FOUR TET
FOUR TET インタビュー126号
UK土着の牧歌的なフォーク・ミュージックと、'60年代サイケデリック・ミュージック、そしてエレクトロニカを融合し、“フォークトロニカ”なる新領域の火付け役となったキエラン・ヘブデンことフォー・テット。傑作との呼び声高い『Pause』('01年)、続く『Rounds』('03年)で“フォークトロニカ”の何たるかは伺い知ることができるが、今作『Everything Ecstatic』は、その“フォークトロニカ”というラベリングに逆らう気持ちから全てが始まったのだという。
「僕にはその言葉が、自分の音楽をきちんと表現しているとは思えないんだ。僕の音楽はジャズやソウル、ヒップホップ、テクノ、あらゆるジャンルの音楽からインスパイアされてるから、ただ“フォーク”っていう言葉だけを使うのはちょっと的外れなんだよね。それに今までやってきたことを何度も何度も繰り返したくなかったし、今までのものとは違うサウンドをつくりたかったんだ」
そう、この作品はもはや完全に“フォークトロニカ”の次を行っている。オールド・スクール・テクノやここ近年のヒップホップ、そしてガムランに至るまでのあらゆる音楽にインスパイアされた彼は、よりアグレシッヴなサウンド・メイキングに挑戦しているのだ。
「僕の作品には、常にポジティブなメッセージを持たせたいと思っている。“家にこもって静かに音楽を聴く”っていうのではなく、もっと“音楽を祝う”とか、“これこそ音楽なんだ、音楽って素晴しいんだ”っていうメッセージを大切にしたいんだ。今はこんな世界だから、ひとりぼっちになってしまうような音楽を鳴らす時ではないと思う。大きな音で鳴らして、“踊ろうよ!”って呼びかけるような音楽であってほしい。ひとりきりで聴くんじゃなくて、みんなで踊ったり、ジャンプしたり、叫んだりしようよ! ってね」
その哲学は、昨年数多くのツアーをこなし、クラウドからたくさんのエナジーを受け取った経験からも生まれているようだ。
「ライヴのおかげで僕の音楽はよりアグレッシブになったし、激しくてノイジーなエレクトロニカになった。それがこのアルバムのアイデアになったね」
土臭い“フォークトロニカ”から、よりアグレッシブでノイジーなエレクトロニカへ。フォー・テットの最新サウンドには、まるで“君はひとりぼっちじゃないんだよ”と励ますような、強靭なポジティブ・エナジーが込められているのだ。
interview & text AKIHO ISHII
FOUR TET
Everything Ecstatic
(JPN) DOMINO/HOSTESS / WIGCD154J

