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ZUCO 103 インタビュー129号

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 アムステルダム出身のドラマー、ステファン・クルーガーと、ジャズ・ピアノをバックボーンに持つ、ドイツ出身のステファン・シュミットという二人のトラックメイカーに、ブラジル出身のボーカル、リリアン・ヴィエイラを加えた多国籍ユニット、スーコ・ワン・オー・スリー。'99年のデビュー・アルバム『Outro Lado』で披露した、ブラジル音楽とクラブ・ミュージックとの斬新な融合は、その後のクラブ・シーンに多大な影響を与えている。
 そんなブラジリアン・ダンス・ミュージックのパイオニアである彼らが、通算5作目となるニュー・アルバム『WHAA!』をリリースした。オリジナルとしては、『Tales Of High Fever』以来3年ぶりとなる今作では、ブラジリアン・テイストを残しつつも、ゲストにダブの偉大な先駆者、リー・“スクラッチ”・ペリーを迎え、新たな試みに挑戦している。  でのライヴ出演のために来日した彼らに話を聞いた。


―面白いアルバム・タイトルですね! この『WHAA!』は、挨拶か何かですか?
(ステファン・クルーガー、以下S.C)「そんな感じだね。驚いた時の“ワァー!”でもあるし、訪ねる時の“ワッ!?(What!?)”にも似てるよね」
(ステファン・シュミット、以下S.S)「怒っている時や驚かせる時にも使う、普遍的かつ国際的な言葉だよね」 (リリアン・ヴェイラ、以下L.V)「赤ちゃんの泣き声でもあるわね(笑)」
―近年は、生音によるグルーヴを前面に出した'02年の『Tales Of High Fever』、代表曲のアンプラグド・バージョンとライヴ・トラックを収録した'04年の『One Down One Up』と、わりとオーガニックな作品のリリースが続いていましたが、今作では1stアルバム『Outro Lado』のようにプログラミングを多用していますね。これは原点回帰を意味するのでしょうか?
(S.C)「その通り。今回は新旧のコンビネーションを意識したんだ。『Outro Lado』を出した頃と同じようなフィーリングを出したかった。あのアルバムは実験的で他に類を見ないものだったろ? 当時の自由な発想と、これまでに得た経験を合わせたものが今作なんだ」
―トラックはどのようにつくっているんですか?
(S.C)「僕達3人は同じ音楽学校を卒業した技術者でもあるんだ。だからスタジオ作業でも、ラップトップでの制作でも、僕らが欲しいと思った音は、何でもつくり出せる。その時のニーズに合わせて、いろいろと使い分けているよ」
(S.S)「数ヶ月前、シンフォニー・オーケストラと一緒にレコーディングもしたんだ。90人のバイオリニストと一緒にね!」
(R.V)「あれは信じられないぐらい素敵な出来事だったわ」
(S.S)「でも、彼らの美しい旋律にエフェクトかけちゃったりしたよ(笑)」
(L.V)「そうそう。バイオリニストがピストル取り出して、彼を撃とうとしてたわ(笑)。とにかく、どんな人達とも音楽をつくれるの! 音楽に国境はないのよ」
―3人とも同じ音楽学校を卒業したと言っていましたが、学生の時に知り合った仲間なんですか? (S.C)「僕らは同じところでリハサールしたり、一緒にジャズ・シーンのクラブに遊びに行くようになって仲良くなったんだ。'90年頃に、実験的なジャズとDJを絡めるSFEQというバンドに一緒に参加したのが初めての共同制作だったよ。その後いろいろと音楽活動をしながら付き合いは続けていて、'99年にスーコ103をスタートさせたんだ」
―'90年代初期のジャズ・クラブ・シーンで遊んでいたということは、アシッド・ジャズ・ムーブメントに影響を受けているんですか?
(S.C)「どちらかというと、アシッド・ジャズ以前のUK ジャズ・クラブに影響を受けたかもしれないな。もっとオールド・スクールなダンス・ジャズ。例えば、バリー・ハリスや、ジミー・スミスのようなね」
―リリアンさんは、どんな音楽に影響を受けてきたんですか?
(L.V)「生まれと育ちはブラジルだから、小さい頃からトラディショナルなブラジル音楽を聴いて育ったの。特にサンバの影響は大きいわ。あと、私も彼らと同様、ジャズからも影響を受けているのよ。はじめてのジャズ経験は、11歳の時に聴いたエラフィッツ・ジェラルド。当時受けた衝撃は大きなものだったわ」
