KIRK DEGIORGIO インタビュー144号
デトロイト・テクノに影響を受けたUKテクノ第一世代としてだけではなく、昨今はジャズ・クロスオーヴァー・シーンでも評価の高いアーティスト、カーク・ディジョージオ。彼が、その人気を絶対的なものとしたアズ・ワン名義で、イタリアのArchiveレーベルから最新作『Planetary Folklore 2』をリリースした。'97年にMo'Waxからリリースされた名作の続編だ。まずは、約10年ぶりに“プラネタリー・フォークロア”が復活した経緯を聞いてみた。
「最初の作品をリリースしたとき、続編をリリースする予定はなかったね。でもここ数年で、僕は再びオールド・ファンク・ブレイクやジャズ・ハーモニーをテクノ・サウンドと融合させた音に挑戦したくなったんだ」
その理由については、こう語る。
「前作の頃からさらに進化したテクノロジーが関係しているんだ。あの作品から長いキャリアを積んだから、僕自身がどのくらい進化したのか確認したかったという面もあるね」
昨年初めに制作をスタートし、約一年をかけて完成させたという今作では、ジャズとテクノが調和した流麗なクロスオーヴァー・サウンドが展開されているが、“進化”の核心はどこなのだろうか?
「ブレイクビーツの構築やプログラミングにおいて、前作よりも進化したと思う。このプロジェクトのメイン・コンセプトは、“ジャンルフリー"なブレイクビーツ・サウンドを発想することなんだよ」
とはいえ、今作では“ドラム・ブレイク以外のサンプリングを禁止する”という制約も自らに課しているという。サウンド面で意識した点は、どんなことなのだろう?
「新しくユニークなコードをプログラミングするのではなく、前作で制作したモーダル・コードで、さらに実験することにしたんだ。今回はモーダル・コードを微妙に変化させることで、様々なトラックを完成させている。僕はソロやインプロビゼーションではなく、ハーモニーを重視したジャズ・サウンドに強く影響を受けているんだ」
彼自身が誇りに思う曲だと語る「Germanium」や「Irradiant」を筆頭に、テクノロジーを駆使しながらも、非常にオーガニックなタッチで描かれたサウンドが堪能できる『Planetary Folklore 2』。この作品を前にして、カーク・ディジョージオが、音楽を追求するうえで最も大切にしていることを聞いてみたくなった。
「僕にとって最も大切なのは、タイムレスで良質な作品を創造することなんだ。感情の質も大事にしているよ」
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KIRK DEGIORGIO Presents AS ONE
Planetary Folklore 2
(JPN) OCTAVE-LAB (ARCHIVE/DI PIU') / OTLCD-1074


