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THE CRIBS インタビュー150号

 双子の兄弟と、その弟からなる、イギリスはウェイクフィールド出身のインディー・ロック・バンド、ザ・クリブス。パンクな佇まいとは裏腹の、誰もが口ずさめるポップ・センスを持つ彼らは、ジ・オーディナリー・ボーイズを始めとする大物バンド達が賛辞を送る、アーティスト受け抜群のアーティスト。’05年に発表した二作目『ザ・ニュー・フェラス』では、シングル・カットした三曲すべてをUKチャートのトップ40に送り込み、UK新世代バンドの代表格へと成長している。
 そんな彼らが、三枚目となるアルバム、『メンズ・ニーズ、ウィメンズ・ニーズ、ホワットエヴァー』をリリースした。プロデューサーは、なんとフランツ・フェルディナンドのフロントマン、アレックス・カプラノス。踊って、手拍子打って、大合唱が似合うザ・クリブス節ロウファイ・ロックンロールは、この作品でよりシャープに進化している。
 ここではベーシスト兼ヴォーカリストのゲイリー・ジャーマンを電話でキャッチ。ザ・クリブスの新作に迫ってみた。


――前作『ザ・ニュー・フェラス』リリース後、約二年間にわたるライヴ・ツアー生活で、メンバーは不安発作を起こす状況になってしまったそうですが…。
「不安発作というのは大げさだな。単純にストレス過多で、疲れ切ってしまったのさ。あまりに長い間、休みなくツアーをやり過ぎてしまったんだ。僕らには休みが必要だったのさ」
――深刻ではないんですね。心配しました(笑)。このたびリリースされる三作目のタイトルを、『メンズ・ニーズ、ウィメンズ・ニーズ、ホワットエヴァー』とした理由は何ですか?
「歌詞とか、いろいろな意味でアルバムのテーマにハマっている気がしたからだよ」
――つまりアルバムでは、“男たちのニーズ、女たちのニーズ、それから何でもいろいろ”について歌っているのですか(笑)?
「うん、そうだね。俺たちは全員男だけど…、俺たちの音楽は男だけのものじゃないっていうか…、そんな内容のアルバムなんだ(笑)」
――今作では、フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノスをプロデューサーに起用していますね。アルバム制作において、彼はどんなアドバイスをくれましたか?
「前の二枚、特に前作はツアー真っ只中に、休みも時間もなくレコーディングしたから、相当ローファイなアルバムになったんだけど、彼は“手早くアルバムをつくらずに、もっと時間をかけて、試行錯誤しながらレコーディングした方がいい”って言ってくれた。でも僕らは最初、試行錯誤することで練り上げられた“スタジオ・アルバム”はつくりたくなかったんだよね」
――ということは、アレックスのアドバイスにピンとこなかったんですね。
「そういうアプローチは初めてだったからね。でも今回は三枚目のレコードだったし、新しいレコーディング方法にチャレンジしてみたいという気持ちも、バンドとしてはあったんだ。それで、一緒にUSツアーを回ってお互いのライヴを何度も見ていたアレックスなら信頼できると思って、提案に乗ってみたのさ。基本的に彼とは気が合うから、作業はスムーズだったよ」
――具体的には、どんなレコーディング方法をとったのですか?
「前作までは、ほとんどの曲がライヴ・レコーディングだった。俺たちは、それがライヴのエネルギーをレコードに反映させる、ベストな方法だと信じていたからね。でも今回は、初めて一つ一つのパートを別々にレコーディングしてみたんだ。俺たちにとって初めての試みだったから、新鮮で面白かったよ」
――そのレコーディング過程が、サウンド面の進化をもたらしたんですね。
「その通りだね。個別レコーディングをしたことで、ライヴのエネルギーが損なわれることを恐れていたけど、結果として、よりストロングなノイズを際立たせたパンク・ロックがプレイできたと思う」
――「Be Safe」では、ソニック・ユースのギタリスト、リー・ラナルドをゲスト・ヴォーカルに迎えていますね。彼が参加することになった経緯を教えてください。
「彼と最初に出会ったのは…そう、フジロック06のバック・ステージでだった。それ以来、いろいろと連絡を取りあうようになったんだ。実はアレックスとの話が出る前は、リーにプロデュースを頼もうと思っていたんだ。でも、様々な問題で難しくなってしまった…。でも、彼の声は好きだから、何か一緒にできることはないかと思って、「Be Safe」のラフをリーに送ってみたんだ。彼はそれを気に入ってくれて、参加してくれることになったのさ」
――ところで、今のUKロック・シーンを見ると、ザ・リバティーンズやアークティック・モンキーズ・フォロワーのようなバンドは多いですが、あなたたちの音楽性に似たバンドは現れていないですよね。
「うん、それは良いことだね。イギリスのバンドが、みんなコピー・バンドのように聴こえるのは、俺たちとしてもイラつく状況なんだ。そんなシーンに巻き込まれないのは良いことさ」
――では、逆にあなたたち自身が、共感を覚えるバンドはいますか?
「そういったコピー・バンドが出てくる前に始めたバンドは良いと思うよ。例えば、うーん…、良いバンドはたくさんいると思うけど…(しばし考える)。アークティック・モンキーズは良いんじゃないの?」
――疑問系ですか(笑)?
「まあ、彼らは自分たちの音楽でスタートしているってことさ。オリジネーターは尊重すべきだと思う…多分ね(笑)」
――あなたたちもオリジネーターの一人だと思いますが、ザ・クリブスがオリジネーターであり続けるために、重要なことは何だと思いますか?
「トレンドや周りを気にしながらプレイするのではなく、魂を込めて、“生きていること”を掲げてプレイすることだね」
――素晴らしいアティテュードですね。最後に、読者へメッセージをお願いします。
「10月に日本で会おう!」
――え、来日決定ですか?
「ああ。楽しみに待っていてよ!」


interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation NANAMI NAKATANI


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THE CRIBS
Men’s Needs, Women’s Needs, Whatever

(JPN) WARNER / WPCR-12639


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