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ERNESTO インタビュー136号

 暖かくも透明感溢れるソウルフルな歌声で、“北欧のジャミロクワイ”と称されるスウェーデン出身の男性ヴォーカリスト、アーネスト。これまでに、フロア直結のフューチャー・ジャズ/ブロークン・ビーツを前面に出した『Ernesto's Album』と、エレクトリックな手法でブルースを奏でた『A New Blues』という独創的な2枚のアルバムを発表している。多くのアーティストにゲスト・ボーカルとしてもフィーチャーされており、コラボレーション作をまとめた『Ernesto Things』も、昨年5月にリリースされている。
 そんな彼が、日本独自企画となる『Find The Form』を、このたび完成させた。今作で特筆すべきは、何と言っても、スウェーデン、UK、そして日本から集められた豪華なプロデューサー陣! KYOTO JAZZ MASSIVEの沖野修也、バグズ・イン・ジ・アティックのセイジ、スウェル・セッションことアンドレアス・サーグら、計9名のクリエイターがトラックを提供している。
 ジャズ/クロスオーバー・シーンの立て役者が一堂に会した今作について、プロモーション来日中のアーネストに対面で話を聞いた。


―過去にリリースされたアルバムと聴き比べると、今作ではシンプルかつクラシカルな世界を重視したように感じました。
「うん、特に『A New Blues』では実験的な手法ばかりに取り組んでいたね。だからこそ、今作では真っ当な音楽がやりたくなったのかもね。また、自分のバックグラウンドにポップでクラシカルな一面もあるということも見せたかったんだ」
―マイケル・ジャクソンの『Off The Wall』をイメージして制作したらしいですね。
「あの作品は素晴らしいダンス・アルバムであると同時に、ラジオ・フレンドリーでもあった。クラブ的要素が強すぎてしまうと、ダンス・ファンにしかアピールできない。もっと広い層のリスナーが楽しめるアルバムをつくりたかったんだ」
―そんな今作のタイトルを『Find The Form』とした理由は?
「二つの意味があるんだ。一つは、制作を進めながら様々な音楽表現のフォームを見つけて行ったということ。もう一つは、別れた妻に関係がある。以前、上手く寝相を見つけないと、ベッドが狭くて二人で眠れなかったことがあったんだ。その時彼女が“Find The Form!!”と言ったのが印象的でね。僕は彼女に合わせた付き合いをしていたから、この言葉は僕達の関係を象徴していたと思う。彼女との別れは制作にも大きな影響を与えたけど、今ようやく彼女なしでも自分の在り方を見つけることができた。そんな想いをタイトルに込めたんだ」
―パーソナルな質問で恐縮ですが、恋愛では相手のペースを優先するタイプなんですか?
「う~ん、そうだね。なんていうか、妥協するというか、合わせるというか。できる限り合わせるタイプかもね(笑)。以前イギリスのバーミンガムに一年半住んでいたことがあるんだけど、それも彼女がバーミンガムの大学に進学すると言うから、ついて行ったんだ。ただ、自分にとって大切なことは見失わないよ。イギリスだろうが、スウェーデンだろうが、音楽制作はできるからね」
―そういった恋愛観は、今作の歌詞にも反映されていますか?
「うん。歌詞は、自分自身の経験を元に書いたものが多いからね。人生観、クラブで遊んだ楽しい思い出、それからパートナーとの悲しい別れといったことが題材になっている」
―今作の制作では、各楽曲ごとに異なるプロデューサーを迎えていますね。
「今作のビジョンについてSHUYA(KJM: 沖野修也)に相談したら、スウェーデン、UK、日本の三カ国からプロデューサーを起用するのも面白いんじゃないか、という話になったんだ。国によってサウンドは違うから、面白いものが出来上がると思ったのさ」
―制作を通して感じた、国による音楽性の違いはありますか?
「スウェーデンのものには'80sっぽいサウンドが入っている。UKものは、ブロークン・ビーツなどに見られるようなラフ・ビートの曲に仕上がった。日本ものはジャジーなテイストが強いと感じたね。それぞれの国における流行りが色濃く出たと思ったよ」
―各々のプロデューサーがつくる音にはステレオ・タイプがあって、あなたもそれを理解した上でオファーしたと思うんですが、出来上った曲の中には意外な仕上がりのものもありました。特に今作のリード・トラック「Sick n Tired」はブロークン・ビーツの第一人者、バグズ・イン・ジ・アティックのセイジが手掛けていますが、クラシカルなアシッド・ジャズ風になっていて驚いたんです。
「最初からセイジが“ブロークン・ビーツにはしない”というアイデアを出してきたんだ。彼は以前ワゴン・クッキンにも携わっていたけど、「Sick n Tired」の作風は、それに近いと思う」 (その時、偶然にもBGMでかけていたラジオから「Sick n Tired」が流れてくる) 「(真っ赤な顔して)あはは(笑)。かけてもらえて嬉しいなぁー(笑)。あ、インタビューに戻ろうか。ごめんね(笑)」
―いえいえ(笑)。では、今作の収録曲で「Sick n Tired」以外に、お気に入りのトラックや、思い入れの強い曲はありますか?
「妻との別れを歌っている「Held」、「Earn My Faith Back」、「Cut Myself Off」、「Where Did You Go」の4曲だね。これらを歌うと、自分のセラピーにもなるんだ。中でも「Where Did You Go」のプロデュ-スを頼んだスウェル・セッションのアンドレアスは、僕を良く知る友人で、別れの出来事も良く理解している。彼は僕のパーソナルな部分を上手く引き出してくれたよ」
―そんなアンドレアスや、同じくプロデューサーとして参加したヒルドとは、同じ高校(音楽学校)の先輩、後輩の仲らしいですね。どのような高校生活を送っていたんですか?
「音楽の趣味が似ていたから、入学後すぐに仲良くなったんだ。当時は機材やレコードに全てのお金を使っていたし、彼らとの遊びもずっと音楽で、それ以外のことは全くしていなかった。でも、それが一番楽しかったな」
―ティ-ンの頃から互いに切磋琢磨してきた彼らは、あなたにとってどのような存在ですか?
「彼らは同業者だけど、友達としてダメ出しやアドバイスも素直にしてくれる。うん、友達。それ以外に言い様はないよ。特にアンドレアスは、16歳からずっと付き合いのある特別な存在なんだ」
―今後の予定なんですが、再度ライヴ来日はありますか?
「うん。おそらく東京ではバンドを引き連れてのパフォーマンスになると思う。その他の都市に関しては、会場のキャパシティーにもよると思うけど、SHYUYAかDJ KAWASAKIにDJを頼んでのライヴになるだろうね」
―得意のロボット・ダンスみたいなパフォーマンスも見ることができますか?(笑)
「そうだね、本気で踊るよ! ダンスも練習しておこうかな(笑)」


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ERNESTO
Find The Form

(JPN) COLUMBIA / COCB-53520

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