DJ FOOD
DJ FOOD インタビュー149号
NINJA TUNEを主宰するコールドカットが'88年にスタートさせたラジオ・ショウ、SOLID STEEL。垣根のない音楽性を武器に、現在まで続いている長寿番組だ。'01年からはミックスCDシリーズとしても展開されており、これまでに、DJフード&DK、ヘクスタティック、ミスター・スクラフ、ハーバライザー、アモン・トビン、dj KENTARO、ボノボら、NINJA TUNEの看板アーティストによる作品をリリースしている。'04年にはクラブ・イベントにも進出し、UK全土およびヨーロッパ各地でのツアーを実現。ここ日本にも、'05年の
——SOLID STEELのミックスCDを再び手掛けたのは、どんな経緯からですか?
「僕もDKもSerato社のScratch Liveを使用しているんだけど、昨年4月に“せっかくだから、この機材を駆使したミックスCDを作品として発表したいね”と話し合ったのがきっかけ。実はDKとは水面下でこの企画を進めていて、NINJA TUNE側には、収録希望曲を決定した昨年8月の時点で初めて話を持ちかけたんだ(笑)」
——今回のミックスでは、Scratch Liveを搭載した新ミキサー、TTM 57SLを使用したそうですね。
「機材が市場に出る前の段階から、Rane社に使用した感想や改善点をアドバイスしてきたんだ。機材の内容に関しては長いこと口外禁止だったから、やっとこうして話すことができて嬉しいよ(笑)。DJ機材って車やコンピューターのように、みんなたった2、3年で新しい製品と入れ替えがちだけど、このScratch Liveミキサーを使えば、そうしなくていいんだ。使う人それぞれの目的や手法に合わせて、エフェクター機能を追加したり、各自でカスタマイズすることができるからね」
——TTM 57SLにより実現可能となったことはありますか?
「たくさんあるよ! 例えば、事前にコンピューターで音符やドラムのビートをマーキングしておいて、ミキサーのボタン、もしくはラップトップPCのキーボードを押すことで、そのマーキング部分を再現させること。これは、今作のトラック19、ザ・イレジスティブル・フォース「Underground」のイントロ部分で使ったんだ。あと、簡単にディレイをかけられるし、どんなメロディーでも速度を変えられる。この機能はサンプラーに近いかな」
——自由な使い方ができるんですね。
「トラック5のヒューマン・リーグ「Being Boiled」では、イントロ部分にループ点を挿入して、曲を延ばしているよ。1度曲中にループ点を入れたら、ただ押すだけで再度ループを出せるから、簡単に曲を延ばすことができるのさ。ライヴ・エディットみたいにね」
——今作のトラック・リストには計32曲が記載されていますが、CDからは、もっと多くの曲を使用しているような印象を受けました。
「いや、実際に32曲を使用しているよ。全曲フルでプレイしたら、たぶん2時間半は要するところを、曲を重ねることで1枚のCDに収めているんだ。何層にも重ねてあるから、32曲以上使用しているように聴こえるよね(笑)」
——収録曲は、最近の楽曲から古いものまで様々です。ジャンルも、ヒップホップ、レゲエ、ロック、ハウス、ドラムンベースなど幅広いですよね。選曲で意識したことは何ですか?
「過去2、3年間にプレイしたDJセットで、特にオーディエンスからの反応が良かった曲を選んでいるよ。ライヴ感を大事にしつつも、時代を越えた名曲のみを収録したんだ。いつの時代に、何度聴いても飽きないような音づくりを目指したよ」
——ミックスで特に注目してもらいたいパートはありますか?
「ティンバランド(feat. ミッシー・エリオット&マグー)→エリックB&ラキム→ザ・ヒューマン・リーグへの流れには、音を何層も重ねた部分があるんだ。エイフェックス・ツイン→ザ・イレジスティブル・フォース →ニュー・オーダー→Part 2(feat. ファーラシー)への流れも、アンビエントからグライム系に移行する部分が面白いと思うな。ちなみにここで、ある小説からの抜粋をポエティックに読み上げているのは、マット・ブラック(コールドカット)のお父さんだよ(笑)」
——大抜擢ですね(笑)。今作の監修も第一弾『Now,Listen!』同様、DKとのコラボレーションになっています。制作はどのように振り分けたんですか?
「2、3曲からなるミックスをお互い考えて、上手く合うものをつなげていったんだ。DKか僕のスタジオで制作に取り掛かかって、話し合いの上で出てきた改善点は、各自が宿題として持ち返った。“この10曲分は俺に選曲させてくれ!”なんていう権力争いは一切なかったね(笑)。両者が自信を持って届ける最高のミックスCDに仕上げることができたと思う。個人的には直したい箇所が一つもないほど満足しているよ。きっとDKも同じだろうね」
——5月にはDKと一緒に来日しますね。どんなパフォーマンスを予定していますか?
「
interview & text SOICHIRO NAITO
translation KEIKO YUYAMA
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dj FOOD & DK
Now Listen Again!
(JPN) BEAT / NINJA TUNE / BRZN-123

