JOE CLAUSELL インタビュー/LOUD65号
ディープ・ハウス・シーンのカリスマ、<BODY&SOUL>のレジデントDJ、圧倒的なイコライジングのプレイ、そしてスピリチュアル大将、ジョー・クラウゼル(写真左)。そんな様々な形容がつく彼のアルバム『ランゲージ』(トイズ・ファクトリー)は様々なバックグラウンドを持ったアーティスト達が参加した叙情的なアルバムだ。今回は本国でのアルバムのリリース元IBADANのオーナーJEROME SYDHAM(同右)を伴ってのインタヴューとなった。
★初のソロ・アルバムが完成したわけですが、今の感想は?
「まず、最初に言っておきたいのは『ランゲージ』は厳密に言うと僕のトータル・アルバムというよりも、IBADANのコンピレーション的なもの。ジョー・クラウゼルとしてIBADANの為にやったリミックスとか、新曲を.取り混ぜてつくったものなのでコンビ的な意味合いが強いんだけれど、全曲に僕がかかわっているので自分の作品ともいえる」
★それで自身のレーベルSPIRITUALL肝Eからではなく、IBADANからの
リリースになったんですね。それでは自分のなかで2つのレーベルに違い
はありますか?
「このアルバムはIBADANのアーティストをフィーチュアする為のIBADANのプロジェクトで、IBADANのサウンドを表現することに特色を置いているからIBADANからのリリースになった。2つのレーベルのコンセプトにも違いはあまりないし、ゴール的にも音楽観もすごく似ている。もちろんそれぞれのレーベルは独立しているもので、設立当初からお互いに助けあってやっているという点ではかなりユニークなんじやないかな」
★そのIBADANのオーナーでアルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーでもあるジェロームのどういったところに共感を持てますか?傍にいるのでもしかしたら言いにくいかもしれませんけど。
「個人的には嫌いなんだけど(芙)。僕はあまり多くの人と一緒に仕事をすることをしないので、彼と一緒にやること自体がどれだけ彼に対してリスペクトしているかっていうことを表わしていると思う。僕がコラボレーションする人はみな共通してそうなんだけども、まず音楽を本当に心から愛しているっていう重要なことがある。音楽をやっていてもビジネス的に捉えている人が多いから、そういった人達を探すのはなかなか難しいんだ」
★コンビ的な意味合いもあるとのことですが、いままでこういったフル・アルバムのリリースがなかったのには何か理由があるのですか?
「実はトータルなソロ・アルバムをいま作っているんだけども、自分のソロ・アルバムってことになると密度の高いものにしたいから、仕上げるにはかなり時間がかかるんだ。それはもう少し時間がかかるから、今回のアルバムをリリースすることはいいタイミングだったと思う」
★今回のアルバムのタイトル『ランゲージ』の意味は?
「音楽はユニヴアーサルな言語だと思っているんだ。言葉が話せなくてもどんな文化、どんな場所に住んでいようとも世界中のすべての音楽を僕たちは理解することができる。音楽はそれ自体が言語のようになって僕たちに語りかけてくるものだから、その言語からきている。音楽を作るときはやっばり言いたいことがあるから作る訳で、このIBADANのプロジェクトに関しても言いたいことを音楽を使って表現するという意味でタイトルとも関連はあるかな」
★他にテーマはあったんですか?
「それがテーマだね。もしかしたらジェロームが他のテーマをもっていたかもしれないけど」
JEROME(以下J)「テーマはランゲージだよね?(実)基本的にはジョーが言っていたことと同じなんだけど、音楽的なコミュニケーションとしてIBADANのアーティストやサウンドを紹介し、それをジョーが紹介をするというのがもう1つのテーマでもある」
★ではその参加アーティストの中で口ニー・ジョーダンが参加した経緯を教えてください。
J「特にこれといった理由があるわけではないんだけれども、僕たちがギタリストを探していたときに彼がNYにいて、彼のスケジュールが空いていたから(実)。いや、彼がBLUENOTEからリリースするアルバムをレコーディングしていて、BLUENOTEの人は僕たちもよく知っているから『じやあ、スタジオに果てジャムでもやらない7』っていう形で入ってもらったんだ」
★アルバムの無国籍なテイストはNYに住んでいるアフリカンであるあなたに通じているのではと思ったのですが。
「もちろん両親がプエルト・リコの人で、プエルト・リコといえばもともとアフリカから来た人たちだから、辿ればそういったアフリカの影響はもちろん自分自身の中にはある。それと同時にフィーチュアされているミュージシャンもひとりひとり違うバックグラウンドを持っているというのもあるから。例えばナイジェリアとかイスラエル、メキシコの出身といった異なる文化背景を持ったミュージシャンがこのレコードに参加してくれていて、彼らとのコラージュになっている訳だから、自分のバックグラウンドでもあるラテン系のものと他のミュージシャンが持っているフレイヴァーがうまく融合してそういったテイストが出ているんじやないかな」
★音楽以外でどういったことがあなたの音楽に影響を与えてくれますか?
「世の中にある美しいもの全て。毎日朝起きること自体が素晴しいことだと思うし、友達や家族であったりと全てがそうだね」
★流行の移り変わりの激しいクラブ・ミュージック界に於いて多くの支持を得ていますが、人々はあなたのどこに共感してくれていると思いますか?
「僕はトレンドで音楽を作っているのではないし、音楽を作るときには自分自身の中をみつめて表現していて、本当に音楽を愛して音楽をやっているっていうことを人々は聴いて分かってくれんじやないかな。そこでおそらくなにか心に触れる部分があるんじゃないかなと思う。僕の音楽はダンス・ミュージックで、もちろんダンスをすることもできるけれども、家に持って帰ってそれを聴くこともできるから他のクラブ・ミュージックとは違うと思う」
★普遍的なものを追っている感じですか?
「いつもいいものを探している。おそらく人間が十分知識があるんだと思った時点で発展することを終えてしまうと思うけど、僕にはまだ学ぷべきものがいっぱいある」
★最終的にあなたが目標としていることは何ですか?
「音楽的なところでいうと究極の目標は映画のサウンド・トラックをつくること。僕の音楽と映像を合わせることにすごい興味があって、それがやりたいのと同時にサントラ的な音楽をこれからプロデュースしていきたい。レーベルとしてはもっと世界中にある全ての美しい音楽をコラージュして、それを至る所に届けたいし、全ての文化をレーベルで表現できたらと思う」
通訳 福田恭子


