SATOSHI TOMIIE インタビュー/LOUD134号
RENAISSANCEの新コンピを担当!
UKの名門クラブ・ミュージック・レーベル、RENAISSANCEが新CDシリーズ『3D』をスタートさせることとなった。これは、DJのアーティスト性をより重視した、これまでにないタイプのコンピレーションで、最新のDJセットを再現するフロアライクなDisc1“CLUB”、過去のオリジナル作品やリミックス作品にスポットを当てるDisc2“STUDIO”、ホーム・リスニングを意識したDisc3“HOME”の三枚から構成されている。
今回その栄誉ある第一弾にピックアップされたのが、サトシ・トミイエ。今作品では、デビュー曲にしてハウスの歴史に残る名曲「Tears」のリメイクなど未発表曲を多数披露、 またDisc3“HOME”では、これまであまり知られることのなかった音楽的ルーツも明らかにしている。
このページでは、サトシ・トミイエ本人のインタビューを交えて、世界的話題となること必至の『Renaissance presents 3D : Satoshi Tomiie』をディスクごとに徹底解剖してみた。
「Tears」と「Love In Traffic」は自分にとって、その後の人生を変えた画期的な曲。
■Disc1: CLUB
1. 1 Spirit Catcher / Polysquasher
2. Dan Berkson / People
3. Only Freak / Viper Vapour
4. Stereo Type / Somewhere
5. Jim Rivers / Future
6. Audiofly X / Stolen Goods
7. Martin Eyerer / Wicked Line (Original Mix)
8. Electrochemie / Big One
9. Uppfade / Panga (Gui Boratto's "Ace of Spades" Remix)
10. Cass & Mangan / I Love Your Shoes
11. Guy Gerber / X Factor
12. Jim Rivers / Restore
★Disc1は、全体にテッキーですね。
「昨年出したミックスCD『ES』と『ES-B』の中間というか、続きみたいなものだね。このDisc1“Club”のコンセプトは“今クラブでかけてるもの”で、それは『ES-B』の発展形でもある。キーボードやメロディーも加わって、さらに音楽的になっているね。今、いわゆるトライバル調のものには、あんまり魅力を感じないんだ。もちろんいい曲もあるんだけど、特に新しくもないし、創造的な感じもしない。毎回お寿司屋さんに行ってトロをたのむようなもので、美味しいんだけど、なんか物足りないし、インスパイアされない」
★X、X、X、Xなど、ドイツものハウスが多く収録されていますね。
「昔テクノをやっていた人がつくっているという例もあり、この辺を(ハウスではなく)テクノと言う人も多いみたいだね。でも、オレからすると、あんまりハウスと変わんない気がする(笑)。そういう意味では、2005年はドイツものハウスの当たり年だった」
★5曲目と12曲目に収録されているジム・リヴァースって人が、ちょっと気になりました。
「この人は今度SAWからリリースする新人。あまりにも気に入ったので、二曲入れてみました。両方とも聴く人が聴けばオレ好みだなぁってわかると思う。音楽的でクオリティーが高く、ちょっとインテリジェンスで、ダンスフロア対応だけじゃない。この二曲が彼の処女作なんだって。スゴいよね! このデモ曲が普通にEメールで送られてきて、サインしたんだ。あえて言えば、ジェームズ・ホールデンとブカシェイドを足して二で割ったような音で、すごく今風かな」
■Disc2: STUDIO
1. Loop 7 / The Theme (Reprise)
2. Satoshi Tomiie / Tears (3D Slightly 303 Version*)
3.Chab / Lover (Satoshi Tomiie 3D Remix*)
4.Cass / Mind Rewind (Satoshi Tomiie Mind Blister Remix)
5.Graffik / A Lesser Man? (Satoshi Tomiie Mix)
6.Slok / Lonely Child (Satoshi Tomiie 3D Remix*)
7.Kosheen / Hungry (Satoshi Tomiie Vocal Remix-3D Edit*)
8.Photek / Mine To Give (Satoshi Tomiie 3D Private Path*)
9.Satoshi Tomiie featuring Kelli Ali / Love In Traffic (3D Private Path*)
10.The Future Sound of London / Papua New Guinea (Main Path)
11.Hybrid / Higher Than A Skyscraper (Satoshi Tomiie 3D Dub*)
*Exclusive tracks and edits
★Disc2は、過去のオリジナル作品をフィーチャーしたものですね。
「これはパーツづくりが一番大変だった。このCDのためだけに、Chab、Slok、Hybridの曲をリミックスして、「Tears」のセルフ・カバーもしたんだ」
★一曲目のLOOP 7名義「Theme」は、ピアノの音が美しい、オープニングにふさわしい曲ですね。
「これは過去に12インチで出した時に使っていないヴァージョンで、当時クラブでかけていたのとは全く違う。こういうプロジェクトがいつかあるんじゃないかってことで、長年とっておいていた(笑)。今回使うのに、ちょうどよかったね」
★「Tears」はデビュー曲ですね。
「このCD用にリメイクしてアップデートしたんだ」
★“Tears 2006”ってとこですね。
「まぁね~、わかりやすく言えばそういうこと(笑)」
★17年前の曲には感じないですね。
「アップデートしたから、そういう風に聴こえるんじゃないかな? そのまま使うと“懐かし~”けど、それだけで昔のヒット曲をそのまま入れるのはビミョ~かなぁって...(笑)」
★数あるオリジナル作品の中から、「Tears」を選んだのはなぜですか?
