SUNSHINE JONES

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SUNSHINE JONES インタビュー137号

 昨年末に惜しくも解散してしまったウエスト・コースト・ハウス・シーンのライブ・バンド、ダブトライブ・サウンドシステム。サンシャイン&ムーンビーム・ジョーンズ夫妻を中心とする彼らは、自身のレーベルImperial DUB Recordingsを拠点に、'90年代初頭から精力的な音楽活動を展開していた。アーティスト名通りのトライバルかつダビーなトラックは、レイヴァーからハウス・ファンまで幅広い層に支持されている。
 そんなダブトライブ・サウンドシステムの中心メンバーだったサンシャイン・ジョーンズが、NITE GROOVESから初のソロ・アルバム『Seven Tracks In Seven Days』をリリースする。本作は、従来の彼が行ってきた制作スタイルとは全く異なる方法でつくられた意欲作だ。彼がハウス・ミュージックに傾倒するきっかけとなった'80年代初期のサウンドにも通じる、シンプルかつヒプノティックなグルーヴが楽しめる。  本作を制作するに至った想いについて、サンシャイン・ジョーンズに話を聞いた。


―16年間活動を続け、成功を収めていたダブトライブ・サウンドシステムを、なぜ解散したのですか? 「息子が生まれて、今まで通りの活動、つまりツアー、レコーディング、パフォーミングを続けるのが難しくなってしまったんだ。パートナーのムーンビームは息子と一緒に家にいたがってたし、僕も息子にできる限りのことをしてあげたいと思った。その点では、彼女の判断に敬意を表したいと思ったし、僕も同じ気持ちだった。そこで、彼女がいないと、もうダブトライブ・サウンドシステムと呼ぶことはできないと思ったんだ。他のシンガーのオーディションもしたんだけど、ムーンビームの才能や情熱に叶う人は誰も見つけられなかった」
―ダブトライブ・サウンドシステムの解散ツアー中に、ソロ活動をしていくと決めたそうですね。
「本当はソロ・アーティストはおろか、DJにさえなりたいと思ったことはないんだ...。1990年にダブトライブ・サウンドシステムを始めたとき、それはサウンドシステムとライヴ・バンドの集合体だった。ミュージシャンとして、友達として、そしてアーティストとして、僕らの位置を確かめ合う対話のようなものだったんだ。ユニティ、自省、匿名性といった、ハウス・ミュージックのルーツにあった要素に引かれていたのさ。それらは今でも僕の価値観で大切な位置を占めているし、僕をダンス・ミュージックへと駆り立てるんだ」
―ハウスへの想いが、あなたを行動させたんですね。
「何年かプロデュースから離れていた時は、トレンドが現れては消えていたから、“ハウスなんて終わっていて、誰も気にしやしない。今までの自分の人生を無駄にした”、なんて気分で、怒りさえ感じていたよ。でも、僕は人生を無駄になんてしていなかった。なぜなら、ハウスは20世紀後半に誕生した音楽で最も重要なものだから。僕らは、世界を変えることになったエレクトロニック・カルチャーの革命を経験して、エンジョイしたんだ。ダブトライブ・サウンドシステムはハウスの重要な一部であったし、北米の人々にそれを知らせることができたと思う。こんな気持ちがきっかけとなって、自分自身へのチャレンジとして、七日間で7トラックをプロデュースする試みを行ったんだ」
―それでできたのがソロ・アルバム『Seven Tracks In Seven Days』ですね。トライバルな要素もありますが、全体にミニマリスティックでエレクトロニックだと思いました。音楽的なコンセプトやテーマは、どのようなものだったのか教えてください。
「まず考えたことは“時間”だった。僕は細かすぎるミックス作業で知られていて、一つのトラックに一年以上も費やすことがある。「Do It Now」なんて、それでも終わった気がしなかった。自分自身の耳で完全かつタイムレスに聴こえない限り、終わりにすることができないんだ。でも、完全なものなんてないし、永遠に続くものもないから、もっと早く、かつ注意深く、そして作品自体から離れた視点で考える試練が必要だと思ったんだ。それで、一日一曲をゴールにしたのさ。朝の11時にLogic Proを使いはじめて、ずっと作業をする。夕方に息子と少し一緒の時間を過ごして、その後は夜明けまで作業をする。そして翌日、朝起きてから曲を聴き直して、ミックスして、それをメッセージ・ボードにアップロードして、みんなの意見を聞く。その繰り返しだったね」
―なるほど。正に一日一曲ですね。
「次に考えたのは“制限”ということだね。僕のスタジオには必要な機材が全て揃っているんだけど、この素晴らしいセレクションは、自分自身のアーティスト性を見失う理由にもなるんだ。何でも使えるから、“なぜそれが必要なのか?”ということを自分に問いかけてしまうんだよ。僕は元々哲学的になりやすいタイプだから、実際にプレイする時間よりも、考え込む時間の方が多くなってしまう。だから今回は、機材は五つまでということにしたんだ。Roland TR-909、Roland SH-101、Roland Juno 60、そしてマイク。パーカッションは全部僕がやって、1トラック以外の全ヴォーカルも僕がやった。まあ、ちょっとサンプラーを使ったり、ボコーダーを使ったりとズルはしているけど、ベーシックなトラックに関しては制限を守ったよ。こうやって機材を削ぎ落として骨組みだけにしてみたら、ハウス・ミュージックにおいて自分が一番好きな部分を再発見することができた。全てが終わったときは本当に嬉しかったし、終わったという事実が信じられなかったほどだ。ダブトライブ・サウンドシステムのアルバムとは全く違うプロセスでできたからね」
―そもそも、あなたがダンス・ミュージックに興味を持ったきっかけは何だったのですか?
「一番初めの音楽体験はソウルとディスコだった。そしてティーンの頃に、パンクとDIY精神に興味を持つようになった。'70年代後半のアメリカにあった、表現の自由や開放感にとても引かれたんだ。でも、パンクはすぐにそれ自身のパロディと化してしまったから、ディスコやヒップホップ、エレクトロなんかに興味を持つようになった。フィンガーズ・インクを聴いたときは、“何かとても重要な事が今起こっている”という気持ちになったね。それが何なのか、その時は分からなかったけど。でも、1988年にサンフランシスコのThe Studで「Bring Down The Walls」を聴きながら、みんなが涙を流して一緒に歌っているのを見て、ハウスの重要性を確信したんだ。僕自身も涙ぐんでしまったし、その場では、みんなが一つになっていた。自分の気持ちに自信がついたし、みんなとつながっていて、愛されている気持ちになった。それまではそんな気持ちになったことなんてなかったと思う。その場所で全てが永遠に変わってしまったんだ」 ―素晴らしい体験ですね。
「ハウス・ミュージックを愛しているんだ。ハウス・ミュージックを信じているし、ハウス・ファンのことも愛している。友達や家族を、ビーチや小さなクラブに集めて、そこでエモーションを解放させることが何よりも好きなんだ」


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SUNSHINE JONES
(FORMERLY DUBTRIBE SOUNDSYSTEM)
Seven Tracks In Seven Days
(JPN) del-fi sound / MDMA-002

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