PROTOTYPES
PROTOTYPES インタビュー151号
iPod ShuffleのCMに「Who's Gonna Sing?」が抜擢されたことで注目を集めているプロトタイプス。フィルターディスコ・ユニットのボスコとして活動していたステファンとフランソワ、エレポップ・バンドのバブル・スターでヴォーカリストを務めていたイザベルによって’03年に結成されたスリーピース・バンドだ。活動拠点はパリで、これまでに『Prototypes』(’04年)、『Mutants Mediatiques』(’06年)と二枚のアルバムを発表している。
このたび発売された『Prototypes』は、その二作から選りすぐりの楽曲を集めた企画盤。全18曲からは、キッチュでパンクでファンキーな、独特のポップ・ワールドを味わうことができる
LOUDは、ジャパン・ツアーのため来日していた三人を直撃。日本初登場となるプロトタイプスの全貌を探ってみた。
――プロトタイプス結成の経緯を教えてください。
ステファン(以下S)「三人とも高校時代からの知り合いなんだ。僕とフランソワがボスコというエレクトロニック・ユニットを組んでいて、そこにバブル・スターで活動していたイザベルがヴォーカルで加入したのさ」
フランソワ(以下F)「フランスの小さなクラブで、僕とステファンがDJパーティーを開いたとき、彼女をバブル・スターとしてゲストで招いたんだ。そのとき彼女のヴォーカルを聴いたのが、プロトタイプス結成の決め手になったね。彼女の歌声に出会ったときは、これで本当のロックが制作できると思ったから、嬉しかったよ。ボスコで活動していた当時も、ポップなロックをつくりたいと思っていて、実際に僕ら自身が歌ったことさえあったけど、うまくハマらなかったんだ」
――プロトタイプスのサウンド・コンセプトを教えてください。
S「ディーボとザ・ローリング・ストーンズとジャック・デュトロンを混ぜたようなサウンドを意識的に目指しているよ(笑)」
――ジャック・デュトロン?
S「’60年代に活躍したフランスのアーティストで、セルジュ・ゲンズブールの馴染みの友達。フランスでは超有名人だよ! 彼の影響を取り入れた、“60’s、イエー!”って弾けるような音楽を目指しているのさ」
――たしかに、60’sブルース・ロックのようなファンキーさは特徴的ですね。もう一方で、現代のエレクトロ・バンドに通じるパンキッシュなサウンドも聴くことができます。そこは意識していますか?
F「特に意識しているワケではないよ。僕らはクラビングが好きだから、その影響でハッピーなエレクトロ・サウンドが生まれるのだと思う。それよりも、自分たちが一番楽しめるサウンド、グルーヴィーなサウンド、その二つの要素を常に意識しているよ。自分たちが楽しめるような音楽をつくるには、生楽器から出るライヴ感が重要だから、ステファンとスタジオで夫婦みたいにセッションしながら、理想的なサウンドに仕上げているんだ(笑)」
――ちなみに、好きなエレクトロ・クリエイターはいますか?
S「ジャスティス! ジャスティスのライヴがあれば絶対見に行きたい」
――ダフト・パンクはどうですか?
フランソワ&ステファン「もちろんダフト・パンクも好きさ!」
S「それにザ・ゴシップ、エロル・アルカン、ボーイズ・ノイズ。ボーイズ・ノイズの新譜、たしか「Don’t Believe The Hype」だったかな? アレがまだ聴けていなくて残念だよ」
イザベル(以下I)「ワタシはエレクトロじゃないけどフィリップ・カトリーヌね」
――フレンチ・ポップのアーティストですね。そういえばプロトタイプスの歌詞はフランス語ですよね。そこにこだわりはありますか?
I「単純に母国語だからそうなっているだけで、フランス万歳という意味ではないわ。英語で歌っても、発音が悪いからサマにならないという理由もあるわね。実は、Minty Fresh(インターナショナル契約を結んでいる米レーベル)に興味を持たれたとき、私たちは恐かったの。フランス語の歌詞がアメリカのマーケットに受けるか心配だった。でもアメリカのリスナーは私たちの音楽を聴いて、ヴォーカルはもちろん、サウンドも気に入ってくれたわ」
――歌詞は誰が書いているのですか?
S「歌詞は、僕とフランソワで書いているよ。インスピレーションは、イザベルの行動や言動から得ている。例えば、イザベルはクラブに出かけると、面識のない人に“ハーイ、イザベ~ル!”なんて声をかけられるんだけど、そういうとき“あなた誰? 一度もあったことないわ”とかわすんだ(笑)。そんなクールな立ち振る舞いにインスピレーションを受けた曲が「Je Ne Te Connals Pas」。この曲のタイトルは“君を知らない”という意味だよ」
――iPod shuffleのCM曲に起用された「Who’s Gonna Sing?」では、どういうことを歌っているのですか?
S「インストのトラックに、ヴォーカルをどうやって乗せるか話し合っているときに、シンセは僕がやる、ギターは彼がやる、じゃあ誰が歌うの?”っていうゲームみたいなやり取りになったんだ。それがティピカルなフレンチ・ユーモアになっていたから面白いと思って、そのまま歌詞にしたんだ」
――iPod shuffleのCM曲に選ばれたときは、どんな気分でしたか?
I「iPodのCMで使用される曲は、基本的に英語の曲じゃない? この曲はフランス語で歌われている曲だから、全世界に流れると思うと衝撃的だった。本当に嬉しかったわ」
――KitsuneやEd Bangerの活躍で、フランスのロック / エレクトロ・シーンが注目されています。あなたたちは今後、そのシーンをどんな視点で盛り上げていきたいですか?
S「KitsuneやEd Bangerはクラブ・カルチャーから音楽シーンを盛り上げているよね。僕らは、エネルギッシュでインパクトのあるライヴ・パフォーマンスを武器に、ライヴ・カルチャーからシーンを盛り上げていきたい。いつかKitsuneのコンピに参加できたらいいな(笑)」
interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
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(JPN) STAR MOLE / STMR-9

