TIMMY REGISFORD

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TIMMY REGISFORD インタビュー154号

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アフロセントリック・ハウスで衝撃のアルバム・デビュー!
NY・ハウス・シーンの最重要クラブ、The Shelterを主宰する大御所DJ、ティミー・レジスフォード。17〜18時間にも及ぶロング・セットでつとに知られ、フロアを徐々にビルド・アップしてく姿には、“マエストロ”という称号も与えられている。過去にモータウンの副社長を務めたほか、アトランティック、MCAなど数々のレーベルでA&R / エグゼクティヴ・プロデューサーとしても活躍してきた、音楽シーンの御意見番だ。  そんな彼が、20年を越える音楽活動で初となるオリジナル・アルバム『Africa Calling』を完成させた。ここではパブリック・イメージのガラージ・テイストではなく、アフリカン・ミュージックを前面に押し出したハウス・ミュージックを展開している。  デビュー・アルバムに込めた想いについて、プロモーション来日中のティミー・レジスフォードに対面で話を聞いた。


——『Africa Calling』は、初めてのオリジナル・アルバムですね。なぜ、今この作品を出そうと思ったんですか?
「俺はこれまで、レーベルで裏方として働いてきた。アーティストを世に送りだすのが自分の役目だった。それと並行して自分の作品を出すと、彼らと競合してしまうだろ。それに、裏方であることと、アーティストであること、両者の感覚が混同して上手くいかないとも思っていた。だが今になって、ようやく自分のアルバムを出せる時期が訪れたと思えるようになったんだ。特別なプロジェクトだし、タイミングもいいと思った」
——アルバム制作をスタートさせたきっかけは何でしたか?
「3年程前にアフリカを旅したことからヒントを得た。アフリカの音楽をダンスフロアに持ち込むことが今回の目的だ。アフリカの音楽はダンスフロアであまり聴かれていないから、みんなに知って欲しいと思ったんだ。ラテンやレゲエのように、アフリカの音楽も広く知られるべきだと思う。アフリカの音楽は、リズムの面でダンスミュージックをはじめとした多くの音楽に影響を与えている。しかし、そういった作品では、ほとんどの場合、歌は英語やR&Bテイストだ。今回のアルバムでは、歌をアフリカの言語にしたことが重要なポイントになっている」
——アフリカン・ミュージックには、儀式的な、トライバルなイメージが一般的にはありますが、今作でもそんなアフリカの伝統音楽をフィーチャーしているのでしょうか?
「アフリカの音楽全てが宗教と関係しているわけではない。一般的な音楽と同様に、政治や社会的な問題を題材にしているものがほとんどだ。今回のアルバムにも、そんな日常を題材にした歌を収録している」
——政治や社会的な問題にからんだメッセージは、ダンスミュージックにとっても必要なものだと考えていますか?
「いや、ダンスミュージックはメッセージを伝える手段ではなく、祝福の歌だと思っている。歌詞のある音楽で例えるとゴスペルに近い。今回のアルバムはアフリカの言語で歌われているから、メッセージを伝えるのは困難だし、もとからそれを目的としていない。言葉が分からなくとも、フィーリングさえ伝わればよいと考えている。ダンスミュージックで大切なのはフィーリングを感じ取ることだ」
——アフリカで得た印象は、どうアルバムに反映していますか?
「アフリカという大まかなくくりではなく、国ごとの違いを伝えるようにした。アルバムには、セネガル、マリ、コンゴ、ナイジェリアなど、様々な国からアーティスト達を集めている。だから歌っている言語は曲ごとに違う」
——それは文化的な違いを表現したという意味ですか?
「音楽的な違いという意味だ」
——アフリカン・ミュージックには、あなたが普段DJで使うガラージやハウスなどとは異なるコードやメロディーがありますよね。そういった違いで苦労した部分はありましたか?
「特に難しいことはなかったな」
——では、アフリカのアーティストたちから学んだことはありますか?
「発展も特にない。アフリカ人だろうが、日本人だろうが、やり方は変わらない」
——どんな言語でも、どんな音楽でも、問題なく取り入れられるということですね?
「そうだ」
——シェルター・ファミリーからはボイド・ジャーヴィスとフィルソニックを制作のパートナーに迎えていますね。彼らのアイデアもアルバムに反映していますか?
「全て自分のアイデアだけだ」
——何も意見を聞かなかったんですか?
「聞かなかった」
——それは絶対的な自信からですか?
「長い間やりたいと思い続け、温めてきたプロジェクトだからだ」
——なるほど。そんな今作は、ハウス・ミュージック集のCD1と、15分を越える生演奏の大作を収めたCD2の、2枚組となっていますね。それぞれに分けた理由は何ですか?
「アフリカの音楽は、全てがダンスミュージックというわけではない。アフリカの音楽文化にあるもう一つの側面も伝えたいと思ったから、2枚目に印象の異なる作品を収録したんだ」
——アルバムを聴くリスナーには、どんなことを感じてもらいたいですか?
「ダンスミュージックにはいろんなものがあって、アフリカの音楽を使っているものは、その一つであるとまずは知ってもらいたい。そして、ダンスミュージックのシンガーが歌っていなくとも、例え言語が分からなくとも、ダンスミュージックとして楽しめる音楽はあるんだと知ってもらいたい。フィーリングさえ感じ取れれば、なんら問題なく踊れるんだと知ってもらいたい」
——今回は非常にコンセプチャルなアルバムを完成させましたが、これによりソウルフルな音楽性を信条とするあなたのDJセットに、今後何かしらの変化が生まれると思いますか?
「DJは変わらない。アルバムの曲は、すでにDJセットに組み込んでいる。完成前の段階から、ロンドンやパリ、ギリシャなど、世界中で試作段階のものをかけてきた。フロアからはいつも大きな反応がある。特に変化は感じないな」
——アルバム・リリースを記念して、スペシャル・パフォーマンスを行う予定はありますか?
「日本では9月にリリース・パーティーを行う予定だ。DJだけでなく、ライヴの要素も織り込むだろう」
——ところで、前回のインタビューで“DJはリラクゼーション”だと言っていましたよね。あなたは特級のプロDJといった印象なんですが...。
「DJは、リラクゼーションであり、趣味でもある。もしDJを仕事と考え始めたら、好きではなくなってしまう」
——では、プロDJへのメッセージは何かありますか?
「ない」


interview & text SOICHIRO NAITO
translation YUKO ASANUMA


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TIMMY REGISFORD
Africa Calling

(JPN) LIFE LINE / LLCD-1017