AUDIO BULLYS インタビュー/LOUD131号
異彩を放ち続けるUKハウスのニュー・ジェネレーション
ラジオは結構サンプルの穴場なんだ。
日常生活の中で聴いていると、自分が使いたいと思うものが聞こえてくる。
2003年にサウスウエスト・ロンドンから登場した、全く新しいタフなハウス・ビートを身上とするオーディオ・ブリーズは、トム・ディンスデイルとサイモン・フランクスの二人組。ヒップホップ的なセンスで、自らのMCや歌、サンプル・ネタを、ファットなビートに乗せていくストリート感満点のトラックが爆発的な人気を獲得。口うるさいUKのプレスをして“クラブ・シーンの救世主”とまで言わしめている。そんな彼らがナンシー・シナトラ「Bang Bang」をネタに、今夏の全英チャート3位に送り込んだ大ヒット「Shot You Down」に続き、セカンド・アルバム『ジェネレイション』をリリースする。インタビューに答えてくれたトムは言う。
「“ジェネレイション”っていう言葉には、まず“世代”っていう意味があるけど、それ以外にもサウンドをジェネレートするとか、“産出”っていう意味もあるから、なんかイイなと思って使ったんだ。(世代的に)決して若者代表っていう意識はないけど、ずっとハウスをやってきたから俺自身はクラブ好きな“世代”かな」
デビュー作と比較すると、アイディアやクオリティという点でグレード・アップが見られる今作。音楽的にはどんな部分を追求したかったのだろう?
「俺達はいつも深く考えずに、良い曲に巡り会えるまでひたすら音をつくり続けている。毎回、特にコレといったプランを持たずに取り掛かって、気がついたら曲ができているって感じなんだ。ある時は大音響でフロアを揺り動かす曲ができるし、ある時は純粋に歌うためだけの曲ができる。でも、やっぱり誰もやったことがない音楽をつくりたいね。誰も知らないサンプルを、誰も真似できない新しいビートと組み合わせてみたい。サンプルはレコード屋とか、クラシック・ナンバーがよくかかるラジオで見つけることが多いよ。ラジオは結構サンプルの穴場なんだ。日常生活の中で聴いていると、自分が使いたいと思うものが聞こえてくる。テレビだってそうだよ」
彼らのトラックには、独特の遅さ、重さがあるが、その点は意識しているのだろうか。
「俺が正しいと感じるBPMに設定しているだけだよ。きっと俺は個人的に、速すぎるハウスは曲の中にある細かい流れや気持ち良い部分を損ねてしまう、と思っているんだろう」
デビュー当時は、そのサウンドを“フーリガン・ハウス”と形容されていたオーディオ・ブリーズ。最後に、音楽的に飛躍を遂げた今、自分たちをどんな風に捉えてもらいたいか聞いてみた。
「今はただ俺達の音楽を聴いて、俺達の中身を理解してもらって、ヒップホップやハウスの影響を受けた音楽をつくる二人組の友達なんだって、多くの人達に知ってもらいたい。俺達はあの(フーリガンの)イメージとは全く違う人間だって分かって欲しかったから、今回は“攻撃的”な内容を繰り返さなかったんだ」
text FUMINORI TANIUE
translation KYOKO MAEZONO


