そんなアウフガングが、ファースト・アルバム『Aufgang』を完成させた。本作で彼らは、クラシック / コンテンポラリー / エレクトロニック・ミュージックの要素を、高い次元で融合させ、ダンス・ミュージックとしても革新的な、前代未聞の実験的サウンドを展開している。
「唯一、僕らの頭にあった本作のコンセプトといえば、ドイツ語で“上昇”を意味する、“Aufgang”だね。ピアノの音色が様々なムードやスピードを誘い出し、アルバムの強度をどんどん高めていくイメージで制作したんだ。それに、僕ら三人の異なる音楽背景は、インスピレーションの大きな源となっているよ。三人ともクラシック音楽の教育を受けてきたけど、とても良い方法で、お互いの持っていない要素を埋め合わせているんだ」(フランチェスコ)
インタネーットでファイルを共有しながら、作曲やプログラミングを行い、時に即興のセッションを重ねながら、制作に3年の年月を費やしたという本作。その収録曲の中から、三人にお気に入りの楽曲を聞いてみた。
「「3 Vitesses」。三人の奏でる音が違ったスピードで発展していく、実験的な曲だよ。曲の後半で、ピアノ、ドラム、エレクトロニクスがお互いを“発見”するまで、その展開が続くんだ」(フランチェスコ) 「僕も「3 Vitesses」。制作過程は最も複雑だったけど、聴くたびに新たな側面や別の楽しみ方を発見できる曲だよ」(エイメリック) 「僕のお気に入りは、エレガントで、クラシックとモダンがいい具合に融合した、「Barok」。それと、パワフルな「Soumission」。この曲のビルドアップを聴くと体が震えるよ」 (ラーミ)
“今後も、面白そうと思えることは、どんどん試していきたい”と語るアウフガング。クラシックとエレクトロニックの両極から切り開かれた実験的音楽を、ぜひこの『Aufgang』で確かめてほしい。
なお、フランチェスコは、2月に単独でコンサート・ツアーを開催。そちらでは、クラシックの楽曲とともに、カール・クレイグのカバー曲等も披露される予定となっている。最後に、コンサートにかける思いを、フランチェスコに語ってもらった。
「今回のツアーでは、本の章のように分かれたオリジナル・プログラムを予定しているよ。耳をオープンにして聴いてもらえば、未体験の音楽を発見してもらえるかもしれない。ピアノ・リサイタルは生きたアートフォームだと思っていて、いくつもの音楽フォーマットに、現代音楽を織り交ぜることは、僕にとって非常に重要なんだ。それによって、クラシックと現代音楽が自由に作用し合うことが可能になるからね。とにかく、僕の音楽探検を、日本のみんなと分かち合える日を楽しみにしているよ」(フランチェスコ)
translation ERIKO HASE