「この曲がきっかけとなって自分のキャリアが広がっていったからね。このCD2“Studio”をつくるにあたっては外せない曲だと思ったんだ。「Tears」と「Love In Traffic」は自分にとって、その後の人生を変えた画期的な曲。リリース前と後では、自分のキャリアが大きく変わっているんだ」
★他に選ばれた曲は、どういうものですか?
「リミックス作品として特に気に入ってる曲だね。LOOP 7('94年)と「Tears」('89年)以外は、2000年以降のものが多くなってしまったかな」
■Disc3: HOME
1.Dexter Wansel / Life On Mars
2.Sneaker Pimps / 6 Underground
3.Miles Davis & Gil Evans / Solea
4.M.F.S.B. / Mysteries Of The World
5.Bou-Kahn / Magic
6.Aphrodisiac / Song of the Siren
7.Jaco Pastorius / Portrait of Tracy
8.Weather Report / Palladium
9.Roy Ayers / Running Away
10.James Brown / Give It Up Or Turn It A Loose
11.Lonnie Liston Smith / Summer Days
12. Azymuth / Fly Over The Horizon (Voo Sobre O Horizonte)
★Disc3は“Back To Mine”的なCDですね。
「“HOME”=“家で聴くもの”ではなく、“自分がこれまで影響を受けたもの”ってところで選曲してみたんだ。自分がハウスをやり出した時に影響を受けたものから、ジャズに興味を持ち出した中学生の時に影響を受けたものまで、いろいろな時代のものがオーバーラップしている。本当は、もう少しシカゴ・ハウス系の曲も掘り下げたかったんだけど、権利関係がぐちゃぐちで使えない曲がいっぱいあったんで、今回は断念したんだ
」
★ジャズ/フュージョン系の曲が多いですね。ジャズやフュージョンを聴くようになったのはいつ頃、何がきっかけだったんですか?
「中学生の時だから14才くらいかな。日本語で歌詞が直接伝わってしまうものが好きではなかったから、インストゥルメンタルを聴くようになったんだと思う」
★この頃、すでにピアノは習っていたんですか?
「うん。ジャズを聴いてた時とピアノをやってた時はオーバーラップしているね」
★ジャズ・ピアノを弾いていたんですよね?
「そう。今考えると、ジャズは演奏するのも好きだったな。それは、今DJするのが好きってことと繋がってると思う。DJには、パフォーマンス(演奏)の延長みたいなところがあるから」
★M.F.S.B. のダンス・クラシックが入ってますね。
「いわゆる“ディスコ”って言われる時代のものだけど、これを知ったのはハウスを聴くようになった後かな。ロイ・エアーズやジェムース・ブラウンも'80年代の終わり頃、当時デビッド(モラレス)がクラブでDJしてて、普通にハウスと上手にミックスしていたんだ」
★アジムスをクロージングに使っていますね。
「昔夜11時からやっていたNHKのラジオ番組『クロス・オーヴァー・イレブン』のオープニングとエンディングで使われていた思い出の曲なんだ。『クロス・オーヴァー・イレブン』は、アルバムに収録されている全曲を紹介してくれる番組で、当時はそれを全部聴いて録音してた。まだ中学生で、レコードをたくさん買えなかったからね(笑)。エンディングということで、最後はこの曲で締めてみたんだ」
VARIOUS ARTISTS
Renaissance presents 3D : Satoshi Tomiie
(UK) RENAISSANCE / REN24CD


