GRIZZLY BEAR インタビュー142号
グリズリー・ベアーは、2004年に『Horn Of Plenty』でアルバム・デビューした、NYを拠点に活動するサイケデリック・フォーク・ユニットだ。ファースト・アルバム・リリース時点でのメンバーはエドワード・ドロストのみだったが、後にバンド形式に進化。現在は4人組となっている。ここに御紹介する二作目『イエロー・ハウス』は、バンドになってから初めてのフル・アルバム。そこで展開されている音楽は、ディベンドラ・バンハートやアニマル・コレクティブの楽曲と比較されるものだ。しかし、エドワードはそのカテゴライズを否定する。
「彼らは僕も好きだけど、僕らが似ているとは思わないね。彼らの音楽には、長めのジャムがあって、そのあとクレイジーでワイルドになっていくという特徴があるけど、僕らの曲は構成がもっとクリアで、なんていうかオーケストラっぽいと思うんだ」
では、そのバックグラウンドにあるものは何なのだろう?
「僕以外のメンバーは'60年代や'70年代の音楽を聴いて育っているけど、僕は子供の頃からクラシック音楽や合唱音楽を聴いて育ったんだ。というのも、父は音楽教師だったし、祖父は音楽大学の教授だったからね。グリズリー・ベアでは、それぞれ違う背景を持った人間がアイデアを出し合うことで、上手くブレンドされた音ができていると思う。ポップ・ミュージックと、曲構成が楽譜に書きこまれた立派な楽曲という両極端があるとしたら、ちょうどその中間に僕らの楽曲は位置しているね」
新作は、ボストンの黄色い一軒家でレコーディングされたということから“イエロー・ハウス”と名づけられたそうだ。この作品全体を貫くテーマはあるのだろうか?
「このアルバムにはハッキリしたテーマらしきものはない。だけどムードやトーン、サウンドに一貫したものはあると思う。僕は個人的にノスタルジアを感じさせるサウンドだと思っているよ。どこの国の人が聴いても、昔の思い出からワンシーンを引き出すことができるような、聴く人にとってパーソナルな音楽になってくれたらいいな」
リリースは、なんと伝統あるエレクトロニック・ミュージック・レーベルのWARPからだ。WARPには、ボーズ・オブ・カナダやブロードキャストといった、彼らに近い音楽性をもったアーティストも在籍しているので、これは良い結果になりそうだ。 このあとは、ティーヴィー・オン・ザ・レディオとの大規模なアメリカ・ツアーなど、ツアーづくめだという彼ら。毎回違うアレンジで行われるというそのライヴを、ぜひ日本でも見てみたい。
Interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation ERIKO HASE
HMVで購入↓
GRIZZLY BEAR
Yellow House
Warp / BRC159


