JUZU a.k.a. MOOCHY インタビュー151号
'90年代のDJカルチャーが生み出した鬼才、JUZU a.k.a. MOOCHY。トライバル・テイストを配したフリースタイルなダンスミュージックを武器に、DJ / バンド活動など、シーンの垣根を越えた展開を見せる、希有なアーティストだ。本作『Re-Momentos』は、そんな彼の約2年ぶりとなるセカンド・ソロ・アルバム。キューバで手掛けた前作『Momentos』のアイデアを拡散させたという意欲作だ。エレクトロニックなダンス・フォーマットながらも、生演奏の風合いを活かした楽曲群には、ジョー・クラウゼルをはじめとしたクラブ・シーンのトップアーティストに加え、ベトナムやキューバなどを旅して出会った、古典音楽家までをゲストに迎えている。なかでも、奄美の島唄との出会いは、特別な存在となったようだ。
「奄美大島でDJした時に、セントラル楽器という店に立ち寄りました。店の上には直結しているスタジオがあって、そこで島唄のレコーディングを行い、音源も販売しているんです。それが60年前から続けられているというからショックでした。何百とあったタイトルのなかから、竹下和平さんという方が'60年代に録音した作品を買ったんですけど、あまりに感動したので勝手にシンセやキックを乗せてみたんです」
そうして完成させたのが、今作のラストを飾る「Yoisura-Bushi」だ。その後には、竹下氏との対面も実現させている。
「現在73歳の竹下さんは、先人が残した音楽を後生に伝えるべく、日本全国に生徒を持っています。僕にもオープンマインドで接してくれました。誇りに思える人です。今では彼から三味線も習っているんですよ。竹下さんだけでなく、例えばキューバにも70、80歳のカッコいい演奏者はいました。音楽も人も、熟すことによって味がでてくるし、そうあるべきだと思います」
様々なミュージシャン・シップをスピリチュアルに紡ぎ上げた、JUZU a.k.a. MOOCHY。音楽、そして世代の壁を越えて見つけた真実を、今作にて結実させている。
「異なる世代がつながることによって生まれる新しい存在、それが文化だと思うんです。クラブ・ミュージックが好きな人に、音楽は若者だけの文化じゃなくて、いつまでも楽しめるものだと、アルバムを通して伝えることができたら嬉しい」