―クラブ・ミュージックとの出会いは覚えていますか?
(L.V)「忘れられない思い出よ! 初めてエレクトロニック・ミュージックと出会ったのは、彼らがやっていたSFEQのライヴだったわ。最初は全く理解できなかった(笑)。でも、好奇心は湧いたのよ。その後彼らがスタジオでの制作に誘ってくれてね。SFEQとアフリカのバンド、さらにブラジル人の私による三つの世界を組み合わせて、一つの音楽をつくったわ。それによって、伝統的なブラジリアン・ミュージックしか知らなかった私が、新しい音楽の扉を開くことができたの」
―今作でも、さまざまなゲストを招いて新しい音楽の扉を開きましたね。特にダブの大御所、リー・ペリーをフィーチャーしたのは、大きな話題です。彼とはもともと面識があったのですか?
(S.C)「いや、彼のことは全く知らなかったんだ」
(S.S)「僕たちの曲づくりでは、ある程度のコンセプトを持ってトラックをつくった後に、ギターやバイオリン、ハープなど、楽曲に必要な音の素材を足していくんだ。リー・ペリーが参加してくれた曲は、はじめ彼のボイス・サンプルを使おうとしていたんだ。でも、やっぱりサンプルは使いたくなかったから、似た声の持ち主を探したんだけど...」
(L.V)「それで、本人に電話しちゃったの(笑)。O.Kをもらえて嬉しかったわ! 収録は、彼がコンサートでオランダに来た時にしたの。作詞をするにあたって、曲のコンセプトを一生懸命説明したんだけど、彼が紙にメモしたのは、たった一文字! それでマイクを取って即興で歌い出したの。たった2時間の滞在で、2曲も収録したのよ!」
―共演してみた感想は?
(L.V)「とても尊敬している人だから、会ったばかりの時は緊張してあまり話せなかったの。とにかくオーラが凄かった。ちょっと恐くなってしまうぐらいだったわ。でもね、それは間違いだった。パリで一緒にライヴを演った時に、もっと仲良くなれてイメージが変わったの。とっても気さくで、良い人なのよ。パリでのライヴにまで、まさか来てくれるとは思わなかったしね。お客さんも予想外のゲスト登場に大興奮だったわ。彼のような偉大なオリジネイターと共演できたことは、大きな収穫だった。音楽で通じ合えたら、どんな人とも一緒に曲づくりができる。音楽というのは、本当にパワフルなのよ」
―では、全く無名のアーティストからデモが届き、その音楽に共感できたら、有名無名問わず共演しますか?
(S.C)「もちろんだよ! 僕達のwebサイトでは、リミックス・コンペティションをやっているんだ。僕達はいつも新しい音を探しているんだよ。送ってくれた人には、なるべく応えるようにしている。事実、一度デモを送ってくれた人と共演したよ。新しい音楽をつくっている若い人のことを、とても尊敬しているんだ」
―今作のリミックス盤をリリースする予定もあるんですか?
(S.S)「今、リミキサーを探しているところなんだ。僕達の友人でもある、レッドノーズ・ディストリクトには、すでにお願いしている。彼らは若くしてクロスオーバーな新しい音を追求している、素晴らしいアーティストだよ。メンバーのキッド・サブライムは、オランダで一番仲の良いDJなんだ。よく最新の音楽を教えてもらったりもするよ」
―明日からフジロックですが、どのようなステージを予定していますか?
(S.S)「全力を尽くすのみ! それだけだよ」 (L.V)「目標、5キロ減ね(笑)」
―では、誰か楽しみにしているアーティストはいますか?
(S.C)「マッドリブが楽しみなんだ。今回はDJみたいだけど、彼は良いラッパーでもあるよね」
―マッドリブ、レッドノーズ・ディストリクト、キッド・サブライムということは、アンダーグラウンド・ヒップホップに興味があるんですか? 驚きの事実です!
(S.C)「最近はカナダのヒップホップ・インターネット・ラジオ、WeFunkのDJミックスをよく聴いているんだ。ラジオだからアーティスト名のインフォメーションはないんだけど、“ワォ、これは誰なんだ!?”っていつも気になっているよ(笑)。アンダーグラウンド・ヒップホップに限らず、誰も聴いたことのない、オリジナリティーのある音に興味があるな。新しい音楽は、常に刺激的だよね!」


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ZUCO 103
WHAA!

(JPN) COLUMBIA / COCB-53369

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