MISSY ELLIOTT インタビュー128号
ローリン・ヒルが長きに渡って沈黙を守っている今、フィーメイル・ラッパ-のトップを揺るぎないものとしているのがミッシ-・エリオットだ。'97年のデビュー・アルバム『Supa Dupa Fly』以来、その非凡な才能と個性的なキャラクターで、音楽業界に旋風を巻き起こし続けている。7月13日には通算6枚目のニュー・アルバムを発表したけど、そのタイトルはちょっとユニーク。
「『THE COOKBOOK』ってタイトルにしたのは、アーティスト、ソングライター、プロデューサーである私が何でできているか、その原料を示したかったから。それに、それぞれの楽曲 にはスパイスが使われていて、素晴らしいレシピになっているの」
“原料”とはなかなか不思議な表現をするじゃあーりませんか。ちょっと短絡的な解釈かもしれないけど、それはネタを見たら丸わかり? シングル・カットされた「Lose Control」では、ホアン・アトキンス率いるサイボトロンによるエレクトロ・クラシック、「Clear」でトラックをつくってるねー。ラウド読者には涙ものだ。アフリカ・バンバーター「Planet Rock」を思い出しちゃう。
「「Lose Control」には、'80sの雰囲気がある。ああいう曲ってマストでしょ。ヒップホップをやっていくうえで、私は常にオールド・スクールの要素を入れたいと思ってるの。今の若い子たちって、ラッパーになる方法はわかっているけど、ヒップホップのルーツを知らないでしょ。スリック・リックやグランド・プーバについて何も知らないで、ただ銃撃戦の話や、ハードなことをラップしていればいいと思っている。PVも、女の子20人、車1台、シャンペン1本あれば一丁上がりって感じだし。でも、オールド・スクール・ラップがヒップホップのルーツであって、当時のアーティストが現在のシーンを切り開いてくれたわけだから、若い子たちも知っておくべきだと思う」
とはいえ、彼女は懐古主義者じゃない。今作には共同プロデューサ-としてザ・ネプチューンズの名前も入っているし、XLの新星、M.I.A.とのコラボレーションもある。ルーツを大事にしながらも、新たな試みにも積極的な彼女は、現シーンをこんな風に嘆いてる。
「ラジオをつけると、似たような音楽ばかりがかかっていると思う。私がヒップホップを聴いて育った頃は、アーティストの個性が際立っていた。ソルト・ン・ペパ、パブリック・エナミー、ビッグ・ダディ・ケイン、それぞれ他とは比べることはできなかったわ。でも今は“これってジェイ・Z? ”、“これって50セント? ”って思っても、彼らに似た違うアーティストってことが多い。アーティストが昔みたいにオリジナルでクリエイティヴではなくなってしまったのよ。ひとつのスタイルが売れるとわかると、そのスタイルを真似しちゃうのね。危険を冒すのが怖いのよ」
text & edit SOICHIRO NAITO
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MISSY ELLIOTT
THE COOKBOOK
(JPN) WARNER MUSIC / WPCR-12075


