THE PLAN
THE PLAN インタビュー147号
UNDERGROUND RESISTANCE、ELECTROFUNK、LOS HERMANOS、TRANSMAT、METROPLEXといったレーベルを統括する、デトロイト屈指のディストリビューター、SUBMERGE。数々の有能なアーティストを輩出し、デトロイト・テクノ、エレクトロニック・ミュージックの発展に大きく貢献してきた、シーンに欠かせない組織だ。
ここに御紹介する『Follow The Leader 2』は、そのSUBMERGEが注目するアーティストを収録した、ショーケース・コンピレーション・シリーズの第二弾。SUBMERGEを取り仕切るミスター・デーや、URが最も期待をよせるDJスカージの作品を筆頭に、傘下の様々なレーベルから有望アーティストの新曲、未発表曲を集めている。なかでもとりわけ目立っているのは、マッド・マイクやリッチー・ホウティンも高く評価しているという、ザ・プランの楽曲だ。メンバーのクリフ・トーマスとジョン・マックニッシュがソート・クリミナル名義で提供した作品も含めると、本作には彼らのトラックがなんと4曲も収録されている。
というわけで、今回はザ・プランの二人にスポットを当ててみることにした。彼らの音楽観やデトロイト観からは、現在進行形のデトロイト・ヴァイブスが伝わってくるに違いない。
—二人で音楽を制作することになった経緯を教えてください。
ジョン(以下J)「俺達は、2001年頃に知り合ったクラビング仲間なんだ。で、ある時、お互い革新的な音楽が好きだということが分かって、一緒に音楽制作するようになったのさ。俺は高校生だった16歳の頃から、PCを駆使して楽曲プロデュースをしていたんだけど、クリフがデトロイト・テクノを教えてくれたから、本格的な音楽活動に入ることができたよ」
クリフ(以下C)「俺は、もともとインダストリアル系ロック・バンドでギターを弾いていたんだ。でも、バンドという形態にフラストレーションを感じるようになったから、数年間ロックから離れていたのさ。そんな時、ジョンと共通の友人宅で、初めて音楽制作用の機材を見て、衝撃を受けたんだ。それがTHE PLAN結成のきっかけだったね」
—デトロイト・テクノに興味を持つようになったきっかけは何だったのですか?
C「俺は、デトロイトから北に40マイルほど北上した、人口400人程の小さな村で生まれ育ったんだ。ジェフ・ミルズのDJミックス・ショーをラジオで愛聴していたよ。それがテクノとの出合いだったな。初めて聴いたテクノ・ナンバーは、ケヴィン・サンダーソンが参加していたプロジェクト、リースの「You're Mine」だ」
J「俺は8マイルの境界線にある、郊外のファーンデールで生まれ育ったんだ(編注:8マイルとは、デトロイトにある、都市と郊外を隔てる境界線になっている道のこと。富裕層と貧困層、白人と黒人を分けるラインとして知られている)。初めて聴いたエレクトロニック・ミュージックは、『ビバリーヒルズ・コップ』のサントラだった(笑)。テクノに興味を持つようになったのは、アラン・D・オールダムがDJ T-1000名義でホストを務めていたデトロイトのラジオ番組に影響されたからだ」
—あなたたちが最も影響を受けたアーティストは誰になりますか?
C「デトロイトのあらゆるエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えた、アンダーグラウンド・レジスタンスは外せないね。それからSUBMERGEのミスター・デー。SUBMERGEから発売される作品のサウンドに間違いはないから、俺達もこのレーベルから作品を発売したいと思っていたんだ。ヨーロッパのエレクトロニック・シーンに左右されない、独自のサウンドを大切にしている点が気に入っているよ。彼らは、DJではなくプロデュースをメインに活動しているから、音楽に対する意気込みがハンパなくスゴいんだ」
J「SUBMERGEのサウンドには、リスナーの心を鷲掴みにするようなソウルネスがあると思う」
—ユニット名をザ・プランとしたのは、どんな気持ちからですか?
J「俺は音楽活動の他にグラフィック・デザインの仕事もしているんだけど、そこで手がけたヴィジュアル・アートがインスピレーション源だね。 精神的、肉体的に“現実逃避”できる音を目指して、このユニット名にしたんだ」
C「このプロジェクトでは、ポジティヴなメッセージを持った、高揚感のある、心地良い音づくりを心がけているよ」
—今回のコンピには、ソート・クリミナル名義のトラックも入っていますが、ザ・プランとの違いは何ですか?
J「ソート・クリミナルの音楽は、ザ・プランよりもエレクトロ寄りだね。デトロイト・テクノとはかけ離れていると思う」
C「あと、(“思想犯”という意味の)ソート・クリミナル名義では、戦闘的かつ反体制的な観点から音楽を捉えているよ。社会の不正について、厳しく問題提起しているんだ」
J「ソート・クリミナルでは、マーティン・ルーサー・キングのような、偉大な指導者達の精神を大切にしているんだ。彼らは革新的な行動を起こしたから、“思想犯”と呼ばれたけれど、こういった指導者達が歴史を塗り替えなければ、今日という日は存在しなかったのさ」
—あなた達にとって、デトロイトとはどのような街なのですか?
C「この街の雰囲気は、他の国や都市とは違って独特なんだ。常に上を目指す競争心がある。だからこそホワン・アトキンスはデトロイト・テクノを創ったんだ。彼は、この土地で誕生したジャズやモータウン・サウンドを越える音楽を目指したんだよ。そして、俺達はそのホワン・アトキンスを超える名作をつくるべく、日々努力を重ねている。デトロイトのアーティスト達は、趣味の延長じゃなくて、まるで僧侶のような姿勢で音楽に取り組んでいるのさ」
J「俺にとっては、世界一の街だね。他人には厳しい街だけど(苦笑)。街の空気感は、シアトルやイギリスのマンチェスターに近いと思うなぁ」
C「デトロイトのヤツらって、考え方が恐ろしく自由で素直なんだ。オブラートに包んで話すことを知らないから、よく“礼儀を知らない失礼なヤツらだ”って勘違いされる(笑)。この街にはお世辞や賛辞がないんだよ。だからこそ、デトロイトの音楽は進化し続けているんだ。もしハッピーな街だったら、こういう音楽シーンは形成されなかっただろうね」
—今後の目標と活動予定を教えてください。
J「35曲収録のミックスCD『D. PART VOL. 1 (INNERSPACE)』を、もうじきリリースするよ」
C「detroitdigitalvinyl.comで既に先行発売中だね。あとは、デトロイト出身のアーティスト、アーロン・カールとベンジ・ヘイズの作品をリミックスする予定。目標は、音楽制作を一生続けていくことさ」
J「あと、日本にライブで行くことかな。連絡を待ってるよ!(笑)」
interview & text FUMINORI TANIUE
translation KEIKO YUYAMA
HMVで購入↓
VARIOUS ARTISTS
Follow The Leader 2
(JPN) SUBMERGE / SUBJPCD-011

