2006年に、須永辰緒、野崎良太(Jazztronik)らによるプロデュースのもと、アルバム『TOKYO Jz TRIPPIN'』でデビューした、女性ジャズ・シンガー、青木カレン。しなやかかつ表情豊かな歌声と、美麗なビジュアルで注目を集める、シーンきっての実力派だ。ジャズ・フィールドにとどまらず、中塚武やDJ TONKの楽曲にボーカル参加した経歴も持つので、その名を知るLOUD読者も多いかもしれない。
そんな青木カレンが、このたび5作目となるフル・アルバム、『BY MY SIDE』をリリースした。イタリアン・ジャズの新鋭レーベル、Norma Bluとコラボレートし、同レーベルのオーナー、パウロ・スコッティをトータル・プロデューサーに迎え、制作されたこのアルバム。ダンサブルなクラブ・ジャズから、メロウなスタンダード・ジャズ、キャッチーなカバー曲まで、色彩豊かなサウンドが楽しめる意欲作だ。
イタリアン・ジャズの魅力が、より身近に感じられる良作『BY MY SIDE』。その制作背景について、青木カレン本人に話を聞いた。
――まずは、ニュー・アルバム『BY MY SIDE』を制作することになった経緯を教えてください。
「このアルバムでコラボレートしたNorma Bluは、イタリアのジャズを日本へ紹介するというコンセプトで始まったレーベルなんです。Norma Bluが、今回初めて日本人アーティストをイタリアのミュージシャンがサポートする形式で、アルバムを制作しようと考えたそうで、そのために私を選んでくださったのが、きっかけでした」
――本作のトータル・プロデューサーをつとめた、Norma Bluのオーナー、パウロ(・スコッティ)とは、以前から関わりがあったのですか?
「ニコラ・コンテや須永辰緒さんからの紹介で、何度かお会いしたことがありました。パウロが言うには、今回一緒に制作をする以前に、私のアルバムを5回ぐらい、周囲の人から薦められたらしいんですよ(笑)。だから、“一体、この青木カレンっていう人は何なんだ?”って思っていたみたいです」
――そんな偶然があったんですね(笑)。アルバムのイメージは、パウロと一緒に練ったのですか?
「そうですね。制作に入る前に、彼が一回日本に来てくれたので、楽曲のイメージやカバーの選曲について、直接会って話すことができました。今回は特に、歌詞を大切にしたんです。収録曲の約半分はオリジナル曲ですが、それらに関しては、メロディーと素直な歌詞を意識しました」
――オリジナル曲で、特に思い入れのある楽曲はどれですか?
「「Dreams」は、アルバムの中では異色の楽曲ですが、個人的には一番気に入っていますね。これは、自分の夢について書いた曲なんです。小さい頃は、もっと無邪気に夢を語ったり、たくさん夢があったりしたのに、大人になってから、そういう気持ちを忘れていないかな? っていう心情を描きました」
――また、カバー曲を6曲披露していますが、そこではバラエティー豊かな楽曲がセレクトされていますね。
「カバー曲もオリジナル同様、自分自身がピンとくる歌詞を大事にしました。パウロの中には、“'80sの名曲を、日本人の私がイタリアン・ジャズ・スタイルで歌って紹介する”っていうビジョンがあったみたいです。スタイル・カウンシル「The Paris Match」、エヴリシング・バット・ザ・ガール「Each Everyone」は、パウロが選んでくれたんですが、セッションでジャズ・ミュージシャンに演奏してもらうと毎回違う表情になるし、そこには意外な発見がありましたね」


