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JiLL-Decoy association インタビュー154号

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ジャズ・マナーで打ち出すポップの新展開


ジャズのセッション・ミュージシャンとして活動していたドラマーのtowadaとギタリストのkubotaが、ヴォーカリストのchihRoを迎えて5年前に結成した、ジル-デコイ・アソシエイション。独自のポップ・サウンドをコンセプトに掲げる彼らは、多くの日本人が親しみを持てるように、日本語の歌詞を乗せたオリジナル曲を制作している。クラブ・ジャズ ・テイストの美麗ヴォーカル曲を武器に、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの両シーンを股にかけて活躍する、高いポテンシャルの持ち主たちだ。  ここに御紹介する『No Name Collection』は、昨年4月のファースト・アルバム『ジルデコ』以来となる最新ミニ・アルバム。前作で確立したポップ路線に実験を加え、バンドのネクスト・レベルを模索した意欲作となっている。  LOUD初登場のジル-デコイ・アソシエイションに、その目指す音楽性と世界観について話を聞いた。


——バンド名の由来を教えてください。
chihiRo(以下、C)「“ジルちゃん”という架空の女の子をおとりに使って、人々を誘い寄せる“アソシエイション(団体)”にしようと思ったんです。towadaとkubotaは頭脳派で、音を緻密につくりあげるタイプなんですけど、難しいものではなく、リスナーが素直に良いと思える作品に仕上げるよう、細心の注意を払っているんですね。その点で、ポップなんだけど、よく聴いたら緻密なことやっているんだとか、CDを聴いてクールな印象を持った人が、ライヴを見て“こんなロックなんだ!”って驚くようなバンドでありたいという想いを、“おとり”という意味の“デコイ”に込めています」
——ジャジーなテイストを軸に、クラブミュージックからポップスまでを飲み込んだ、独特の音楽性を発揮していますね。バンド活動では、どんなことを大切にしているんですか?
towada(以下、T)「影響を受けてきたジャズやクラブミュージックをリスペクトすることで、次のステップが生まれると思っているんで、そういった心がけを大切にしています」
kubota(以下、K)「いろんなジャンルの、いろんなサウンドを取り入れていますが、最終的に一番大切な要素となるのは、歌詞やメロディーだと思うんです。そこさえしっかりしていれば、演奏で自由なことをしても大丈夫なんじゃないかなと思うんです。その辺の自由さは楽しんでいますね」
T「日本語の歌詞は分かりやすいのが素晴らしいところなんですが、聴き手の想像力をかきたてるさまたげになってしまうという弱点も持っている。ジャズやクラブミュージックは、英詞であったりインストであったりすることが多いから、聴き手の感情で曲の捉え方が変わるという自由度の高さが長所にある。でも、具体的でないという短所もある。その点で、chihiRoが書いてくる歌詞は、具体的なコンセプトと抽象的な部分を兼ね備えていることが多いんですよ」
——歌詞では、主にどんなことを伝えたいと思っていますか?
C「物事は多面的であるということが、今一番言いたいことかな。意見が違う人のことを認める心構えの大切さとか、人がどう思っているのかを想像し合える世の中になったらいいなとか、そんな願いを込めています」
——今作の表題曲「No Name Collection」には、ドラムンベースのようなテイストがありますね。どんなアイデアをもとに曲づくりを進めたのでしょうか?
T「もともとchihiRoがつくった「No Name Collection」には、スパニッシュ調でジプシーみたいなテイストがあったんですが、アレンジ時に俺とkubotaが当時好きで聴いていたドラムンベースに触発されたジャズをはめてみたんです。実はバンド結成当初から「No Name Collection」は存在していて、ライヴではちょくちょく演奏していたんですよ。その後いろいろアレンジを加えて、今回収録した形にまとまったんです。chihiRoがつくった曲に関しては、歌詞もメロディーも絶対に変えないという堅い決意があるんですけど、その代わりにアレンジでいろんなことを試させてもらっています。「No Name Collection」は、そんないろいろやってきた曲の一つです」
C「初めはオシャレな曲になっちゃったなと思ったんですよ(笑)。その頃、私はアコギ一本でロックみたいなことをやりたいと思っていたので、“歌心はどうなっちゃうの!?”って思った部分もありました。でも結果的に、私が思っていたロックよりもロックになったなと思えるようになりました。今はメロディーと歌詞を投げて、好きにアレンジしてもらうのが楽しくて仕方ありません」
——今作にはドラムンベース以外にも、エレクトリックなエフェクトや、アシッド・ジャズ・テイスト、4ビート・ジャズなど、実験的なアイデアを積極的に取り入れていますね。
C「実は、今回からセルフ・プロデュース作になったんです。新たなスタートを切るにあたって、実験的な曲をポップスとしてやるのは勇気が必要でした。でも、いろんな人と出会い、流れもつかめてきたので、一度正体をバラそうと思ったんです。私達が共通して好きなマイケル・ジャクソンのカバーをやってみたり、エレクトリックな音を全く使っていなかった私達が今作で取り入れてみたり...。おかげで、次の方向性を見い出せたと思います」
K「これまでは作品にどれだけ振り幅を持たせられるか、そんなチャレンジの結果を一枚にまとめていたんですが、今後はもっとコンセプトを絞ったアルバムをつくれたらいいなと思っています」
——今後、リミックス曲のリリースも考えているそうですね。
T「今いろいろと企てている段階です。自分達のつくった作品を通して、クラブのアーティスト達と交流していきたいんです」
K「自分達がやりたいことがより明確になった今、曲を人に渡すことに何も心配はありません。いろんな形にアレンジされたリミックスを聴いてみたいです」
——ところで、ラジオ番組“Heat Phonics”(ZIP-FM 77.8)のパーソナリティーも務めていますよね。番組の聴きどころについては、どう考えていますか?
C「生演奏のコーナーですね。ここではジルデコにクールなイメージを持っている人たちが親近感を持てるように、サザンやミスチルのカバーにチャレンジしています(笑)。ギターを使った占いもやっているんですよ(笑)」
——最後に今後の展望を聞かせてください。
C「ロック・フェスとジャズ・フェスを行き来するバンドになることが結成時からの目標なんで、その実現化に向けて頑張りたいと思います!」 

interview & text SOICHIRO NAITO


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No Name Collection

(JPN) PONY CANYON / PCCA-0252


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