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SWITCHES インタビュー151号

 スウィッチズは、4歳でロックに目覚めた生粋のロックンロール・フリーク、マット・ビショップ(Vo, Gu)を中心に結成された、四人組ロック・バンドだ。ロンドンをベースに活動する彼らは、昨年4月にEP『Message From Yuz EP』でメジャー・デビュー。フランツ・フェルディナンドにも通じる、親しみやすいサウンドが噂を呼び、ハード・ファイやザ・レイクスらのサポート・アクトに抜擢された、2007年期待の注目株だ。
 そんな彼らが、デビュー・アルバム『ハート・チューンド・トゥ・D.E.A.D.』をリリースする。ブリット・ポップ、グラム・ロック、パワー・ポップといった彼らの影響源を咀嚼した本作は、ロックのノスタルジーを更新する意欲作。ここからシングル・カットされた「Lay Down The Law」は、英NME誌のシングル・オブ・ザ・ウィークにも輝いている。
 ここでは、プロモーション来日中のマットを直撃。スウィッチズの音楽観に迫ってみた。


――デビュー作のリリース、おめでとうございます。まずは、あなたたちの影響源を教えてください。
「僕個人はT.レックスやデヴィッド・ボウイが昔から好きなんだけど、バンド・メンバーが共通して好きなバンドはウィーザーとブラーだね。特にブラーは、僕らが音楽に対してシリアスな気持ちで接するようになった時期に聴いていたバンドで、青春時代のサウンドトラックみたいなものなんだ。あと、僕がスウィッチズとして重要視している要素の一つはヴォーカル・ハーモニーで、もっとも美しい楽器はヴォーカルだと思っているくらいなんだ。そこはザ・ビーチ・ボーイズやクイーンからの影響が強いね」
――あなたは、特にブラー、(デヴィッド・)ボウイ、(T.レックスのマーク・)ボランの“3B”がフェイバリットと聞いたのですが、比重が大きいのはどの“B”ですか?
「うーん、ビーチ・ボーイズ(笑)」
――たしかに“B”ですね...(笑)。
「冗談だよ(笑)。その三組からは強く影響を受けているけど、比重が大きいのはブラーかな。ボウイやボランのピークは、大体40年も前だろ? だから、音楽面では直接的に影響していないのかもしれない」
――グラム・ロックは、どちらかというとあなたの思想やファッション面に影響を与えているのでしょうか? いまあなたが着ている赤いパンツやストールにも表れている気がします(笑)。
「そうだね...、たしかにファッション的に影響されている面はあるかもね。このシルバーのストールは、ピカピカしたものが好きだから愛用しているよ。グラム・ファッションは、男性らしさを失わず、自分の中にある女性的な面もアピールできるから好きなんだ」
――あなたたちの楽曲では、ポップなメロディーが際立っていますが、意識的に“キャッチーなトラックをつくろう”と作曲をしているのでしょうか?
「もちろん意識をしている曲もあるよ。ただ、ほとんどの曲は僕が好きな音楽、ブリット・ポップやパワー・ポップの要素が自然と表れているだけなんじゃないかな」
――あなたたちは過去のバンドを素直にリスペクトして、自分たちのサウンドに昇華しているのですね。
「うん。僕らは今まで聴いてきた音楽が好きだとハッキリ公言するし、それが恥ずかしいとも思わない。音楽はアートだけど、レッスンを受けて色々なことを学んで、素晴らしい音楽が生まれると思っているから、過去のものはリスペクトして吸収していかないとね」
――なるほど。リード・シングルの「Lay Down The Law」は、フランツの「Do You Want To」に通じるポップかつダンサブルなトラックですね。
「うんうん(笑)。たしかにギター・ラインがフランツしているし、ビートも似ているかもしれないな。実は自分たちもこの曲が完成したときそのことに気づいて、ギター・ラインを変更したんだ。そしたらあまりよくなくなっちゃったから、元に戻したんだよね(笑)。この曲を書いた当時、イギリスでは「Do You Want To」が大ブレイクしていて、カフェに行ってもクラブに行っても彼らの曲が流れていたから、その影響もあるのかもしれない。でも僕は、「Lay Down The Law」のほうが、よりヴォーカル・ハーモニーに凝っているし、もっとロックしていると思うよ」
――フランツは“女の子を踊らせる音楽をつくりたい”というコンセプトを持った確信犯でしたが、あなたたちもですか?
「ハハハ(笑)。女の子を踊らせたいっていうコンセプトは素晴らしい目標だと思うし、極論を言ってしまえば、すべてのバンドが同じことを求めていると思うんだ。でも僕らのゴールはそこじゃない。僕らのゴールは、みんなをハッピーにすること。もちろん、結果的に女の子が踊ってくれれば嬉しいんだけどね(苦笑)。このアルバムを、クラブで踊りながら聴いてくれてもいいけど、家でヘッドホンをしながらじっくり聴いてくれてもいい。最終的にみんながハッピーになってくれれば、僕らは満足だよ」
――スウィッチズのサウンドは、ザ・ビューやザ・フラテリス、アークティックモンキーズといったUKのトレンド的なサウンドとは一線を画した、個性的なものだと思います。そういったトレンドに対する反発心みたいな気持ちはあるのでしょうか?
「彼らの音楽を聴きながらアルバムをつくったワケじゃないし、彼らと違ったサウンドをやりたいという気持ちはまったくないね。僕たちの音が今のバンドとちょっと違うのは、やっぱり僕たちが様々な過去のバンドを聴いて、学んできたものがあるからだと思う。このあいだ、ザ・ビューのインタビューを読んだら、“T.レックスのベスト盤を初めて聴いたんだけど、最高だね!”と言っていたんだ。つまり、いま君が挙げたようなバンドは、あまり多くの音楽を聴いたことがないんじゃないかな? だから一面的なサウンドになってしまうんだろうな。もちろん彼らのことは詳しく知らないから、まったくトンチンカンな答えかもしれないけどね」
――わかりました。では最後に、バンドとしての将来的な目標を教えてください。
「自分たちが面白いと思える音楽をつくり続けていきたいし、あらゆるスタイルのロックをマスターしたい。イギリスのバンドは多いから難しいかもしれないけど、将来的には現代でナンバーワンのブリティッシュ・バンドになりたいね」

interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation SAM KATSUTA


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Heart Tuned To D.E.A.D.

(JPN) WARNER / WPCR-12648


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