Kiiiiiii
Kiiiiiii インタビュー150号
Kiiiiiiiは、ヴォーカリスト兼女優のu.t、アートワークやソングライティングを手がけるドラマーのLaikin’からなるガールズ・パンク / ポップ・ユニットだ。'02年の結成以来、ドラム&ヴォーカルにステージ・アートを加えた、アヴァンギャルドなライヴ・パフォーマンスを展開。その独特な世界観で、アメリカのファッション誌NYLONをはじめ、ファッション / アート方面からも注目を集めている。
そんな彼女たちが結成当初から温めてきた、構想五年の1stアルバム『Al & Bum』をリリースする。コーネリアスやバッファロー・ドーターの作品を手がけているDJ CODOMOを共同プロデューサーに迎えた本作では、彼女たちのインスピレーションを映し出した、ノスタルジックなアート・ポップ・ファンタジーを楽しむことができる。
アメリカ・ツアーも終え、次なるステージへと飛躍しようとしているKiiiiiiiの二人に、対面で話を聞いた。
――まず、バンド名はなんと読むのですか…?
u.t(以下U)「キーです。iが多いのは、増やすとフライヤーで目立つかなと思って」
Lakin’(以下L)「二個だとWiiみたいになっちゃうし、多すぎるとバーコードになっちゃうんだよね。だから、七個がちょうどいいんです」
――バンド結成のきっかけを教えてください。
L「きっかけは、u.tが所属している劇団“鉄割アルバトロスケット”のイベントに、幼馴染だったu.tから一緒に出ようと誘われたことです。最初は、紙芝居や人形劇をやろうと話していたんですけど、“時間がない。バンドでいいべ。ドラムと歌だけでもいいんじゃない? アフリカでは太鼓に合わせてみんな踊っているしさ!”ということで、バンドを結成することになったんです。その初ライヴでは、当時よく聴いていた、オーストラリアの子供番組に出てくるザ・ウィッグルズというコーラス・グループの曲を、ドラムと歌でアレンジしました」
――二人はどんな役割分担なんですか?
L「曲をつくるときは、私がu.tにアイデアを投げるんです。そうすると、u.tは女優で想像力が豊かなので、アイデアを受けてイタコのようにドーンと答えてくれます(笑)」
――今作の音づくりは、どのような発想で進めましたか?
L「一緒にアルバムをつくってくれた友達のDJ CODOMOくんは、キーのライヴで生まれる、ドラムとヴォーカルだけのパンクな魅力を、アルバムでも表現したいって言ってくれたんです。でも私は、アルバムとライヴは別物だし、音数的につまらないだろうと考えていたので、一音だけでも足すといいんじゃないかってCODOMOに提案したんです。結果、シンセやキーボードをu.t、ベースやギター、ストリングス、プログラミングなどの全体的なサウンド・クリエイトをCODOMOが担当することになりました。ドラムとヴォーカルに、もう一音“ポコン”みたいな音をプラスするイメージで、音づくりをしましたね」
――アルバム全体から独特の世界観がにじみ出ていますが、作曲のインスピレーションは、どんなときに思いつきますか?
L「マンガを読んでいて思いつくこともあるし、子供番組を見ていて思いつくこともあります。でも、七割は音楽を聴いているときだと思います。音楽を聴いていて、“このリズム・パターンをキーでやったら面白いかも!”と思い浮かんだら、その場で留守電に入れたりします。あと、私は昔からカウント・ダウンTVやベスト・ヒットUSAといったヒット・チャートを網羅することにストイックだったので、ヒット曲には興味を持っています」
――アルバムで聴けるノスタルジックなメロディーは、ヒット曲特有のポップ・センスから生まれているんですね。
L「うん。それに私、洋邦問わず懐メロが好きなんですよ。だからベスト・ヒットUSAではタイムマシン・コーナーが好きなんです。タイムマシンじゃないと克也も元気ないんですよ(笑)! それでTOTOが出てきたりすると、“またTOTOかい!”って興奮しちゃうんですよね。基本的には、タイムマシン・コーナーに登場してくるような、昔の音楽からインスパイアされることの方が多いかな」
――アルバムには、『スタンド・バイ・ミー』のサントラに収録されていそうな、懐メロ風の曲も収録されていますね。
L「マジですか? 鋭い! スタンド・バイ・ミーのサントラ大好きなんですよ。特にバディ・ホリーの「Everyday」っていう曲が本当に好きで…(二人で「Everyday」を歌いだす)」
――歌詞にも、『ゴースト・バスターズ』や『ビバリーヒルズ・コップ』っていう言葉が出てきますよね(笑)。’80年代のアメリカ映画が好きなんですか?
L「アメリカの映画が特別好きというワケではないんですけど、’80sのアメリカ映画とキーの楽しいテンションが合っているので、歌詞に入れてみました。というのも、私が小学生ぐらいの時代には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ゴースト・バスターズ』が映画館で上映されていたので、“アメリカって楽しそー”という精神が自分の中に根づいているんです。音楽でも、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースがつくるような、コメディー・タッチでチープな’80sポップへの憧れがあるんです。その当時の憧れが、今になって爆発!という感じですね。u.tも、最近マイケル・ジャクソンなどに憧れを持ち始めたので、フレッシュに爆発! という具合です」
――キーのルーツが少しずつ見えてきました(笑)。ところで、アルバム全体からは、ストーリー性を感じたのですが、それはu.tさんの演劇活動に通じているのでしょうか?
U「演劇に通じているかはわからないけれど、キーの曲には一個一個にお話があって、ライヴ一個一個にもテーマがあるんです。このアルバムも一つの物語になっています。それは、まだ始まったばかりのキー・ストーリーなんです。だから曲順はすごく重要視しました」
――そのストーリーは、どんなものですか?
L「う~ん…、“東京に住んでいる女の子二人が繰り広げる、ドタバタ珍道中?!”みたいな感じです(笑)。ラブコメあり涙ありで…」
二人「“ヒュー! イエー”」
L「みたいな(笑)。シチュエーション・コメディー的展開もありで、最後はハッピー・エンドで終わり。でもフィナーレは“To be continued…”、要するにネバー・エンディング・ストーリーなファンタジーなんです」
interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
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Kiiiiiii
Al & Bum
(JPN) BEST PET / VILLAGE AGAIN / BPCD-001

