20周年の祭りに乗じて無礼講
――結成20周年記念アルバムを制作する話は、いつ頃出たんですか?
卓球「そもそも20周年ということを忘れていたんだけど、'08年の暮れ頃に話が出ましたね。通常のアルバムみたいなものじゃなくて、もっと気軽な感じのミニ・アルバムに、リミックスを収録したような作品にしようと考えていたんですよ。で、いざレコーディングを始めたら、オリジナル・アルバムのときみたいな責任がないぶん、すごく楽しくて、結果このボリュームになったんです」
――前々作『J-POP』よりも前作『YELLOW』の方が楽しく制作できた、というお話がありましたが、『20』は、その『YELLOW』よりさらに楽しく制作できたんですか?
卓球「もう、遊びですよ(笑)。20周年というところにつけこんで、無責任にふざけることができた感じですね」
瀧「20周年だから無礼講でしょ、っていうことを自分達に言い聞かせて(笑)、思いつくままにつくっていきましたね」
卓球「でも、無礼講にも限界があるから、だんだん疲れてきて、一回制作を休んだんですよ」
瀧「今年の3〜4月頃にレコーディングしたんだけど、4月の途中あたりは丸々何もしていませんでしたね。無礼講ブレイクということで」
卓球「だから、制作にかかった期間はトータルで1ヶ月半くらいじゃないかな。完成するまですごく早かったですよ」
――確かに、インターバルの短いリリースで驚きました。では、本作の内容について教えてください。1曲目の「電気グルーヴ20周年のうた」は、“死”が付く歌詞が多くて、お祝いというよりドロっとしたムードの曲だと感じたのですが...。
瀧「死体はお嫌いですか(笑)」
卓球「20周年じゃないと歌えないというか、めでたいものの中だとそういうキーワードが目立たなくて、ちょうどいいんですよ(笑)」
――ここ3作で、ダークかつシュールな歌詞の世界観に磨きがかかったんでしょうか。
卓球「シュールなんて良いもんじゃなく、もっとヒドいですよ。本作で唯一心がけたのは、聴き終わった後に何も残らないようにすることと、聴いている間にあまり頭に入ってこない歌詞にすることでしたね。歌詞の一行一行には意味があって、ビジュアルも浮かんでくるんだけど、それをトータルで見たときに、何と表現していいのか分からない感じにしたんですよ」
瀧「知らないおじさんに、知らないところに置き去りにされるような感覚ですよ(笑)」
一同「(笑)」
――意味が残らないような言葉を選んでいくのも、実は難しいことじゃありませんか?
卓球「今回はなるべく根を詰めないという暗黙のルールがあったので、あまり悩まないようにしましたね。20周年記念盤だし、煮詰まってつくるものではないですから。楽しかったですよ。「電気グルーヴ20周年のうた」で“アルミ箔”という言葉を使えたときは、二人ともガッツポーズでしたね(笑)」
――“アルミ箔”ですか。
卓球「日本の音楽界で、“アルミ箔”を歌詞にフィーチャーした人はいないでしょう(笑)。“アルミ箔”に対して別に思い入れはないけど、たまたまこの単語が目に入って、それをピッタリ使えたのが良かったです(笑)」
――その点では記念すべき一曲ですね。
瀧「どうなんでしょうね」


