NATHAN
NATHAN インタビュー153号
R&Bシーンの若き才能が届ける、ディープ&スウィートな世界
UKを拠点に活動するソウル/R&Bシンガー、ネイサン。’02年、弱冠15歳にして、ロンドンのブラック・ミュージック専門ラジオ局、Choice FMが主催するコンテストRapologyで優勝。’05年に「Come Into My Room」でデビューし、注目を集めた人物だ。
そんな彼のファースト・アルバム、『Masterpiece』がリリースされた。メロウな歌声で、彼独自の愛を表現した本作。ソウルフルなバラードはもちろん、19歳という若さを象徴するかのような、ダンサブルなビートも楽しめる仕上がりとなっている。フージーズのプロデュースでも知られるベテラン・ヒップホップ・プロデューサー、サラーム・レミや、Def Jam所属の新鋭ラッパー、リック・ロスが参加し、ストリート感あふれる楽曲を演出しているのも聴きどころだろう。
今作に込めたメッセージと、音楽に対する想いについて、ネイサン本人に話を聞いた。
――あなたが、音楽活動を始めたきっかけは何ですか?
「僕の母親は、ローナ・ジーというレゲエ・シンガーなんだ。だから、幼い頃から音楽に囲まれて育ったよ。歌、ラップ、踊りを組み合わせて、ステージでパフォーマンスするために様々なコンテストに出場していたんだ。その後13歳の時に、母親から“ソウルフルな歌に専念してみたら?”と助言をもらって、本格的に歌手を目指すようになったのさ」
――母親と一緒にステージに立ったこともあるのですか?
「もちろんあるよ。幼い頃にも、何度かステージに上がっていたね(笑)」
――現在はUKを拠点に活動していますが、生まれ育ったのもUKなのですか?
「母親の仕事の都合で、2~5歳はジャマイカで、5~10歳はニューヨークのスタテン島で育ったんだ。ニューヨークでは、ウータン・クランのアパレル・ブランド、Wu Wear第1号店の近所に住んでいたから、当時はウータンに夢中だったね(笑)」
――そんな時期もあったんですね。では、これまでにどんなアーティストに影響を受けてきましたか?
「一番影響を受けたのは、母親とマイケル・ジャクソンだね。他にはボブ・マーリー、マーヴィン・ゲイ、ジェイ・Z、バスタ・ライムス、クレイグ・デイヴィッドなどから影響を受けたよ」
――このたび、ファースト・アルバム『Masterpiece』がリリースされますが、手ごたえはいかがですか?
「このアルバムは自信作だから、リリースできて嬉しいよ! UKでは既に良い反響を得ているから、日本のみんなにも楽しんでもらえるといいなぁ」
――今作の歌詞は、主にあなたが書いているのですか?
「うん。ほぼ全部、僕が書いているよ。大半は実体験に基づいて書いたものだけど、想像で想いを巡らせたものもあるんだ。僕が書いていないものを歌う場合でも、自分が書きそうな内容のものしか歌わないようにしているよ」
――このアルバムでは、どんなことを歌っているのですか?
「「Come Into My Room」は、ある人と出会い“僕の部屋に来ない?”って誘い出す曲(照笑)。「They Can’t Take Me Away」は、“誰が何と言おうと、僕が抱くこの気持ちは止められない”という、アツいナンバー。「Round And Round」は、一緒に仲良く過ごしたい恋人と、いつも同じことで喧嘩してしまう関係にフラストレーションを感じ、“二人の間に愛があるなら、自然に上手くいけばいいのに...”と言っている歌。「Cold As Ice」は、僕のことを最大限に利用する、冷淡でアブナイ女性を題材にしているんだ(苦笑)。ある女性にすっかりハマってしまい、気づいたら彼女のために散財している...みたいな関係についての歌だね(笑)」
――「Do Without My Love」も、ラブソングなのですか?
「“好きな女の子のことを歌ってるの?”ってよく聞かれるんだけど、実は僕の音楽に対する愛について歌ったナンバーなんだ。この曲で歌っている“愛”は、恋人、友人、家族、音楽など...あらゆることに置き換えられる、普遍的なものだね。お金に関係なく、音楽への純粋な愛を一生貫いていきたい、という想いを歌っているんだ」
――これらの内容からは、19歳という若さながらも、濃い人生経験をしてきたように感じるのですが...。
「そうだね。15歳でアーティストとして活動を始めたから、世の中の現実に直面する機会が多かったし、他の人達の失敗談から学ぶこともたくさんあったんだ。音楽業界は決して楽じゃないし、苦労はつきものだと思うよ」
――ではあなたは、歌や音楽活動を通じて、どんなメッセージをリスナーに伝えたいですか?
「今の世の中は暗い話題ばかりだから、僕は音楽を通して、明るいメッセージを伝えていきたいんだ。音楽は、純粋で美しいものだからね。みんなが共感して、ポジティヴな気分になれるような曲を歌い、愛を広げたいと思っているよ」
――あなたの音楽を通じて、リスナーにも愛が伝わっていくといいですね。メロディーも、あなたが自ら書いたのですか?
「うん。メロディーは、今回アルバム・プロデュースを担当してくれたサイクロン・プロダクションの、ウェイン・ローズ、リチャード・リードと一緒に書いたんだ。彼らは僕に、スタジオ・ワークを一から教えてくれたんだよ」
――あなたの楽曲は、ソウル、R&Bを軸としつつも、ストリート感あふれるトラックになっていますね。これには幼い頃の環境が影響しているのでしょうか?
「そうだね。ニューヨークに住んでいた頃は、どこでもヒップホップがかかっていたから、その影響もあると思うよ」
――Def JamのMC、リック・ロスが参加している「Cold As Ice (Salaam Mix)」は、特にヒップホップ・テイストの強い楽曲になっていますね。
「うん。この曲は、サラーム・レミと一緒にマイアミでレコーディングしたんだ。そしたらサラームが突然“リック・ロスも呼んでみようか?”って言いだして、リックが参加することになったんだよ。リックはすごく良い人で、この曲も気に入ってくれたんだ。楽しいレコーディングだったね! リックと一緒に、この曲のPVを撮影できたらいいなぁ...」
――では最後に、今後の活動予定や目標を教えてください。
「今日はこれから、イビサの
interview & text EMIKO URUSHIBATA
translation KEIKO YUYAMA
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NATHAN
Masterpiece
(JPN) VAA URBAN / VAUR-0003

