オーストラリア出身のシンガーソングライター、ジョセフィン、アメリカ出身のビオラ奏者、アリーシャ、スペイン出身のチェロ奏者、オーロラからなるガールズ・バンド、ボート・ビーム。'06年にスペインのマドリッドで結成された彼女達は、国際色豊かな本格派インディー・アーティストだ。バンドが誕生した経緯について、早速ジョセフィンに聞いてみた。
「マドリッドは、私が世界一周の旅をしてたどり着いた場所なの。そこの学校で英語を教えていた時に、たまたまアリーシャと出会ったことが、全ての始まりだったわ。試しに私が書いた曲を何曲か一緒に演奏してみたら、彼女のビオラが加わることで、素晴らしいサウンドになったのよ。そんな折に、私達は、ライブを見に来てくれたオーロラとも知り合った。3人でリハーサルをした時、“これは上手くいく”って直感したわね」
こうして結成されたボート・ビームの音楽性は、彼女達が担当している楽器からも分かる通り、ジョセフィンが生み出すポップかつ詩的なメロディーと、クラシック音楽のエッセンスが融合した、フォーキーでオーガニックなもの。バンドの音楽的なコンセプトは何なのだろう?
「ジャンルの境界にとらわれないバンドにすることが、コンセプトだったわ。オーロラとアリーシャは、ドビュッシーやクラッシックの作曲家から影響を受けているんだけど、私は綺麗なコード進行やハーモニーに魅力を感じるタイプだから、ある程度ポップな要素を取り入れたかったわね。それと同時に、ちょっと不協和音的な、ダークな要素を持ったサウンドもやりかったわ」
そんな彼女達のデビュー・アルバム『Puzzle Shapes』が、このたび国内リリースされることになった。本国では昨年リリースされ、じわじわと人気を集めてきた注目作だ。本作のテーマについても聞いてみた。
「ひねりのきいたユーモアを含んだ、苦悩的な曲の集まりね。このアルバムは、私の人生を記録したものよ。車にひかれたことや、地球の反対側にいる人に恋してしまったこと、ライオン狩りで権力を証明する、古代の王様達を歌った曲も入っているわ。あらゆる感情とアイディアが、激しく衝突し合って生まれたアルバムなの」
彼女が語るテーマとは裏腹に、音楽的には、とても穏やかな音世界を探求している本作。サウンド面で意識したことは何だったのだろうか?
「大切にしたことは、“チル”なハーモニーとメロディーね。ビロードのように、滑らかなフィーリングを持ったサウンドにしたかったわ。美味しいご飯を食べている時と同じように、聴いていて楽しくなるアルバムをレコーディングしたかったのよ」
センチメンタルでメランコリックな心象風景を、極上のメロディーとアンサンブルで表現するボート・ビーム。彼女達は、インディー・ポップ・シーンに美しくドリーミーな旋律を送り込む、期待の新星だ。



