LEOPALDON インタビュー151号
LEOPALDONはトラック・メイカー / MCの高野政所、DJのGUNHEAD、トラック・メイカー / エンジニアのフランク重虎からなる三人組のユニットだ。テクノやヒップホップをベースとしたエレクトロニック・トラックに、リアルな日常をモチーフにしたMCを重ねて、独自のサウンドを生み出す彼ら。その4枚目となるアルバムが、「Homecenter 2 Gamecenter」だ。
本作ではダンスホール・レゲエ、シカゴ・ハウスなどを吸収し、ジャンルの壁を軽快に突破する、オリジナル・スタイルが展開されている。参加アーティストの‘00年DMC日本チャンピオンのDJ HANGERや、レゲエ・ユニットのDONNA、テクノ・クリエイターのREBUSTAPE、デトロイトの重鎮サバーバン・ナイトらは、サウンドにさらなる多様性を投じている。またホーム・タウンである神奈川県川崎市を題材にした、アルバム冒頭の「044Story ft. DJ HANGER」が、川崎市主催の音楽コンテストで優勝するなど、話題性にも事欠かない。
強烈な個性を放つ新作の魅力に迫るべく、LEOPALDONの三人に話を聞いた。
――もともと高野政所さん一人でのプロジェクトだったLEOPALDONに、GUNHEADさんとフランク重虎さんが加わって活動を始めたきっかけを教えてください。
T「僕と重虎は、同じイベントに出演したことがきっかけで知り合ったんです」
F「笑いのセンスやツボがバッチリ合ったんです。それでまずファースト・アルバム『Cake or Girl』に、リミックスで初参加しました。それからトータルのマスタリングもするようになり、セカンドからは一緒に制作も始めました」
T「しばらくは二人でLEOPALDONとして活動していました。GUNちゃんとは、昔彼が働いていた都内のクラブで知り合ったんですよ」
GUNHEAD(以下G)「それまでに彼らのCDは聴いていたんで、 そのとき“ようやく会えた!” と思いましたね。で、いろいろと話していたら意気投合したんです」
T「3人で活動を始める前の’05年4月に、ACID PANDA CAFEというお店を開いたんですよ。でも僕らには運営のノウハウがなかったので、クラブでバーテンの経験があったGUNちゃんに知恵を貸してもらうことになったんです」
――楽曲の制作面は、どのような役割分担になっているんですか?
T「トラック・メイキングは僕が発端でつくる場合と、重虎が発端になる場合と両方あります。で、骨組みと歌詞をつくったものを、重虎に細かく仕上げてもらいます」
F「逆に僕がつくったものに、ダイナミックにラップを加えてもらったり、それをまた編曲することもあります」
T「構成では、DJ経験の長いGUNちゃんから、ブレイクのさじ加減などダンス・ミュージックやDJ的側面からのアドバイスをもらっています。うまくコンビネーションが取れていると思います」
――本作にはテクノやヒップホップはもちろん、様々な音楽要素が混在していますが、なぜ異なるジャンルをミックスしようと思ったんですか?
T「 “テクノにラップ乗せたらカッケーじゃん!” 、っていう純粋にそれだけなんですよ。子供の頃にカッコいいものを見たらすぐ真似していたように、カッコいいものを寄せ集めていったんです」
F「組み合わせのタブーは気にせず、 “カッコいい”どうしを組み合わせたら “超カッコいい” になるだろうという、足し算の考えです(笑)」
T「どんどん足したいですね(笑)。軸はテクノやエレクトロニックなんですが、聴いてみて良いと思ったものは、模倣、吸収して消化していくんです」
――では、メッセージを発信するためにMCという形を取ったのはなぜですか?
T「日本語ラップにハマった時期があって、K DUB SHINEを聴いたとき、 “はっきり言っちゃってんな” と衝撃を受けたんです。それまではサンプリングで無理矢理自分のメッセージなりを込めていたんですが、それだと伝わりにくいので、口で言っちゃおうと思ったんです」
G「テクノだったら音に体をはめて楽しむけど、MCには言葉のかけ合いをしたり、全く違う楽しみ方がありますよね。それに日本語のMCなら日本人は必ず分かりますからね」
――具体的にはどのようなメッセージがこめられていますか?
T基本的に嘘はつかず、全部本当のことを言おうと思ってます。別にすごい不良だったわけでもギャングスターでもないから、自分の生活に則した経験から起こる怒りや楽しさを、全部出そうという意識があります。よくウエスト・コーストや日本のヒップホップ・アーティストがLAの話をしたりするけど、実際はローライダーにも乗ってないし、回るところもオシャレな場所ではなく、近所のファミレスとかですからね(笑)。9曲目の「Midnight Cruisin' In My Hood ft. YOPPI」では、そういう日常のリアルさを出しています」
――なるほど。曲の中には、シリアスなメッセージを持っているものもありますね。
T「 “10年くらい音楽をやっているのに、なんで俺たちまだこの位置なんだろう?” 、と思ったときに、結局外国からDJ呼んで盛り上がってるだけの現状に怒りを感じたんです。それを表現したのが「Warning」です。もうちょっと日本人が盛り上がってもいいなとはずっと思ってます」
G「外国人ゲストの名前だけで人が集まる状況があって、日本のクラブ・ミュージシャンはないがしろに扱われてますからね」
T「名前で決められてしまいますからね。そういうところに軽く皮肉をこめてつくった曲ですね。僕ら自身メイン・ストリームからちょっとはみ出してますからね」
――では「044Story ft.DJ Hanger」という、地元・川崎を題材にした曲をつくった理由を教えてください。
T「川崎市では “音楽の町・かわさき” というキャンペーンを打ち出しているんですが、吹奏楽とかクラシカルなものが多いので、そんな中にダンス・ミュージックがあったら面白いと思ったんです。横浜や東京ならともかく、川崎をレペゼンする人っていないですよね。だから地元をもっと盛り上げたいという意識があります」
――それぞれジャンルの異なるたくさんのアーティストとコラボレーションをしていますが、彼らとのコラボレーションに至ったきっかけを教えてください。
T「コラボレーションしたのは、もともとファンだった人が多いですね。好意が高じて一緒にやることになりました。僕はいろんなクラブに遊びに行ってたんで、GHETTO INCとも、ダンスホール・レゲエのDONNAとも、現場で仲良くなりました。リミックスで参加している、サバーバン・ナイトも昔からすごく好きだったんですよ。それで頼めるかもという話があったんで、頼んだらOKが出たんです。本当に嬉しかったですね」
F「レニー・フォスターやREBUSTAPEのように、僕らの店でライブやDJをしてもらったことを通じて、お店で交流を深めたアーティストも多いです」
――ライブではどのようなパフォーマンスが見られますか?
G「出るイベントがテクノからヒップホップまで幅広いんで、それに応じて構成を変えたり、重虎君が編曲し直しています」
T「MCにしても、イベントによって違ったものを楽しめると思います」
――では最後に、このアルバムを聴くリスナーにメッセージをお願いします。
F「曲によって色が違うので、どのジャンルが好きな人でも、ひっかかる部分があると思いますよ」
T「受け取り方は自由なので、どう聴いてもらってもいいと思います。ひとまず試聴する時は全曲聴いて欲しいです」
G「人に左右されず、自分の意見で感想を言ってほしいですね」
interview & text HIROKO TORIMURA
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LEOPALDON
Homecenter 2 Gamecenter
(JPN) Electric Punches / ELPC- 1003


