JAGA JAZZIST インタビュー124号
異なる音楽的バックボーンを持つ、個性豊かな10人が集まって結成されたノルウェー出身のジャム・バンド、ジャガ・ジャジスト。10人が一同に奏でる驚異的なまでのライヴ・セッションは、モントリオール・ジャズ・フェスティバル、ベルフォート・フェスティヴァル、ビッグ・チルといった大型イベントでも好評を博している。ロックとジャズを根底に、ブレイク・ビーツ、ドラムンベース、エレクトロニカといったクラブ・サウンドを消化したそのサウンドは唯一無比。'01年にリリースされた「Animal Chin」(サード・アルバム『A LIVINGROOM HUSH』収録)は、DJ KENTAROが先日発表したミックスCD『ON THE WHEELS OF SOLID STEEL』にも選曲され、また一番のフェイヴァリットだとの賞賛も受けている。 そんなジャガ・ジャジストが10年間の活動を祝って発表したフィフス・アルバムが『WHAT WE MUST』。ジャガ・ジャジストのヴィブラフォン奏者アンドレアスに、今後にかける想いを聞いてみた。
―結成10周年、おめでとうございます。この10年間はあなた達にとって、どのような10年間でしたか? 「今年の3月末で11周年を迎えるんだ。これまでホントに楽しくて、あっという間だった。最初はノルウェー国内だけで公演していたのが、今じゃ世界中で演奏できるようになり、昨年はアメリカ、カナダ、ヨーロッパをツアーしたよ。早く日本公演も実現させたいね!」
―今までの活動で、特に思い出深い出来事を教えてください。
「僕らはライヴ・バンドとして、エキサイティングな音楽活動を続けてきたから、特に思い出深いのはライヴかな。観客の良い反応が見れた時が、一番嬉しい」
―今までで一番思い出に残っているライヴはいつ、どこでやったものですか?
「6年前にノルウェイのオスロにあるライヴ・ハウス、BLA のオープニングで演奏したライヴが一番思い出に残ってる。メンバーの中には、ドアマンやバーテンダーとしてBLAで働いていた者もいるんだ。だから、あそこは僕らにとって、下積みを過ごしたスタート地点のような場所なんだよ。それに、自分達の公演のみならず、国内外のアーティスト達と交流してきた社交場のような所でもある。トータスやエイフェックス・ツインとも、ここで出会った。昨年12月のジャガ・ジャジスト10周年記念ライヴも、BLA でおこなったんだ。3日連続でシャイニングをはじめ、仲の良いノルウェイのバンド達とジャムったよ!とにかく、僕らとってBLAは 特別な場所なんだ」
―メンバーが10人もいるビッグ・バンドなのに、即興演奏が持ち味だなんて、スゴいと思います。ライヴ中は、どのようにコミニュケーションをとって、どのようにまとめあげているのですか?
「リハーサルを重ねて即興風なアレンジを施しているから、僕らはジャズ・バンドというよりロック・バンドに近いんだ。でも、敢えて完璧にアレンジを決めないままステージに上がるようにしているし、実際のライヴでは更に即興を入れている。ライヴ中のコミュニケーション方法は、できるだけお互い近くに寄って演奏し、メンバー間の表情や身体で示すサインを見逃さないことかな。頷いたり、手を挙げたりしているよ。もう10年以上一緒に音楽活動を続けてきてるから、お互いの音楽的趣味も把握している。子供の頃からの付き合いだし、コミュニケーションは取りやすいね。サックスとギターを担当しているラーズが書く曲が一番多いけど、僕らのバンドは非常に民主的で全員が平等。つまり、全員が自由に意見を言い、その中でベストだと思われる意見を反映させて常に前進してきたんだ。前向きな意見の衝突はあっても、喧嘩は一切ない。実際自分達の家族より、バンドの仲間達と過ごす時間の方が多い位だから(笑) 家族のように仲が良いんだ」
―前作と比べると、だいぶ落ち着いたイメージのアルバムになっている気がしました。前作から今作のリリースまでに、どのような心境の変化がありましたか?
「前作は冷たい印象のあるアルバムだったから、新作では温かい雰囲気のあるロック・アルバムを制作したかった。僕らのコード進行やメロディは、トラディショナルなジャズものより、ポップス&ロック寄りだと思うし。心境の変化というより、純粋に前回とは違う作品をつくりたかったんだ。僕らはアーティストとして常に新たな挑戦を重ね、進化し続けたい。10年以上もアーティスト活動を続けてこれたのも、おそれずに新しいことに挑戦してきたからだと思う。例えば、僕はギタリストじゃないけど、今回初めてギターを演奏してみたんだ」
―収録曲の中で、特にお気に入りなのはどの曲ですか?
「1曲目の「All I Know Is Tonight」が気に入ってるよ。これは一番最初に出来上がった曲で、アルバムの方向性を決定した重要な楽曲。既にライヴで演奏しているんだけど、初めて披露した時以来、ファンの好反応を得ている人気ナンバーなんだ」
―今回のアルバム・カバーはメンバーの似顔絵となっていますね。ということは、メンバー10人分、10通りのアルバム・カバーがあるのでしょうか?
「うんうん。10通り作る予定だよ。メンバー10人全員が1枚の写真に収まっていると、一人一人が小さ過ぎて印象に残らないから、インパクトを与えるためにそれぞれのメンバーの顔をアップで描いた絵を使用することにしたんだ。こういうアルバム・カバーって過去にはキッスの作品でもあったし、真新しいアイディアじゃないとは思うけど、自然の流れでそう決まったんだ。これまで僕らのアートワークは抽象的な絵が大半だったけど、今回はパーソナルなものにすることで、オーディエンスとのつながりを強調させたかったんだよ」
―似顔絵を描いたのは、どなたですか?
「KIM HIORTHOYという、僕らと同じレーベルSMALL TOWN SUPER SOUNDに所属するダンス系アーティスト。彼は音楽制作の他に、写真や映画制作にも関わっているマルチ・アーティストで、たしか日本でライヴを行ったこともあるはずだよ」
―ところで、DJ KENTAROをご存知ですか? 彼はNINJA TUNEの楽曲のみを使用したミックスCD『ON THE WHEELS OF SOLID STEEL』をリリースしたばかりなんですが、収録した楽曲の中でもジャガ・ジャジストの「Animal Chin」が一番気に入っていると本誌インタヴューで答えていました。これについての感想はありますか?
「DJ KENTARO? 1度どこかで会ったことがあるような気がするなぁ。「Animal Chin」は5年位前の作品だよ。気に入ってもらえて嬉しい。僕らの音楽には歌詞が無いから、メロディやリズムだけでストーリーを伝えられるように様々な工夫を施しているんだ。聴き手を飽きさせず、むしろ聴く度に新たな発見ができるような楽曲作りを目指しているよ」
―今後の展開について聞かせてください。
「3月には新作のプロモーションの他、それぞれがサイド・プロジェクトに取り掛かる。僕はノルウェイの映画2作品分の音楽を制作中だよ。それから、3月末にはスキー街として有名な、VOSSで開催される
「最終確認が取れるまで、ライヴに関しては僕らもわからないけど、早く日本公演を実現させたいよ! 話が進んでいることを願っている。とにかく日本へ行ってみたい! 映画『ロスト・イン・トランスレーション』での東京は美しかったしね。それに、僕らはコーネリアスの大ファンなんだ! 」
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JAGA JAZZIST
WHAT WE MUST
(JPN) Beat / BRC117


