メンバー四人で一緒にジャムりながら曲を仕上げていくんだ。その過程でロウリーはドラム、コリンはベース・ラインのアイディアを付け加えていく。今後はロウリーとコリンもソングライティングに参加していくと思うよ。楽曲アレンジは一番楽しい部分だね。話を進めていくと、言い合いになるから(笑)。ディレイズにはリーダーはいないんだけど、グレッグが話のまとめ役になることが多いよ」
―今作のレコーディングに入ったタイミングや経緯を教えてください。
「前作のレコーディング中から新作の楽曲は書き始めていたよ。オレたちは常に曲をつくっているんだ。でもその後、100曲もの楽曲を入れていたディスクを失くしてしまったんだ。記憶を辿ってすぐに書き直したから、「You And Me」や「Valentine」は無事に収録できたけど、あれは本当にに忘れられない悲劇だった。日記帳のように大切にしていたものだったから、大ショックだったよ。でも、“もしかしたら、あの100曲はそれほどいい曲じゃなかったから、この世から消えてしまう運命だったのかもしれない”と自分に言い聞かせて、頑張って書き直したんだ。そして、昨年の4月から5月にかけての六週間くらいでレコーディングしたのさ」
―シングル「Valentine」では、前作のオーガニックで美しいサウンドを残しながらも、キーボードによるエレクトロニックな要素をより強く打ち出していると思います。この曲が生まれた経緯を教えてください。 「2004年のクリスマスに、新しいキーボードを手に入れたのがきっかけなんだ。特にベースの音が最高で、何時間も夢中になってアルぺジオで弾いていたら、自然にこの曲ができ上がったんだ」
―最新アルバムには、何かテーマやコンセプトがありますか?
「特にコンセプトやテーマは掲げていないけど、“ありのままのオレたちを表現した、正直なアルバム”をつくりたかったんだ。前作を発表した後に、愛する人を失なうなど波乱万丈の日々を経験した。だから、嘘偽りなく、実際にオレたちが体験したことをアルバムに託したかったんだよ」
―アルバム全体は、UKインディー・ポップ/ロックの伝統が詰まった、カラフルな内容だと感じました。サウンド面で意識したことはありますか?
「全く何も意識せず、自然にやった結果がこれなんだ。他のメンバーと“こういう音を作ろう”なんて事前に話し合ったりはしないしね。たしかにオレたちは幅広い音楽から影響を受けているけど、レコーディング中は敢えて他アーティストの作品は聴かなかったよ」
―80’sっぽい雰囲気があるようにも感じますが、その辺のサウンドへの思い入れはありますか? ザ・スミスやオレンジ・ジュース、アズテック・カメラ、ペイル・ファウンテンズあたりが思い浮かんだのですが。
「そりゃ、もちろん思い入れはあるよ! オレは'80年代生まれだからね(笑)。一番影響を受けたのはA-HAかな。もちろんニュー・オーダーも大好きだし、エコー&ザ・バニーメンもいいな! ペイル・ファウンテンズやアズテック・カメラも大好きさ。ザ・スミスに関しては、オレよりも他の三人が大ファンだ。モリッシーは素晴らしいシンガーだよね」
―歌の内容で意識したことはありますか?
「政治的内容は歌詞の題材にしない主義なんだ。自分たちが体験したことや、日々の生活で起きたことを歌うように心がけている。例えば「Valentine」は、一昨年ニュー・オーリーンズで体験したハリケーンについて歌っているんだ。オレたちは慌てて街から避難したけど、“死”について考えさせられたよ」
―今作の中で、特にあなたが気に入っている曲を教えてください。
「全曲大好きだから、選べないよー(笑)! でも「You And Me」「Valentine」「Too Much In Your Live」の三曲は、特にお気に入りだね」
―ところで、このところイギリスからはアークティック・モンキーズなど元気な新人がたくさん登場していますね。昨今のUKのシーンにはどんな印象をもっていますか?
「うん。素晴らしい新人バンドが沢山登場しているから、今のUKの音楽シーンは過去最大級に面白いと思う。過剰なハイプで、まるでかつてのザ・ビートルズのように新人バンドを祭り上げるのはやりすぎだけど、時が経てばどのバンドが本物か証明されるだろうね。ちなみに、オレが個人的に好きなバンドはブロック・パーティーだよ」
―では、今後の予定、バンドとしての目標を教えてください。
「今年は年末までずっとツアーが続くんだ。明日は(スコットランドの)アバディーン、明後日はグラスゴーでライヴをする。昨日はリバプールでギグをやったよ。どの会場もソールド・アウトだし、オーディエンスも最高なんだ! 今日はオフ日だから、スコットランドのバーで飲んでる(笑)。 次のUKシングル「You And Me」のプロモ・ビデオをマイアミで撮影する予定もあって、楽しみだね。その後はヨーロッパ・ツアーが始まるよ。バンドとしての目標は、世界一のロック・バンドになること。他のメンバーも、これに関しては異議なしだろう。世界中の人たちにディレイズの音楽を聴いて欲しいね」


text TAKAHIRO KAWAMURA
translation KEIKO YUYAMA


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You See Colours

(JPN) TOSHIBA EMI/RESERVOIR / TOCP-66561

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