Key Kobayashi

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Key Kobayashi インタビュー128号

 クラブ・ジャズ のパイオニア、小林径。ケヴ・ダージやノーマン・ジェイ、ジャイルス・ピーターソンらと並び称される屈指のレコード・コレクターでもある彼は、といった、数々の先駆的イベントを手掛けてきたDJ/プロデューサーだ。また制作面でも、これまでにSOUL BOSSA TORIOやZEEBRA、フェミ・クティ、ジャクソン・ファイヴらをリミックス、独自の世界観を表現してきた。ここで御紹介する『Routin Jazz』は、そんな彼がセレクトする人気コンピレーション。今回で7作目となる長寿シリーズだが、一環したコンセプトはあるのだろうか?


「それはいくつかの複雑なファクターから成り立っています。リスナーは、コンピよりオリジナルの方がクオリティーが上だと考えるのが一般的でしょうが、DJである僕は、オリジナルをつくるより、人の曲を批評してセレクトする方が、より名盤に到達しやすいのではないかと考えています」
 彼は今回のインタビューで、「自分がクラブでプレイしたというリアリティー」をそのファクターの一つに挙げていた。これは、ジャッキー & ロイの「Don't Be Blue」をリミックスし、今作に収録したことに象徴されている。オリジナル・バージョンは『Routin Jazz』シリーズ一作目にも収められた、スキャットが印象的なクラシックで、ジャズDJ御用達の名盤だ。
「このリミックスは、モンタージュという映画手法に近いコンセプトでつくられています。過去にやった「Saturday In The Park」というシカゴのカバーには、実はローリー・アンダーソンの「O Superman」という曲のイントロをはめています。あんな明るい曲に、そんなものが混入してるとは誰も思わないでしょう。今回のリミックスも、エレクトロニカと明るい曲調の対比で出来ていて、大音量で聴くとかなり暴力的に聴こえるのです」
 他にも、コペンハーゲンのクラブ・ジャズ・デュオ、ポーヴォの楽曲や、ウエスト・ロンドンのディーヴァ、ベンベ・セグエをフィーチャーしたSLEEP WALKERの「Into The Sun」など、大音量下のクラブで栄える前衛的なジャズが多く収録されている今作。一方で、セロニアス・モンクや、ギル・メレ、レット・ガーランドらのスタンダードも収録されているのがポイントだ。
「それが今作における隠れテーマなんです。モンクは、当時の批評家達に評価されていませんし、演奏もうまいとは言えません。でもこの曲を聴けばわかる通り、非常にモダンです。これはエリック・ドルフィーなら許可して、ギル・メレは許可しないジャズ・マニア達へのアンチであり、『Routin Jazz』をジャズだと思っていない人へのメッセージでもあるのです」
 モダン・ジャズを理解したうえで展開される、小林径のニュー・ジャズ・ワールド。聴けば聴く程、“ミスター・ルーティン・ジャズ”のフカさに気づくことだろう。


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Key Kobayashi
Routine Jazz ♯7

(JPA) VICTOR / VICP-62986

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