FIELDS
FIELDS インタビュー139号
フィールズは、ロンドンを中心に活動している五人組のエレクトロ・フォーク・バンドだ。今年3月に、自身のインディー・レーベルから7inchデビュー・シングル「Song For The Fields」をリリース。これが話題となり、ブロック・パーティーやザ・ストリーツを擁する敏腕マネージメント、Coalitionと契約している。その勢いは日本にも飛び火。音源がほとんど手に入らない状態にも関わらず、フジロック'06への出演が決定した。 フィールズのサウンドは、昨今盛り上がりをみせるフォーキーなサウンドと、ダンサブルなロック・ボトムを融合した表情豊かなもの。その上に、彼ら独自の“デス・ノイズ”が加わったサウンドスケープには荘厳な趣きまである。幽玄なヴォーカルも魅力の一つだ。 そんな彼らが、話題のシングル「Song For The Fields」を含む日本限定企画ミニ・アルバム『8 フロム・ザ・ヴィレッジ』をリリースする。オルター・イーゴやザ・ラプチャーのリミックスを手掛けたDJ/プロデューサー、イワン・ピアソンによる「Song For The Fields」の新感覚エレクトロ・ハウス・リミックスも収録。ロック・ファンならずとも聴いておきたい一枚になっている。 LOUDでは、ヴォーカル&ギターでフロントマンを務めているニック・ベイルに話を聞いた。
―あなたはフィールズを結成する前、別のバンドを組んでいたそうですね。どのようなバンドだったのですか?
「いろんなタイプのバンドでプレイしてたよ。R.E.M.みたいなサウンドのバンドでプレイしていたこともある。そのときは、オルタナ・カントリーっぽい感じのサウンドをやっていたね」
―バンドを解散して、ソロで音楽活動をしていた時期もあるそうですね。ソロでは、どんなサウンドを制作していたのですか?
「基本はインストゥルメンタルで、ドラムはプログラミングのエレクトロニックなサウンドだった。アコースティック・ギターやアコーディオンをちょっと取り入れたりもしてたけど、ほとんどインストのエレクトロニック・ミュージックだったよ。たまにヴォーカルを入れたりもしたけどね。エレクトロニックな機材を使って、ソロ・ライブも何度かやったよ」
―なぜ、フィールズを結成したんですか?
「ソロで曲を書いてたら、ヴォーカルの入った曲が増えてきたから、ソロでやるよりもバンドでやった方がいいと思ったんだ。それに、他の誰かと一緒にプレイするっていうのが懐かしくなっちゃったっていうのもある。それまでバンドをやってたから、ステージに立つ時、他の誰かがいた方がずっと楽しいっていうのを僕は知っていたから。それで、友達を介してメンバーを紹介してもらったんだ。ギタリストのジェイミーとは、音楽を通して知り合ってから10年来の友達なんだ。二人で友達に聞いて回って、他の3人を見つけたよ。みんな良いミュージシャンで、出会えてラッキーだったと思う」
―フィールズというバンド名の由来を教えてください。
「実は最初、バンド名は別の名前にしようと思ってたんだ。「Song For The Fields」っていう曲があったからね」
―どんな名前ですか?
「Wrenだよ。でも、アメリカのバンドで既にWrenていうバンドがいて、違うバンド名を考えなきゃいけなくなった(笑)。そうこうしてるうちに、バンド名を“The Fields”にして「Song For The Fields」をバンドのテーマ・ソングにしてもいいかなって思い始めたんだ。最終的には、“The”を取って、フィールズになったってわけさ」
―フィールズのサウンドに影響を与えているアーティストはいますか?
「うん、いるよ。ソニック・ユースとかマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのように、メランコリックでノイジーなバンドを聴いて僕は育ってきた。彼らが書く曲は素晴らしいものだと思う。綺麗なメロディと、アグレッシブなサウンドが共存していて、すごくパワフルだ。僕はそういうバンドから大きな影響を受けている。それと、ニック・ドレイクのようなフォーキーなシンガー・ソングライターも大好きだったし、サイモン&ガーファンクルも好きだったね。WARP RECORDSの音楽にハマったこともあって、エクスペリメンタルなエレクトロニック・サウンドも好きになったよ」
―あなたたちのサウンドは、フォーキーでクラシカルなサウンド・スケープと、ダンサブルな8ビートが融合した個性的なものだと思います。このような音楽性に至ったのはなぜですか?
「それはさっき挙げた僕の好きなアーティストを見てもらうとわかるけど、僕の持ってる音楽の趣味の幅が広いからだと思うよ。フィールズのサウンドは、そういった様々なタイプの音楽が融合した上に成立しているんだ。僕はロックもエレクトロニカもフォークも好きだけど、その三つを合わせた音楽をやってるバンドって、そうそういないだろ? だから、僕は自分が聴きたいと思う音楽を、自分でつくろうと思ったのさ。最初から誰かの前でプレイすることを前提に、つくっていたわけじゃないんだ。僕のつくった音楽を、聴いた人がどう受け止めるかなんて考えてもいなかった。でも、それを個性的だと言ってくれるなら嬉しいね」
―あなたの中では、アコースティック / フォークとロック、どちらの趣向が強いのですか?
「その時の僕の気分によるね。アコースティック・ギターだけ弾いてて気持ち良いときもあるし、シンプルな激しいものが良いと感じるときもある。どっちが一番というのはないんだ。アコースティックな要素もロックな要素も必要なんだよ。ある意味、分裂しているのかもしれないね(笑)。ライブでは、その両面があった方が楽しいと思うし、個人的には、ライブで音数の多いものをやるのはすごく楽しい」
―音数と言えば、あなた達のサウンドには、ケイオティックなノイズが随所に盛り込まれていて、アクセントの役割を果たしていますね。レコード会社の資料には“デス・ノイズ”という言葉が出てきますが、これはあなたが名づけたのですか?
「うん、僕らのノイズをうまく形容するには、どんな言葉がピッタリなんだろうって考えてたら、ポロッと出てきたんだ。なんとなく気に入っているよ」
―このデス・ノイズは、どのように生み出しているのですか?
「ギターとキーボードのコンビネーションで、おもしろいサウンドを探してはノイズをつくっているんだ。ライブでの僕達は、レコーディングした音源よりずっとラウドなんだよ。バンドに5人いる強みって、そういうところだね」
―フジロックでのライブ楽しみにしています!
「フジロックは、僕達にとって初めてのフェスティバルになるんだ。すごく楽しみだよ」
interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation IZUMI KURIHARA

