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KAGAMI インタビュー135号

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 昨年サード・アルバム『Spark Arts』を石野卓球のレーベルplatikからリリースし、新境地を開拓したカガミ。1995年のデビュー以来、特異な感性でフロア直結のディスコ・テクノ・トラックを送り出してきた彼が、約3年ぶりとなるミックスCD『PAH』をリリースした。  2004年にスタートした国内レーベル、CARIZMAからの初CD作品でもある今作は、カガミお気に入りの26トラックにオリジナルのイントロとアウトロをミックスしたもの。従来からのカラーであるシカゴ/フランス系のトラックから、ワープ・ブラザーズ、ヴィタリック、アーマンド・ヴァン・ヘルデン、コバーンらによる大ヒット・チューンまで一気に駆け抜ける、カガミの“楽しい”エナジーを文句なく満喫できる内容だ。  本作の聴きどころはいかに? さっそくカガミ氏本人に語ってもらった。


―ミックスCD『PAH』は、CARIZMAレーベルからの初CD作品ですね。
「12インチをメインとしているレーベルの一枚目のCDが、レーベル・コンピではなく自分のミックスCDで、すごく嬉しいですね」
―選曲は、どのような基準で行いましたか?
「ディスコ・トラックをリリースしているレーベルからのミックスCDということで、いつもレコード・バッグに入っているディスコものを中心に、新旧問わず選んでみました。新し目のトラックが若干多いですかね」
―『PAH』というタイトルですが、どういった“状態”や“存在”を指しているんですか? このタイトルを付けた理由や、言葉の意味を教えてください。
「決まった意味は、これといって特にはありません。“パー”という響きが今回の制作中に降ってきたんです。“放出”とか、“キレイな感じ”とか、単純にジャンケンのグー・チョキ・パーの“パー”とか、手のひらを思いきり開いている感じですね。何かに夢中になって、逆に空っぽになってるときってありますよね? それが“パー”ってなってるときです(笑)」
―アルバム・ジャケットはカガミさんが描いたものなんですか? 混沌としていてインパクトが強いイラストですね。
「僕と、もうすぐ六歳になる息子で描きました。マジックペンで、点、まっすぐな線、曲線、塗りつぶしを、順番に交代交代で、ミックスして描きながら完成させました。“ミックス”というのは不思議だなぁ、とつくづく思いながら仕上げました」
―作品のイントロダクションとなる「In PAH」は、海外でDJをした際の紹介MCですか?
「そうですね。「In PAH」のMCは台湾の人です。台湾では“プレイ前に紹介するから”って説明を受けていたんですが、このCDのプロジェクトがあったんでヘンに楽しみにしていました(笑)。二番目に僕を紹介してくれている女の子は日本語が話せる子で、“MCが言ったことを日本語に訳して!”と僕から頼みました」
―締めくくりの「Out PAH」は、どういう意図の曲ですか?
「「Out PAH」は、僕なりのアンビエント・トラックです。結構ボリュームある内容だったので、少し静かに終わろうかと。でも、一番初めにでき上がったときは、どの収録曲よりも尺が長くなってしまって、ディレクターから指導が入りました(笑)」
―MIX作業で、意識して取り組んだ点、最も注意を払った点はなんですか?
「今回“はたしてミックスCDって何なのだろう?”っていうのが、まず頭にありました。で、ちょうど制作時期にリリースされたアニーのミックスCDが、久々にかっこいいミックスCDだなぁ、と思えたんです。うまく言えませんが...凝ったことを特別しているわけでもないんだけど、すごくノリがある。一方で、リッチー・ホウティンも最新作をミックスCDとしてリリースしてますよね。それで、“ミックスって???”となってしまって。簡単に分類しても、スタジオで一発録りのライブ・ミックス、クラブで録ったオーディエンスの歓声入りのライブ・ミックス、入念に一曲一曲をハード・ディスクでエディットしたミックス、と、いろいろなタイプのものが出ていますし」
―なるほど、たしかに。
「そこで、自分はそれらの”オイシイ”部分をちょっとずつ取り入れてつくりました。例えば、ブレイクでスパーン!とオーディエンスの声を録音したものを入れて、次のキックから再びライン録音だけに戻ったり。その辺では、クラブのドアを開け閉めしているというか、“ここはドコ?”みたいな不思議な感じが出せたかと思います。ちなみにヴィタリックの「My Friend Dario」は、もちろんトラック自体も大好きなのですが、ミックスされてしまうとお客さんに聴いてもらえる機会が少なくなってしまうイントロのエンジン音とアウトロのクラッシュ音も僕は大好きだったので、個人的にループを組みました」
―12曲目の「Tiger Track」は、ブレイク部分でトラが吠えちゃっていますが、どんな感覚を表現したかったトラックなのか、今一度教えてください。
「曲自体は、当時も文字通りトラがガオーッ!!!って爪立てて吠えているイメージを浮かべながらつくりました。今回のCDでは、いっそのことトラ自身に登場してもらおうと思いつき、鳴き声?吠え声?を入れてみたんです(笑)」
―中盤では、昨年のアルバム『Spark Arts』でも見せていたロック的なテイストを強く打ち出したトラックを連続してセレクトしています。いずれも近年のモードを象徴するトラックだと思うんですが、カガミさんはロック・テイスト・トラックのどんな部分に魅力を感じていますか?
「僕自身では、ディスコ・トラックと同じ感覚なんです。“楽しい”という一括りで終わらせてしまうこともできます。でも、やっぱり攻撃的な感じはありますね。ワープ・ブラザーズ、ヴィタリック、アーマンド・ヴァン・ヘルデン、コバーンのライセンスが取れたことにはビックリしました(笑)。これらのテイストと似ている二番手のトラックも用意していたんですが、リストが届いたら松井にイチロー、中田に小野と、みんな揃っていました(笑)」
―疾走感が増す終盤は、25曲目でデヴィッド・ヴェンデッタ「Party People」の自身のリミックスをサラリと被せるなど、ユニークな仕掛けが続くように感じます。
「ディスコ・トラックで貫き通すと、自分的にも作品として飽きてきてしまうので、後半は僕なりにミニマルなテイストを入れています。パソコンの魔法により、あり得ない速さでミックスされていますけど(笑)」
―そしてラストはアンジェロ&イングロッソの「82-83」で締めていますね。
「アンジェロ&イングロッソはイイですよね。注目してますよ。ベースがかっこいい。実はこのトラックはプロモで貰っていて、初めはアンジェロ&イングロッソだと知らなかったんですけど(笑)」
―では最後に今後の活動予定や、目標を教えてください。
「いろいろな曲のリミックスをやっています。他にも同時進行で制作とDJ、共に動き回る予定なので、待っていてください!」


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KAGAMI (VARIOUS ARTISTS)
PAH

(JPN) CARIZMA / CRZM-007 CD