‘05年に、バルセロナの<ソナー・フェスティバル>への出演をきっかけに結成された、アウフガング。元々、幼なじみや音楽学校の同級生だった、フランチェスコ・トリスターノ、ラーミ・ハリーフェという二人のピアニストと、ドラム等を操るエイメリック・ヴェストリヒからなるユニットだ。
フランチェスコは、クラシック界で名高いだけでなく、テクノの名曲をピアノでカバーしたアルバム、『Not For Piano』をリリース。ラーミは、著名なウード奏者である父とともに、ワールド・ツアーを行う一方、5枚のアルバムを発表。エイメリックは、フランスのハウス・ユニット、カシアスにドラマーとして参加するなど、三人それぞれが、異なるフィールドで活躍している。そこで、まずは、『Not For Piano』で、ダンス・ミュージック・シーンからも注目を浴びることになったフランチェスコ・トリスターノに、ダンス・ミュージックをピアノで演奏してみようと思ったきっかけや、影響を受けたアーティストについて尋ねてみた。
「エレクトロニック・ミュージックへの興味は、ずっと昔からあって、子供の頃から母親のLPで、クラフトワークやジャン・ミシェル・ジャール、ジョー・ザヴィヌルなど多くのアーティストを聴いていたよ。その後、ニューヨークでの学生時代に、デトロイト・テクノなどのダンス・ミュージックに出合い、カール・クレイグ、ジェフ・ミルズ、ホアン・アトキンスらを知ったんだ。それらの音楽が、僕のピアノの弾き方に直接影響を与え、ミニマリズムの持つ美的感覚にどんどん傾倒していったんだ。リズム・イズ・リズム「Strings of Live」や、ジェフ・ミルズ「The Bells」といった、テクノのスタンダードなレパートリーをピアノで演奏するとき、ただ単に演奏するだけではなく、曲が持っているエッセンスを捕らえたいと思っている。リズム、ハーモニー、メロディーといった曲のベーシックな要素はそのまま残るけど、自分のバージョンでは、あたかもアコースティックなリミックスかのように進化させているんだ」(フランチェスコ)
フランチェスコ・トリスターノとラーミ・ハリーフェ、エイメリック・ヴェストリヒの三人が、2ピアノ+1ドラムのユニットとして活動することになったきっかけは何だったのだろうか? フランチェスコはこう語っている。
「ラーミと僕は、'00年にニューヨークのジュリアード音楽院で出会ってすぐに、デュエットで演奏を始めたんだ。エイメリックはラーミの幼なじみで、エイメリックがドラムを勉強するためにニューヨークを訪れたときに、知り合ったんだ。'05年に、僕はバルセロナの<ソナー>で演奏する機会を得たんだけど、そのときに、ラーミとエイメリックにも参加してもらい、アウフガングとしての最初のライブを行ったんだ。そのとき、エイメリックはドラムではなく、シンセサイザーやサンプラー、ミキサーを担当していた。でも、'07年にドラム・セットを入れたライブをやったら、観客の反応があまりに良かったから、それ以降は、ドラムを入れたセットでやっているよ」(フランチェスコ)


