GTS インタビュー153号
'80年代より日本のクラブ・シーンで活動するGEE、TURBOと、SATOSHI HIDAKAからなるハウス・ユニット、GTS。'95年の結成以来、長きにわたりハウス・シーンの発展に貢献してきたベテランだ。
このたび、彼らの12作目となるオリジナル・アルバム、『Sparkling Beach』がリリースされた。前作『Rhythm Paradise』に引き続き、夏をテーマにした今作。GTS作品ではおなじみのメロディー・セクストンのほか、Ryohei、arvin homa ayaなど日本の若手シンガーもフィーチャーした、爽快感あふれる作品に仕上がっている。スウィング・アウト・シスター「Now You're Not Here」、トム・ブラウン「Funkin' For Jamaica」など、お得意のカバーももちろん披露。GTSのデビュー曲「Through The Fire」の、DAISHI DANCEによるニュー・リミックスも収録されている。 新作とハウスへの想いについて、GEEとTURBOの二人から話を聞いた。
——昨年リリースされた『Rhythm Paradise』に続き、今作でもアルバムのテーマは夏なんですね。
GEE(以下、G)「続編というつもりはないんですが、テーマ的には共通する部分がありますね。日本でも、ハウス・ミュージックはわりと一般化してきたので、夏というイメージもしっくりくると思ったんです」 TURBO(以下、T)「ゆくゆくは、“夏の恒例GTS”っていう風になっていけばいいなと思います(笑)」
——では、今作ならではのコンセプトはあったのですか?
G「『Rhythm Paradise』と違い、今回は最初から夏を意識して制作しました。今作には、ドライブやビーチで聴いたら気持ちいい、ハッピーな雰囲気の曲が詰まっています」
T「昨年よりも、メンバーそれぞれが夏やビーチを意識した作品になっています。リスナーそれぞれが、“こういうビーチで聴きたいな”とか、“こんなシチュエーションに合うな”と想像してくれたらいいですね」
——前作ではストリングス、ピアノを多用していていましたが、今作では、どんなところに重点をおいて、曲づくりをしましたか?
G「サウンドに関しては、わりと前作にテイストが近いですね。それぞれの時代で、自分たちが良いと思うサウンドをやってきたので、過去にはエレクトロニックやトライバルっぽい時期もありました。でも、ピアノとストリングスはずっと好きだったので、実はその部分を変えてきたつもりはないんですよ」
——GTSの軸となるサウンドは、ずっと変わっていないんですね。今作はCD1がアルバム本編、CD2はDJユースのロング・バージョンやリミックスという構成になっていますが、これにはどんな意図があるのですか?
T「DJが、クラブ・プレイで即戦力として使いやすいように考えたんです」
G「やっぱり、クラブでも僕らの曲をプレイしてほしいですからね。最近はCDJユーザーも増えているので、アナログをわざわざCDに焼き直さなくてもかけられるっていう、サービス精神でもあります(笑)」
——ではCD1の方は、フロアだけでなくもっと幅広いリスナーを意識したのですか?
G「そうですね。もともと、“ダンス・ミュージックを一般にも広めたい”というコンセプトでGTSの活動は始まったんですが、今もその精神は変わっていないんです。今はクラブに行かない人でもハウスを聴いているので、CD1の方はハウス初心者が入門編として聴けるような、そしてもちろん、玄人が聴いても遜色ないような内容を目指しました」
——今作には、GTS作品ではおなじみのシンガー、メロディー・セクストンに加え、「Brand New World」以来の共演となるロビー・ダンジーが参加していますね。彼女たちの起用は、ブラック・ミュージックへのリスペクトからくるものなのですか?
G「ブラック・ミュージックは、僕らが聴いてきた音楽のルーツなので、もちろんその気持ちはありますね」
T「感情表現やパワーといった部分では、黒人のシンガーに魅力を感じていますね」
——arugarei、Ryohei、arvin homa ayaといった、日本の若手ボーカリストも参加していますが、彼らのようなニュー・ジェネレーションからは、どんなパワーが感じられますか?
T「彼らはクラブ・ミュージックに対して勉強熱心だし、自分のモノにしてやろう! っていう意気込みも持っています。それだけハウスがポピュラーな存在になっているとも感じました」
——GTSのデビュー曲「Through The Fire」のニュー・リミックスも収録されていますね。
T「'01年に発表したこの曲のセルフ・リミックスは、ハード・ハウスやトランスっぽいテイストでした。でも、この曲は今の流行りにもぴったりだと思ったので、今の時代に合ったリミックスをつくろうと考えたんです」
——DAISHI DANCEさんを、リミキサーとして起用したのはなぜですか?
G「今の時代に合ったアレンジができる人に、リミックスをお願いしようと思ったんです。彼は「Through The Fire」がすごく好きで、以前から“機会があればリミックスをしたい”と話していたんですよ」
——今回は、「Now You're Not Here」、「I'm Not In Love」、「Funkin' For Jamaica」、「The Shadow Of Smile」の4曲をカバーとしてチョイスしていますね。
G「「Now You're Not Here」は「Through The Fire」と同じような感覚で、バラードを四つ打ちにアレンジし、メロディアスな曲に仕上げました」
——では、「Funkin' For Jamaica」はいかがでしょうか?
T「オリジナル曲が発表された当時、僕はまだガキだったんです。なので、この曲には大人な雰囲気や、クールなカッコ良さを感じました。それを、今の若い人たちにも伝えたいと思ったんです。今回は、'90年代のDEF MIXのような、セクシーさや大人の色気が出るようなミックスを意識しました」
——アルバム全体を通して、ボーカル・ナンバーや爽快感あふれる楽曲が多いですが、「Tribal Alert」はハードなインストですね。
T「毎回一曲、自分用ということで僕が好きに曲をつくらせてもらっているんです(笑)。この曲は、むさくるしいビーチがテーマですね(笑)」
G「仮タイトルは、“Muscle Beach”だったからね(笑)」
——とてもアツいタイトルですね(笑)。ところで、近頃日本のハウス・シーンは大きな盛り上がりを見せていますね。
G「若手でもカッコいい曲をつくるアーティストはたくさんいるので、そういう人たちをリスペクトしています。ハウスが流行ったり、DJがクリエイターとして作品を出せることは、良いことだと思いますよ」
T「僕らもその仲間として、一緒にシーンを盛り上げていきたいですね」
interview & text EMIKO URUSHIBATA
HMVで購入↓
GTS
Sparkling Beach
(JPN) avex / AVCD-23315~6


