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TALAMASCA インタビュー149号

 タラマスカことDJセドリックは、“仏PSYトランス・シーンの帝王”と称される重鎮だ。ここ日本での人気も高く、昨年だけで18箇所の来日公演を実現させている。velfarreのPSYトランス・レギュラー・パーティー内では、を4度開催し、幅広いファン層を獲得している。  これまでの主なリリースには、4枚のフル・アルバムと3枚のコンピレーションがある。「Aries 」、「Action!!!」などフロア・アンセムも数多い。
そんな彼が、このたび3年ぶりとなるニュー・アルバム『Obsessive Dream』を完成させた。新曲9トラック入りのCD1に、8曲のリミックス・ワークを収めたCD2を同梱した、昨年迎えたデビュー10周年を記念する豪華盤だ。  今年3月に来日していたタラマスカに、10年分の想いを込めた今作について、対面で話を聞いた。


——デビュー10周年おめでとうございます! 「ありがとう! タラマスカとしては10年だけど、実は'92年からDJをやっているんだ」
——その頃は何をかけていたのですか?
「当時17歳だった僕は、ハイスピードなトランスコアなどのDJをやっていたね。'94年頃からはハード・テクノに傾倒し始めたんだけど、'95年にロンドンで衝撃的な2枚のレコード、マン・ウィズ・ノー・ネイムとジュノ・リアクターのアナログに出会ったんだ。すごく美しいメロディアスな曲に感動したのを、今でも鮮明に覚えているよ」
——そこでトランスに開眼したんですね。
「うん、そうなんだけど...。僕はトランスという言葉が嫌いなんだ。かつてはインドっぽい要素を取り入れたゴア・トランスというジャンルがあって、まあ、その呼び名はアリかなと思っていたんだけど、今の音にトランスという言葉はフィットしないと感じているよ」
——それはなぜ?
「トランスという言葉には、“催眠術をかける、陶酔、恍惚とさせる”という意味合いがあると思うんだけど、僕は音楽で催眠術をかけようとは思っていないんだ。むしろ逆で、みんなが思わず叫んでしまうような、エキサイティングな状態に持っていくための音楽をプレイしている。だから意味合いが違うんじゃないかと思うんだ。それと、特にヨーロッパではメディアがトランスとドラッグ・カルチャーをつなげがちだから、トランスに良いイメージがない。僕はドラッグとつながることに対して反対の姿勢を示しているから、トランスという言葉は使いたくないんだよ」
——なるほど。はっきりした理由があるんですね。ところで、もともとはフランスの名門PSYトランス・レーベル、3D VISIONをベースに活動していましたが、'04年に自身のレーベル、MIND CONTROLを立ち上げましたね。ここにはどんな決意があったんですか?
「3D VISIONが設立された'98年頃は、彼らがメロディアスなフルオンをレーベルの持ち味としていたことに共感していたんだ。でも、今ではレーベルの方向性が、ただハードなフルオンに変わってしまった。そんな音楽性の違いから、話が食い違うことも多くなったんで、自分のレーベルを立ち上げたんだ」
——タラマスカは、メロディアスさを大切にしているんですね。
「自分らしいサウンドを意識して曲を書く時もあるし、逆にタラマスカっぽくない曲をあえてつくる時もあるんだけど、不思議とリスナーは僕の曲だと気づいてくれるんだよね。メロディーがキー・ポイントになっているから分かるんだろう。好きな世界観の曲が、世界中のオーディエンスに認めてもらえるのは、すごく幸せなことだと思う。タラマスカを始めた当初はダークな曲もつくっていたけど、今は幸せな気分に満ちているから、暗い曲はつくれないな」
——今作『Obsessive Dream』にも、シンセの旋律が美しい、メロディアスな楽曲が多いですね。どんなアルバムを目指したんですか?
「今作には、わざとフルオンじゃない音楽をいくつか収録しているんだ。僕は現在32歳。二度と20代には戻れない。そんな想いもあって、今まではフルオンでやってきたけど、わざと力を落として、成熟したサウンドを目指したんだ。若さとは違う、深みを出せたんじゃないかと思っているよ」
