1997年にベルギーの名門テクノ・レーベル、R&Sから正式デビューを果たして以来、ロックとエレクトロニック・サウンドを自在に行き来する音楽性で、独自のフィールドを開拓してきたブンブンサテライツ。近年はロック志向に磨きをかけ、確固たる人気を獲得している実力派だ。昨年には、マキシ・シングル『BACK ON MY FEET』を発表。荘厳で緻密なサウンドスケープを披露し、話題をさらっている。
そんな彼らが、キャリア初のベスト・アルバム『19972007』をリリースした。アルバム・タイトルの通り、彼らが'97年から'07年までに発表したアルバムの中から、彼ら自身が全30曲を選りすぐった、CD2枚組、トータル約140分に及ぶ作品集だ。自らリマスタリング作業を行ない、さらには曲順にも細心の注意を払ったという本作。その内容は、完全なる新作として機能する完成度を誇っている。
「KICK IT OUT」などの代表曲も目白押しの『19972007』。本作の内容と、そこにまとめられた、約10年に及ぶブンブンサテライツの軌跡ついて、メンバーの中野雅之と川島道行に話を聞いた。なお、本作の初回盤は、DVD(PV9曲/フジロックやサマーソニック出演時のライブ映像6曲を収録)付きの、特別仕様となっている。
【新作としてつくった、こだわりのベスト盤】
――まずは、このタイミングでベスト盤をリリースした経緯について教えてください。
川島道行「以前から“ベスト盤を出しませんか?”という話はあったんですけど、僕らは、これまでにいろんなタイプの音楽をつくってきたので、それらが一枚のアルバムになるということを、あまり想像できなかったんですよね。でも、去年『BACK ON MY FEET』の制作を終えたくらいの時期に、僕がPCを買い替えて、iTunesに手持ちのアルバムを入れ直したことがあって、その時に自分達のアルバムもまとめて聴き返してみたんですよ。それで、“結構いい曲が多いなぁ”なんて思って、スタジオで中野と話をしたんですよね。で、その後に、このベスト盤の話をいただいたので、“今回はちゃんとできそうだな”、と(笑)」
――ちゃんと事前に予習ができていた、ということですね(笑)。結果、本作は、CD2枚組、全30曲という内容になりましたが、選曲や構成で意識したことは何でしたか?
中野雅之「僕は、あるアーティストのアルバムを買う時、よほどのことがない限りベスト盤というものに手を出さないんですよ。というのも、ベスト盤自体には、作品として固有のコンセプトがないじゃないですか。だから、このベストは、アーティストがちゃんと責任を持った、作品性のある内容にしたかった。過去音源をただ集めたものじゃなくて、一貫性が感じられる作品にしたかった、ということですね」
川島「この選曲や構成は、中野がリマスタリング作業をしながら並べていったもので、ある意味で必然の形なんじゃないかと思います。曲を並べていく段階でおのずと絞られていって、この形になったんで」
中野「たったアルバム6作品とはいえ、僕らは10年以上やってきたし、音楽性の幅も広いんで、バンドの持っているポテンシャルを表現するには、どうしてもコレくらいのボリュームが必要でしたね。その分、全体の流れやストーリーは、かなり考えました。新譜として聴いてもらる内容だと思っています」
――たしかに、一般的なベスト盤とは違い、インタールード的な楽曲も収録するなどして、トータルの構成にこだわった内容を打ち出していますね。
川島「小曲も積極的に入れていこう、という相談はしましたね。小曲は、僕らが音楽を紡いでいく中で欠かせない要素で、他の楽曲を語らせるのに必要なものだったりするんです」
中野「リスナーが曲にスムーズに入り込めるよう、各曲の凹凸をなくすためのマスタリング作業も、全部自分達でやりました。初期の作品と最近の楽曲では、やっぱり周波数のバランスやダイナミクスがかなり違うんで、自分達で音量、ステレオの定位、ボーカルのバランス等を修正することにしたんです。何をもってこの曲はこういうバランスのミックスになっているのか、ということは、やっぱりつくった自分が一番分かってますからね」


