DJ 3000
DJ 3000 インタビュー131号
UNDERGROUND RESISTANCE、LOS HERMANOS、RED PLANETなど、デトロイトの最重要レーベルを数多く擁する総本山、SUBMERGE。その代表選手であるDJ 3000が、昨年の『True Colors』につづく、4枚目のミックス・アルバムをリリースする。
選曲はSUBMERGEのスポークスマンらしく、URの「My Ya Ya」や「Soul Power」、ロス・ヘルマノス「Sundial」、ジェラルド・ミッチェル「Amazing Space」、レッド・プラネット「Last Stand」などを筆頭に、いわゆる“SUBMERGE系”の最新トラック満載だ。SUBMERGEの現在、ひいてはデトロイト・テクノの現在を知りたければ、このミックスCDを聴くのがもっとも手っ取り早いということになるだろう。ほとんどの楽曲が初CD化であるという点も、今や入手困難な12インチを探し回っていた人には朗報だ。
去る9月16日、ageHa@STUDIO COASTで開催された
―まずはSUBMERGEとの出会いについて教えてください。
「'95年にマイク・バンクス(マッド・マイク)と、共通の友人を介して出会ったのがキッカケだ。SUBMERGEのオフィスが、まだデトロイトの2030番地にあった時代だね。その頃、俺はファッション・アイテムを扱うショップを経営してて、そこでミックス・テープも取り扱っていた。で、その店が'99年にクローズした時に、マイクが“お前は音楽をよく理解しているし、知識もあるから、ぜひウチに来ないか?”って誘ってくれたんだ」
―その後SUBMERGEは、3000番地に移転しますよね。あなたのDJネームは、そこから採ったんですか?
「その通り! 『Somewhere In Detroit』というミックスCDをつくった時に、マイクが“どんな名前で出す?”って聞いてきたんだ。俺はそれまで本名でDJをしてきたから“本名のままでいいよ”って言ったんだけど、“それじゃダメだ!”って言われてね(笑)。で、この“DJ 3000”っていう名前を彼からもらったんだ。確かに最初は、とてもプレッシャーを感じたよ。でも同時に、すごく嬉しくもあったね」
―文字通り、SUBMERGEの看板を背負っているわけですからね。しかもDJとしてだけでなく、オフィス・ワークもしていると聞いています。具体的にはどんな業務を?
「肩書きはセールス・マネージャー。でも、その他にもたくさんの仕事があるよ! ディストリビューション、レコードの買い付け、ウェブ・サイトの更新、マーチャンダイジング......。それに自分のレーベルもやっているから、もう大忙しだよ(笑)」
―このミックスCDの収録曲はSUBMERGE音源が中心で、ほとんどデトロイト産のトラックですが、選曲はどのように進めていったんですか?
「ミックスCDを出す時はいつも、まず最新の音源とアンリリース・トラックをみんなからもらう。で、集まった30曲くらいを、その場のフィーリングでミックスしていくんだ。最初から決め込むことはほとんどしないね」
―しかしアーティストとして、他の都市、他の国の曲をかけたいと思うことはありませんか?
「全くかけないわけじゃないよ。たしかにレコード・ボックスの75パーセントはデトロイトものだけど、残りの25パーセントは他の国の曲だ。自分で“いい”と思ったものは、どんどん採り入れるようにしているんだ。ただ、デトロイトものが大勢を占めているのは確かだな(笑)。いつの間にかそうなったんだよ。例えば小さい頃、ラジオのミックス・ショーを聴いていて、“いいな”と思った曲をメモしてレコード店でピックアップしてもらったら、それが全てデトロイトものだったこともある。だから、決して意図しているわけじゃないんだよ」
―自身のトラックも2曲収録されてますね。シタールをフィーチャーした7曲目「Scorpion」に顕著ですが、エキゾチックなサウンドがあなたの特徴だと思います。ご両親は東欧アルバニアの移民ですが、自らのルーツへの誇りを楽曲で表現している、ということは言えますか?
「ああ、まさにそのことを意識してつくったよ。シタールだけじゃなくて、アルバニアの女性が喜びの声を挙げている声もサンプリングしている。この曲はとても気に入っているから、絶対に収録しようと決めていたんだ」 ―でも、どうして“サソリ”? 「よく聞かれるよ(笑)。俺が育った家は、数歩歩いただけで全てのことができてしまうくらい小さな家だった。そこに兄弟と両親とで住んでいたんだ。で、ある夜寝ていて、電気をつけたらサソリが這っていてね(笑)。その小さな頃の記憶が、制作中に浮かんだんだ」
―ではあなたのトラック以外で、常にレコード・ボックスに入っている曲は?
「ジェラルド・ミッチェルの「Amazing Space」。ダークな部分とアップリフティングな部分が共存している点も好きだし、まるで映画のように後半に向かってビルドアップしていく展開も好きだな。ちなみに彼の曲づくりはユニークで、スタジオにこもったりはしないんだ。普通に会話をしている最中にパッとアイデアが閃いたら、スタジオに駆け込んであっという間につくってしまう(笑)」
―あなたの盟友でもあるDJゴッドファーザーは、“俺がやっていることに深い意味はないし、メッセージがあるわけでもない。シリアスにならずに、ただこの音楽でバカみたいに楽しんでほしい”とかつて話していました。この言葉に共感しますか? それとも音楽には、ある種の深い意味やメッセージが必要だと思いますか?
「うん、最後のシリアスになりすぎるな、っていうメッセージにはとても共感するよ。好きな音楽を、好きに楽しめばいいんじゃないかなって思う。ただ前半の部分に関してはどうかな? これはどっちが間違っているとかそういうことじゃなくて、単純にスタイルの違いだけど、俺を含めてSUBMERGEのクルーは、曲をつくる段階で常にメッセージを込めている。ゴッドファーザーはパーティー・ミュージックのクリエイターだからね。俺は彼のことをよく知っているけど、何せ一日に20曲もつくることがあるんだ!」
―今夜はどんなプレイを見せてくれますか?
「昔ほどエレクトロはかけなくなったけど、それでもテクノからハウスまで、幅広いジャンルの曲をかけるよ。自分が昔聴いていたような、オールドスクールな曲もミックスしてね。中には決められた通りに同じようなジャンルの曲をかけ続けるDJもいるけど、俺はその場のノリでレコードをピックアップしていくんだ。クラウドの意表を突くようなプレイをしたいね。みんながいい時間を過ごしてくれることを願ってるよ」
interview & text AKIHO ISHII
translation KENJI KAJIMURA
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DJ 3000
Perseverance
(JPN) SUBMERGE / SUBJPCD-005

