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FIELDS インタビュー149号

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 UKロック・シーンにおいて、フォーキーかつダンサブルなサウンドで独自のアイデンティティーを築いてきた注目株。それが、ここでご紹介する五人組バンド、フィールズだ。ロンドンを拠点に活動している彼らは、たった一枚の限定7inchシングル「Song For The Fields」でレコード契約を獲得。’06年七月には、デビューEP『8 フロム・ザ・ヴィレッジ』を発表している。ちなみに紅一点のソルンは、ジュニア・シニアでバック・ヴォーカルを務めていたという、一風変わった経歴の持ち主だ。
 そんなフィールズが、待望のフル・アルバム『エヴリシング・ラスト・ウィンター』をリリースする。このアルバムで彼らは、フォーキーなインディー・ロックをベースに、神々しいまでの轟音ノイズや、変則リズム・セクションを時に融合させ、新しい形のロック・サイケデリアを確立している。
 バンドの中心人物でリード・ヴォーカル兼ギタリストのニック・ペイルに、本作の全貌を聞いた。


――前作のミニ・アルバムから、約10ヶ月のインターバルでデビュー・アルバム・リリースとなりました。その間にフジロックやツアーもあって大忙しだったと思うのですが、レコーディングにはいつ頃から取りかかっていたのですか?
「昨年末だね。レコーディングのほとんどはダブリンでやって、そのあと最終的な調整をロンドンで行った。ミキシングには、今年の初めに取りかかったんだ。トータルで約二ヶ月半かかっているよ」
――レコーディング場所は、特殊な場所だったそうですね。
「そうそう。ダブリンにある地下貯蔵室のスタジオで、築何百年っていう建物なんだ。レンガでつくれらた、まるで古いワインセラーみたいな場所で、しかも…幽霊が出るんだよ」
――本当ですか(笑)?
「いや、冗談じゃなくて、本当に出たんだ。ある日、僕一人でヴォーカル撮りをしていたら、白い物体が頭上をすうっと通ったんだ。最初は、何かに火がついて煙が出ているのかと思った。でも次の瞬間、それは消えていたんだ…。他にも、機材がよく壊れたし、説明できない出来事が起こるようになった。きっと、何かいわくつきの場所だったんだろうね。これは呪いかもってみんなで話しあったよ。でも、あそこでレコーディングするしかなかったから居座ったけど(笑)。幽霊になんか負けていられないよ。ハハハ」
――その環境は、アルバムの音に影響しましたか?
「結果的には、サウンドに影響したと思うよ。僕らも開きなおって、暗いスタジオの中でキャンドルをつけたり、プラスチック製のカラスをそこら中に吊り下げたりして、わざと繭の中に閉じこもっているような環境をつくったからね」
――アルバムでは、どのようなサウンドを目指したのでしょうか?
「僕らはフォークやエレクトロニック・ミュージック、クラシック…いろいろな音楽を聴くから、それらのスタイルを混ぜ合わせた音楽にしたかったんだ。メインの要素はギターの音だけど、ハーモニウム(オルガン)とか、いろいろな楽器も使っている。とにかく幅広い内容にしたかったからね。想像どおりのサウンドに仕上がるまで、ものすごく神経を使ったよ。あと、壮大かつ繊細なサウンドも目指したね」
――ソルンのコーラスや存在感が、繊細で美しいムードを醸し出していますね。
「たしかに、僕らの奏でるちょっとダークな音楽に囲まれた彼女は、妖精みたいだなって思う。見た目もね。みんなには、まるで森の中で迷子になった女の子みたいだって言われるよ」
――以前のインタビューでは、マイ・ブラッディ・バレンタインをフェイバリット・バンドに挙げていましたが、本作からは彼らのようなシューゲイザー・サウンドの影響も感じ取れました。
「僕らはマイ・ブラッディ・バレンタイン以外にも色々なバンドの影響を受けているけど、やっぱり彼らは原点にあるね。ドラマティックな楽曲展開にノイジーなギター、だけど実は美しい曲ばかりっていう、彼らの持っているコントラストが好きだし、繊細で綺麗なメロディーを攻撃的に演奏するっていう手法にも引かれるね」
――思い入れがあるんですね。
「自分の青春時代とリンクしているから、彼らに対しては特別な想いがあるんだ」
――アルバム・タイトルを『エヴリシング・ラスト・ウィンター』とした意図を教えてください。
「ある日、みんなでアルバム・タイトルを決めるために集まっていたとき、今回一緒に仕事をした人からもらった、1930年に出版された古書が、たまたまそばに置いてあったんだ。そこで、思いつきでジェイミー(ギタリスト)に適当なページ数を言ってもらって、彼が言ったページをめくってみた。そうしたら、ページの中の『ロスト・キネラン』っていう話に書かれていた最後の一行が“……エヴリシング・ラスト・ウィンター”で終わっていたんだ。それで“これはいいタイトルになる!”って思ったのさ(笑)」
――本作のイメージにピッタリだったので、じっくり考えたタイトルだと思っていました(笑)。
「たしかに僕らのサウンドは冬の寒さを連想させるかもね。それにこの言葉は、僕らの歌詞に多い“何か自分に起きた出来事について考えている”っていう内容にもピッタリだしね。古書をアルバム制作中にもらったことには、運命的なものを感じたよ。だからアートワークは、その古書の表紙をモチーフにしている。すべてが良い具合にまとまったと思うな。タイトルとの出会いは、偶然だけど必然だったんだ」
――アルバム・タイトル、バンド名、そしてノイジーかつフォーキーなサウンドからは、叙景的なアプローチを強く感じたのですが、自然や大地に特別な思い入れはありますか?
「僕は田舎のそばで育ったし、近所の小さな村に住んでいたジェイミーの家に泊まりに行っては、二人で田舎の散歩タイムを楽しんでいた。だから、自然の持つパワーには常に魅力を感じているよ。あと、アートワークやバンド名には、現代社会の消費文化に対する僕らの気持ちが、無意識に反映されているのかもしれない…。現代とは違って色々なものが手づくりで、愛と思いやりに満ちあふれていた時代に、心が向いているんだと思う。理想的な世界にね」


interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation KYOKO MAEZONO


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EVERYTHING LAST WINTER

(JPN) WARNER / WPCR-12612