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THE NATIONAL インタビュー154号

USインディー・シーンの隆盛を謳歌する、オーケストラル・ロック・バンド


 イアン・カーティス節のヴォーカルとメランコリックなメロディー、鋭角的なビートが特徴的な、NYの四人組、ザ・ナショナル。前作の『アリゲーター』('05)が、米メディア / ブロガーから大絶賛されてブレイクを果たした、期待の星だ。まずは、彼らが活躍するUSインディー・シーンの現在について、中心人物のマット・バーニンガーに聞いてみた。


「今のシーンは非常に健康的な状態にあると思う。レーベルの台所事情は、どうかわからないけどね(笑)、アーティストはやりたいことを、自由に世界へ発信できる状態に初めてなっている。だってアーケード・ファイアやスプーンが、ビルボードのトップ10に入る時代なんだよ。インディー・ロック自体が、より広いフィールドに向けた音楽になっているってことさ」

そんな中、彼らが約二年ぶりとなる新作、『ボクサー』をリリースした。ポリティカルな意味にもとれる歌詞が登場する本作だが、彼は「政治的な意味はない」と言う。では、どんなメッセージが込められているのだろう?

「“人は壁にぶつかると、葛藤したり、若さが持つ繊細さにしがみつこうとするけど、結局は成長していかなきゃいけない”ってことを歌っている。タイトルを『ボクサー』にしたのも、そのテーマが、メタファーとしてボクシングのイメージと重なったからなんだ」

続いて、サウンド面についてはこう語る。

「無意識に全員が考えたのは、ホーンやストリングス、僕の歌声、一つ一つの音が意味を持つような作品にすることだった。結果的に、攻撃性は控えめで、より実験的かつ穏やかなサウンドになったよ」

たしかにフリー・フォークの雄、スフィアン・スティーヴンスがピアノで参加していることも話題の本作は、オーケストラルなロウ・サウンドが印象的。そこに、ポスト・パンキッシュなビートも共存する、新鮮なサウンドに仕上がっている。
今作は、Pitchforkをはじめとした米メディアだけでなく、NMEなどの英主要メディアからも高評価を獲得中。そんな快進撃を続ける彼らに、今後の目標を聞いてみた。

「僕らの目標は始めた頃から変わらない。好きな曲を書き続けて、自分たちが誇りに思えるレコードをつくり続けること。いつだってシンプルなのさ。でも同時に、このアルバムをより多くの人に聴いてもらえたら嬉しいよ。今、そういう状況に届きつつあって、すごくハッピーなんだ」


interview & text TAKAHIRO KAWAMURA
translation NANAMI NAKATANI


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Boxer

(JPN) WARNER / WPCB-10035

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