DEVENDRA BANHART

iLOUD > DEVENDRA BANHART

DEVENDRA BANHART

DEVENDRA BANHART インタビュー132号

 ヒッピー的でサイケデリックなヴィジョンを感じさせるサウンドで、昨今大きなムーヴメントとなりつつある、ネオ・アシッド・フォーク。その最高峰とも言える存在がデヴェンドラ・バンハートだ。
 テキサスで生まれ、少年時代はベネズエラとカリフォルニアで過ごし、サンフランシスコの美術学校に進学するも、卒業前に退学。放浪の旅をしつつ音楽活動を行い、2002年にアルバム・デビュー。そして昨年、一気に二枚のアルバム『Rejoicing In The Hands』と『Nino Rojo』をリリースし、その才能に注目が集まっている。現在24才。英語とスペイン語を歌い分ける彼が、共に活動してきた仲間、音楽的コネクションを総動員した最新作『Cripple Crow』を完成させた。ウッドストックのスタジオで録音したという本作は、どんなテーマで制作されたのだろう。


「テーマは現代の南アメリカとコロンブス以前の北アメリカだよ。それと、たくさんひざまづくこと。タイトルは、僕が考え出したっていうよりは天から降ってきた感じだね」
 神秘的なムードの中に、簡潔で聴きやすいテイストも存在している今作。制作の様子を聞くと、こんな言葉が返ってきた。
「(レコーディングが)ニューヨーク北部の冬だったから、本当に寒かったんだよね。だから、心の砂浜で愛情が波打っているような、暖かい島国に行った気分になるような音楽をつくろうとしたんだ。そこへ辿りつけたとまでは思わないけれど、パンフレットを読んだ気分になれるくらいまではいったんじゃないかな?」
 自身の音楽性をひも解く手がかりについては、こう語る。
「文化的にすごく興味があるのは、ブラジルのトロピカリスタ、とくにカエターノ・ヴェローゾやノーヴォス・バイアーノスみたなアーティストたちなんだ。僕が知っている限りでは、今僕たちがやろうとしていることは、彼らがやろうとしていたことと同じだと思う。つまり、あらゆる音楽や文化に対して心を開くこと、それから母なる創造をリスペクトするってことだね」
 他アーティストとのコラボレーションや、設立したばかりのGNOMONSONGレーベルの運営、さらに画家としても注目されている彼。最後に、忙しい日々を送る現在、また自由気ままに放浪したくなる時はないか聞いてみた。
「うーん。“自由”の定義は人それぞれだから答えにくいけど、財産や依存的な愛情とか、そういうものからは自由になりたいと思わないこともない。でも、自分にとって音楽を辞めることが自由になることだとは思ってないよ。いつも旅ばかりで、愛する人たちと一緒に居られないことは辛いけどね」


DEVENDRA BANHART
Cripple Crow

(UK) XL (HOSTESS) / XLCD192

DEVENDRA BANHART

DEVENDRA BANHART トピックス一覧