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SHPONGLE インタビュー125号

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 イギリスの名門サイケデリック・トランス・レーベルTWISTED RECORDSの首領、ハルシノジェンこと天才サウンド・エンジニア、サイモン・ポスフォード。本誌連載でもお馴染み、還暦越えても今なお現役最前線で活躍するサイケ界のスーパー・スターDJ、同じく名門T.I.P WORLD主催、ラジャ・ラム。この二人を中心に結成されたドリーム・プロジェクトがシュポングルだ。“サイケデリック”をキーワードに、ジャンルの壁を超えた世界観を披露した過去の二作品『ARE YOU SHPONGLED ?』と『TALES OF THE INEXPRESSIBLE』は、幅広い音楽ファンに受け入れられ、いずれもクラブ・ミュージック・シーンにおける名盤殿堂入りを果たした。この度発表された、約4年ぶりとなる新作『NOTHING LASTS』は、世界中の美しいヴィジョンを凝縮したかのような、シリーズ最高との呼び声も高い傑作。リリースに先駆け、GWにはSOLSTICE MUSICが主催するでのライブ出演の為に来日も決定した。ファンの間で噂される今後の展開も含め、プロジェクトの中核を担うサイモンに話を聞いてみた。


―『NOTHING LASTS』は、過去二作品よりもダンサブルになっていると感じるのですが、この4年間にどういう心境の変化があったのでしょう?
「まあ、4年分歳を重ねたわけだからね。今の自分は以前よりも音楽的に成長したと思うよ。このアルバムは、音楽的にも技術的にも確実に進んだものになっている。意識的に“ダンサブルにしよう”とは思っていなかったけど、ライブでプレイするという経験から何か影響を受けたのかもしれないね」
―シュポングルにおけるプログラミング担当はあなたですが、ということは曲づくりもあなたが中心となっているのですか? それぞれのメンバー、ラジャ・ラム、ピート・カラード (ギター)、ハリ・オム (ボーカル)、クリス・ベーカー (ベース)らとは、どのようにコミュニケーションを取ったんですか?
「そうだね、ラジャはコンピュータが使えないから僕がやったよ! 最近やっと彼はメールを読むことを覚えたんだ(笑)。メンバーとのコミニュケーション方法は様々。例えば、クリスにはオンラインでチャットをしながら、メッセンジャーで基本となる楽曲をMP3で送る。後日、今度はクリスがベースを弾いたMP3を送ってくれるから、僕がそれをEQでいじってコンプレスして曲に足す、といった感じ。彼のベース・パートは全てネットでのやりとりで、一度もスタジオに来てないんだ。プロのミュージシャンであるピートとハリ・オムにはスタジオに来てもらった。そして、彼らの持っている能力を出来る限り絞り出したよ。たしか最後のセッションで、ピートは72曲分のギターを弾いたんだ! そこからは、素材のどこを切って、どこをどうつなげて一つの音楽にするかという僕の腕にかかっている。彼のギターにはいつも驚かされたよ。他の要素をすべてそぎ落としてギターだけにしてしまうこともあるくらいだった。「Falling Awake」と 「Levitation Nation」の最後の部分は、まさにそれだね」
―アルバムのコンセプトはなんですか? タイトルに込められた意味は?
「永遠に続くものはない。しかし失われるものも何もない。この二つの言葉がつながっているんだ。テレンス・マッケナ(編注:2012年12月23日に時間が止まるという「タイム・ウェーヴ理論」の提唱者)とウィリアム・ブレイク(編注:詩人、銅板画家であり、ロマン主義の先駆者)...。いろいろな意味で理にかなっているタイトルだと思う。このアルバムがシュポングルにとって最後のアルバムになるかもしれないということだけじゃなく、音楽が常に進化している様や、全ての物事が常に何か別のものに変化しているということも意味している。また、それは生命、死、意識、音楽などほとんど全てのことにもあてはまる。もともとあったアルバムのコンセプトは“ドリーム・ステート”(夢を見ている状態)。一つのシナリオから別のシナリオへ、つなぎ目がないまま流れるように移動していく状態のことだよ。それは全く関連のないシナリオ同士の場合もあるし、密接に関連している場合もある。いずれにしても切れ目や繋ぎ目のない、情報の干満のことだよ」
―では、今作のリリースでシュポングルが解散するという残念な噂は本当なんですか?
「まぁ言えることは“永遠に続くものはない (Nothing Lasts)”ということ。“これでもう終わり!”と言ってしまうほど僕は愚かじゃないけど、僕らは三部作ってのが気に入ってるし、何かを残したという点においては誇りに思っている。最初のアルバムを発表する以前にはシュポングルという存在自体がなかったわけで、そのころはみんな何の期待もしてなかった。だから、みんなを驚かすのも、自分たち自身を驚かせるのも簡単なことだったんだ。でも、今はみんなシュポングルがどういう音楽をやるのかというのをわかっていて、期待もしている。みんなが何を期待していいのかさっぱりわからないという方が、アーティストしてはエキサイティングなんだ」
―シュポングル以外に何か新しいプロジェクトの動きはありますか?
「たくさんあるよ。ラジャとは既に新しいアイデアについて話している。2番目の弟、ベンジ・ボーガンのアルバムも、もうすぐできる。イート・スタティック、マーヴのアルバムはこっちでは『Metal Sharon』というタイトルになるんだけど、ほぼ終わるところ。ほかにもまだいくつかサプライズがあるよ!」
―あなたはシュポングルとしてだけでなく、ハルシノジェンとしても世界中でプレイしていますが、特にパーティーがアツいと思うのはどこですか?
「丁度ブラジルから戻ったばかりなんだけど、リオで1万人の前でプレイした。それは素晴らしかったよ。でも僕のお気に入りのオーディエンスは、やはり日本のお客さんだね! 日本のファンを前にプレイするのは凄く好きだ」
―また、あなたはTWISTED RECORDSの主宰でもあります。先日発表された『Unusual Suspects 2』に収録された曲の数々は、近年勢いのあるイスラエル勢がつくるようなフルオン・サウンドとは対極に位置する、よりジワジワと、深く、オーディエンスをゆっくりと操っていくサウンド展開が印象的でした。そんな『Unusual Suspects 2』は、今後のレーベル、そしてあなた自身の方向性を物語っていると思っているのですが、いかがですか? 昨今の サイケデリック・トランスでアゲアゲ系のものがメインになってきたことをどう思いますか?
「TWISTEDでは、ユニークでおもしろい音楽をリリースしているつもりだ。その中にアゲアゲなものもたまにあるけど、僕自身には最近の激しいトラックはどれも同じに聴こえる。トランスがどのようにつくられているのかを知っているアーティストとしては、僕らが何年も使ってきたプラグインやシンセ、エフェクトを使って、同じビートと同じテンポでつくられた曲を聴くのは退屈なことだ。現在のトランスは危険なくらいに型ができてしまっている。しかし、だからこそオーディエンスにとっては理解しやすく、入りやすい音楽だとも言える。でも僕は挑戦が好きなんだ!」


interview & text SOICHIRO NAITO
translation ERIKO HASE


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NOTHING LASTS

(JAN) / SOLSTICE MUSIC / SOLMC-053

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