Free Tempo インタビュー149号
仙台を拠点に、ハウス/クロスオーバー・シーンで活動するクリエイター、半沢武志。そのソロ・プロジェクトが、FreeTEMPOだ。これまでにリリースした3枚のオリジナル・アルバムは、いずれもヒットを記録。'01年のデビュー以来、めざましい活躍を見せている。 このたび、20代の女性を中心に人気を集めるファッション・ブランドtheoryと、FreeTEMPOがコラボレーションCDを制作。半沢武志監修のもと、ジャパニーズ・ハウス・ミュージックを集めたコンピレーションとしてリリースされた。収録曲は、FreeTEMPO「Sky High」、MONDO GROSSO「Everything Needs Love」、DJ KAWASAKI「Bright Like Light」など、シーンを代表する名曲揃い。これ一枚で、新旧のヒット・ナンバーを堪能することができる。 今作のコンセプトとハウス・シーンの動向について、半沢武志に話を聞いた。
—今作はtheoryとのコラボレーションCDですが、普通のミックスCDやコンピレーションとは、どういった違いを意識しましたか?
「今作では、“theory=理論、基礎”という言葉をイメージしました。なので、シンプルさを意識した作品になっています。theoryのブランド・イメージや、白と黒といった、シンプルな色使いにも合っていると思いますよ。クラブというキーワードがありつつも、ストレートにイメージが伝わる楽曲が揃っているので、ショップのBGMにもぴったりではないでしょうか」
—その他に、なにかテーマはありますか?
「ある一日の流れを、時間軸としてイメージしました。朝から夜、そして翌朝方までという、一日の流れに沿って、曲を選んでいったんです」
—なるほど。ではどの曲がどんな場面をイメージしているのか、具体的に教えてもらえますか?
「まずは、僕の「Imagery」という曲で一日が始まります。そして、2曲目のFantastic Plastic Machine「Beautiful Days」では素晴らしい朝を、つづくSTUDIO APARTMENT「Flight」、i-dep「Rainbow」までの前半では、日中の明るい雰囲気をイメージしました。そこからは一曲進んでいくごとに、だんだん夜へとシフトしていきます。chari chari「Aurora」は、まさに夜のイメージですね。そして、最終的には「Sky High」で朝に戻るっていう流れです。クラブのパーティーが終わって外へ出ると、空が見える。「Sky High」は、まさにそんな場面をイメージしました」
—日常生活のどのシーンにおいても、聴いてもらえるような作品なんですね。
「そうですね。クラブ・ミュージックって、今までなかなか一般的にならなかったと思うんですよ。なので、今回は生活にとけこめるような楽曲を選んだんです。今までクラブ・ミュージックになじみがなかった人にも、部屋で聴いてもらえたらいいですね」
—今作の収録曲は、日本のハウス・シーンが生んだ名曲ばかりですね。ハウス入門としてもぴったりだと思います。
「はい。各アーティストの代表曲を集めていますから、すごく良さが伝わりやすいと思います。日本のクラブ・ミュージックのベスト盤、と言ってもいいぐらいです(笑)。本当に、このラインナップは申し分ないと思いますよ。ハウスをきっかけにして、今までなじみがなかった人たちにもクラブの面白さを知ってもらえたらいいですね。そういう意味では、ハウス・シーンの底上げという部分も意識しています」
—日本人アーティストの楽曲のみがコンパイルされているのは、なぜですか?
「今作は、日本人の感覚から生まれた曲で構成したいと考えたからです。やはり日本人なら、まずはジャパニーズ・クラブ・ミュージックを知ってもらいたいですから」
—最近日本では、ハウス・シーンがとても盛り上がりを見せています。リスナーの幅が、以前と比べて広がっているのでしょうか?
「そうですね。今まではi-depが好き、DAISHI DANCEが好き、ってファンもそれぞれのアーティストしか見ていなかったと思うんです。でも最近は、横のつながりで様々なアーティストの曲を聴く人が多くなったんじゃないでしょうか?」
—ライブやDJをしていて、シーンの盛り上がりを実感することはありましたか?
「現在ツアーで全国を回っているんですが、イベントに来てくれる人の数は多くなっていますね。DAISHIくんやi-depと一緒にイベントに出た時は、お客さんは誰のファンとか関係なく、どのアーティストの時も盛り上がっていました。そういう部分からも、お客さんがいろんなアーティストを聴いていると感じましたね」
—他のアーティストとは、制作面での交流もありますか?
「2月にリリースしたEP『Harmony』では、i-depやDAISHI DANCEとコラボレーションしています。そういうところからも、僕らのつながりを感じてもらえればと思います。いろんなアーティストの曲を聴いてほしい、知ってほしいという想いは、今作にも共通していますね」
—『Harmony』では、韓国のアーティストともコラボレーションしていましたね。
「はい。『Harmony』には、韓国のCLAZZIQUAIというグループに参加してもらいました。今作は、アーティストではなくファッション・ブランドとのコラボレーションですが、人とのつながりという意味では、共通点があると思います」
—今作は、ジャケットのアートワークもかなり凝ったものになっていますね。
「はい。ジャケットのアートワークは、TONERICO:INC.というデザイン・チームが手がけてくれました。今作では時間軸をテーマとして取りあげているので、数字をモチーフにしたデザインは、とてもマッチしていると思います」
—今後半沢さん自身は、どのような活動を予定していますか?
「7月頭にリリースされる、カレイドのアルバムに楽曲提供をしています。今作では日本人アーティストとの関わりを示したので、これからは、海外のアーティストとも積極的にコラボレーションしていきたいですね。秋ごろには、FreeTEMPOとしてのフル・アルバムを発表する予定です。あとは、今までのDJスタイルとは違ったアプローチで、ライブ活動もしたいと考えています」
interview & text EMIKO URUSHIBATA
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VARIOUS ARTISTS
theory × FreeTEMPO
(JPN) UNIVERSAL J / UPCH-1542