——アルバム・タイトルの『Obsessive Dream』には、どんな意味があるんですか?
「僕には、まだまだやりたい音楽がたくさんある。成功した今でも夢中になれることがあるのは幸せなことだ。だから“取りつかれた夢”というアルバム・タイトルにしたんだ。タイトル・ソングの「Obsessive Dream」は、1年以上取りつかれていた、ジャン・ミシェル・ジャールがつくるような美しいメロディーから生まれたものなんだ。ジャン・ミシェル・ジャールは大御所のシンセサイザー奏者で、電子音楽の父と呼ばれている偉大なミュージシャン。彼から見たら、僕なんてまだまだベイビーだろうね(笑)」
——今作には、スカジー、GMS、スペースキャット、エスキモーらとコラボレーションしたリミックス曲も収めましたね。なかでも印象深いコラボレーションは、どれでしたか?
「スペースキャット、スカジー、エクササイとのコラボレーションは印象的だったね。スペースキャットは好きなアーティストだから、コラボレーションは楽しかった。スカジーは昔からの良い友達で、彼のハードでノイジーな音楽性と、僕のメロディアスなスタイルは真逆に位置するから、コラボレーションではコントラストが上手く出て面白かった。エクササイはMIND CONTROLに所属する才能ある新人で、数ヶ月前にデビュー・アルバムを出したばかりなんだ。今後大ブレイク間違いナシだよ!」
——スカジーは、レーベルのパートナーでもありますね。
「そうそう。みんなは知らないと思うんだけど、MIND CONTROLはCHEMICAL CREWと一緒に立ち上げたレーベルなんだ。設立当初、スカジーはSHAFFEL RECORDSに所属していたんだけど、ちょうど彼もレーベルを出るところだったんだ。お互い状況が似ていたから手を組んだのさ」
—2枚のCDを通して、もっとも思い入れのある曲はどれですか?
「フランスには“変化を望まないのは愚か者”という意味のことわざがあるから、今作では新しいことに挑戦したんだ。それがCD1の最後を飾る「Party Generation」だよ。この曲は、サイケやゴアっぽさをなくして、ヘヴィ・メタル・テイストのギターを取り入れた、クラビーなサウンドになっている。初めての歌詞入り曲で、歌っているのは実は僕。シャウトしていると言ったほうが語弊はないかな(笑)。スカジーに“歌ってみれば?”と言われて、僕は無理だと答えたんだけど、“そんなの知ったこっちゃねぇよ!”と返されてね(笑)。それで、歌う気になったんだ。僕の他にも、エクササイ、僕の妹、息子がボーカルで参加している。いろんな国の言葉で“ありがとう”と歌っているんだ。僕が10年間活動してこれたのは、リスナーみんなのおかげだから、感謝の意を曲に込めたんだよ」
——最後にリスナーへメッセージをお願いします。
「初来日以来、ずっと僕を支持し続けてくれて、どうもありがとう。僕がこれまで活動を続けてこれたのは、日本からのサポートによるところが大きいんだ。だから、“ファンのみんな、本当にありがとう”と、声を大にして言いたい」


PARTY REPORT SCREAM Wednesday, 21st March @ atom, Tokyo  新作では“成熟したサウンドを目指した”とインタビューで答えたタラマスカ。この日も、クラシカルなテイストのDJセットでフロアを彩りました。ドライヴ感満点のグルーヴィーなベースに絡む、どこか切ない泣きのメロディーが印象的でしたね。貫禄たっぷりなパフォーマンスに、クラウドは終始魅了されていたことでしょう。
「平日にも関わらず、多くの人が集まってくれて嬉しかった。去年velfarreでやっていたパーティーとは、また違う魅力を感じたよ。オーディエンスとのつながりを感じる、フレンドリーなグッド・パーティーだった!」(TALAMASCA)


interview & text SOICHIRO NAITO
translation KEIKO YUYAMA


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Obsessive Dream

(JPN) FARM / MIND CONTROL / FARM-0077


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